新生勇者戦記 ブレイヴ・サーガ・ディザスター 第29話
光 「おおおおおお?!!え?え??!」
唯 「光君・・・・・よかったぁ!!よかったよぉおお・・・ありがとうエクちゃん!!!」
光を抱きしめながら涙を流す唯。エクスカイザーを見上げながらお礼を言う。笑顔の中の頬に涙がつたう。
エクスカイザー 『当然の事をしたまでだ。さぁ、危険だから下がるんだ。』
勇 「早く彼氏と逃げろ。ここは俺とエクスカイザーで引き受ける!」
唯 「うん・・・・・!!」
唯はその場を立ち上がり、つたう涙を払って返事をする。そして座り込んで呆然としている光に手を差し伸べた。
唯 「いこ?光君!!」
光 「う、うん(え??俺いつの間にか彼氏になってる・・・・ええ??おおお?!!)!?」
いつの間にか彼氏とされた光は、戸惑いと歓喜の感情を混ぜながら唯の手を握った。
そして2人は駆け出しながらその場を離れた。
唯と光が逃げ切るのを確認すると、エクスカイザーが両腕を空にかざし、キングローダーを召喚する。
エクスカイザー 『キングローダーッ!!!』
上空からキングローダーが召喚され、そのまま空中で合体モードへと変形する。
エクスカイザー 『とおっ・・・・・フォームアップッ!!!』
変形したキングローダーに飛び込み、内部に収容される。頭部にフェイスガードが装備され、両手首が飛び出す。そして胸に獅子の顔が浮かび上がり、勇の真後ろに降り立った。
勇は背後の地響きを感じ取りながら叫ぶ。
勇 「カイザーフュージョン!!」
キングエクスカイザーの額から光線が勇に向かって放たれ、光線を介して勇が額に吸い込まれて融合する。両眼にライトグリーンの目が光り、キングエクスカイザーに勇の意思が宿る。
キングエクスカイザー 『融合巨大合体!!キィィングエクスカイザー!!!』
キングエクスカイザーが、BLW‐07に向かって飛び立ち、低空を突き進む。
ギュドォオオオオオオッッ!!!
キングエクスカイザー 『おおおお!!』
BLW‐07の両腕のハサミを激突と同時にホールドする。
ガゴオオオォォォォンッッ!! ギギギギギギィィ・・・
BLW‐07 「キョキョキョガアアアア!!」
キングエクスカイザー 『・・・・うぉらああああっっ!!!』
ガヴォゴゴオオッッ!!!
気迫と共にBLW‐07の量腕をもぎ取るキングエクスカイザー。だが、その時、BLW‐07の胸部から、ワーム状の腕が飛び出しキングエクスカイザーに襲い掛かった。
ギュグワッ・・・・ドォオオオオッッ!!
この攻撃を強靭なボディーで受け止め、反撃に転じるキングエクスカイザー。
キングエクスカイザー 『フンッ!!カイザービームッッ!!』
ヴィギュイイイイッッ!!
ドギャゴオオオオオオッッ!!!
至近距離からカイザービームの直撃を受け、ワーム状の腕が吹き飛ぶ。
BLW‐07 「キュギャゴオオオッ!!」
今度は頭部が伸び、キングエクスカイザーの左腕に噛み付く。
ガブシィッ!!
キングエクスカイザーに噛み付いたまま離さないBLW‐07。溶解液を流し込み、アームパーツを溶解させようとする。
キングエクスカイザー 『ちっ!!させるかよっっ!!!カイザーソードッッ!!!』
右腕で右脚から飛び出したカイザーソードを握り締め、一気に横薙ぎの一線で斬り払った。
ズギャシャアアアアアアアアッッッ!!!
BLW‐07 「キョケケケケッケエエエッ!!!」
吹っ飛ぶBLW‐07。甲殻状の身体の内側に斬られた痕が残る。
そこから飛び立ち、空中から振り下ろすようにカイザーソードの斬撃をくらわせる。
キングエクスカイザー 『でやあっ・・・・・・・はあああああっっっ!!!』
ザギャガアアアアアアアアアッッ!!!
BLW‐07 『キュガッキュアアアア!!!』
右半分の甲殻の身体が吹っ飛ぶ。夥しい黄色の血を噴出して苦しむBLW‐07。
フュガッッ・・ザガガギャアアアアアッ!!!
ドォオオオオッ!!
もう一度カイザーソードを揮って薙ぎ飛ばすと、カイザーソードを正面にかざし、ライオンの口内から撃ち出されるサンダーエネルギーを刀身に注ぎ込む。
ヴィキュアアアアッ!!
カイザーソードの切先を天にかざして持ち上げる。
キングエクスカイザー 『サンダーァアアア・・・・フラアアアッシュッッ!!!』
ヴィギュオオオオオオオオオオオオォォォォォォ・・・・・!!!
上空に向かってサンダーエネルギーの刀身が奔る。キングエクスカイザーは一気にそれをBLW‐07に振り下ろす。
ギュゴオッ・・・・・ディギャズシャアアアアアアアアアアアアアアッッッ!!!
激しいエネルギーが一瞬でBLW‐07を斬り潰す。
ギュズゥオオオオオォォォォォ・・・ヴァガギャアアアッドォドォガゴオオオオオッッ!!!
激しい爆発と共に消滅するBLW‐07。キングエクスカイザーは爆炎をバックに、カイザーソードを収容してキメる。そして胸のライオンが勝利の咆哮した。
「ゴオオオオオンッッ!!」
戦闘が終了する頃、非難した光と唯は歩道で佇んでいた。
唯が光に顔を向けて身体の具合を按ずる。
唯 「身体は大丈夫なの?」
光 「うん!嘘みたいに治っちまった!」
唯 「えへへへ!スゴイでしょ?エクちゃん!!」
光 「うん・・・・ファイバードもスゲーけど、エクスカイザーもスゲーや!!」
しばらく会話が止まり、BLW‐07が爆発した炎を2人は見続ける。その沈黙を唯が消す。
唯 「光君・・・ありがとう。私とギー太を守ってくれて。これで助けてくれたの二度目だね。」
光 「え?!あ、ああ何ていうか必至だったし、咄嗟に動いたんだ!!」
唯 「・・・・・光君が死にそうになったときに言ってたコト・・・・嬉しかったよ。」
光は、ドキッとする。だがあえてココは必死に冷静になる。決して付き合うとは言っていない。それにギー太と軽音部の事があるのだ。
唯 「私、初めてだよ。男の子に好きって言われるの。」
光と唯の鼓動が高鳴る。
光 「そ、そうなんだ・・・・・で、でも唯ちゃんはギー太が・・・。」
光がそう言うと、唯は首を振った。
唯 「ギー太は、ギー太。光君は光君・・・・両方好きだよ。へへへ。」
光 「唯ちゃん・・・・って言うことは・・・・。」
唯 「光君となら・・・付き合ってもいいよ?」
光に唯が微笑む。満面の笑みが広がる光。遠くでサイレンが響く中、桜ヶ丘の片隅で新たなカップルが誕生した。
さりげなく手を繋いだ光と唯。二人の顔を黄昏の夕日が照らしていた。
つづく
作品名:新生勇者戦記 ブレイヴ・サーガ・ディザスター 第29話 作家名:Kブレイヴ