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新生勇者戦記 ブレイヴ・サーガ・ディザスター 第29話

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  純 「だけど、さりげなく大胆な事するんでしょ?!抱きついたり、撫でたり!!」

  梓 「確かにそんなトコ見たけど・・・。」

  その会話を聞いていた保護者位置の憂は気が気ではなかった。

  憂 「お姉ちゃん・・・なんだか心配だよ〜・・・襲われちゃったりしないかな〜・・・?」

  梓は自身有り気に手を横に振って言ってみせる。

  梓 「ああ〜大丈夫、大丈夫!そのヒト、結構ウブみたいなヒトらしいから!」

  純 「だってさ!!憂!!」

  ポンと憂の肩を叩く純。それでも憂の不安は消えはしなかった。

  憂 「う〜ん・・・そう言われても・・・何だか不安な予感がするんだよ・・・。」

  純 「考え過ぎだって!さ、今日は街のおいしい店で買ってきたケーキあるんだ!!食べよ!!」




  喫茶店を後にした光と唯。てくてくと二人並んで歩く。傍から見ればカップル同然のようだ。

  唯 「本当に送ってくれるの?」

  光 「う、うん。誘ったの俺だし、長々喋ってたら遅くなっちゃったし。」

  唯 「気にしなくていいのに・・・・でもありがとう。」

  唯の笑顔に頬を赤く染める光。

  光 (わぁ・・・今、間近に・・・真横に唯ちゃんがいる・・・スゲーかわいい・・・どうかなっちまいそうだぁ・・・。)

  つい見とれてしまう光。唯がふっと顔を覗きこむ。

  唯 「どしたの?」

  光 「へ?!あ、なんでもないよ!」

  更にカワイイ顔が自分の前に来たこのシチュエーション。光の中身は幸せに満たされた。

  だが、その幸せな時間は突如として崩れ去る。道路を挟んで反対側の建造物が突如崩壊。新たなBLWが出現する。

    ゾドドドドドゴゴゴオオオオオッッ!!

  BLW‐07 「コキュガアアアアアッ!!!」

  白い甲殻を纏ったカニのような身体と巨大なハサミ。ヒトの腕のような脚が八本生えている。中央にはBLWのタイプによくある、カタツムリ状の目がついた縦の楕円形の頭部が確認できる。

  巨大なハサミを振るって暴れる。

    ドォガアアアアアアアアアッ!!!

  周囲の建造物や車両を破壊。縦横無尽に暴れまくる。

    バッキャラガアアアアアンッッ!!!

  唯 「どどどどどうしよう??!」

  突然の出来事にパニックになる唯。光は咄嗟に唯の腕を引っ張り、その場から逃げようとする。

  光 「に、逃げよう!!」

  唯 「あ・・・!」

  とにかく走る。だが、唯は愛ギター・ギー太を中途半端に背負っていて上手く走れない。

  唯 「待って・・・!」

  光 「え?!」

  一旦立ち止まり、ギー太を背負いなおす唯。

  唯 「・・・・・うんしょっ!よいしょっ・・・・いいよ!」

  光 「よし!!行こう!!」

  まるで逃避行するように駆け出す二人。だが、その時無作為にBLW‐07が溶解弾を口から放ちはじめた。

    ビュバッ・・・・・・バチャゥッ!!

  直撃を受けた道路上の車両が熱したアメのようにドロドロと溶け出す。

  光 「マジでヤベー!!」

  唯 「怖い・・・!!」

    フュゴッ・・・・ガギャシャアアアアアンッッ!!!

  更に振るったハサミで砕かれた残骸が飛んでくる。その直撃を受けた通行人たちの身体が砕ける。

  光 「俺にも・・・・勇士朗みたいに闘えれば・・・!!」

  光の中で初めて闘いたいという意思が芽生えた瞬間だった。だが、現状ではどうする事もできなかった。二人の目の前に瓦礫が降ってくる。

    ドドドドオオッ!!

  光 「うお!!!」

  唯 「ひゃああああ!!」

  後数メートル前に進んでいれば直撃を受けていた。立ち止まってしまう二人。だが、真上の道路標識に直撃した溶解弾のとばっちりが二人に降りかかる。

    ヴァチャアアンッ!!

  光 「唯ちゃん!!」

  咄嗟にこれから唯とギー太を覆うようにかばう光。微量の溶解液が光に降りかかった。

    ジュシュシュシュウ・・・

  光 「ぐああああああああああ!!!」

  言いようの無い激痛が光を襲った。その場に倒れこむ光。微量とはいえ人のサイズには致命的な量の溶解液が中ったのだ。

  唯 「・・・・光君・・・?・・・・・光君!!!」

  どさっと仰向けに倒れこむ光。唯は半ば信じられない思いを懐きながら膝をつき、光の手を握り締めた。

  光 「ゆ・・・・唯ちゃん・・・と・・・ギー太は無事・・・?」

  激痛に耐えながら、糸をたぐりよせるように言葉を放つ光。唯にもその痛々しさが伝わる。

  唯 「私とギー太は大丈夫だよ!!でも光君が!!」

  光 「俺・・・・し・・・・死ぬ・・・・かも・・・。」

  段々と呼吸が苦しくなる。同時に意識も薄れる。

  唯 「やだよ!!またケーキ食べに行きたいよ!!みんなと一緒に放課後遊びたいよっ!!」

  唯の瞳に涙が浮かび始める。潤む彼女の瞳を見ながら光は想いの打ち明けに踏み切る。

  光 「お・・・・おれ・・・唯ちゃんの事が・・・・好き・・・・だった・・・。」

  唯 「え?!!」

  光は死を確信し、想いを打ち明けた。その間にも身体が溶解液に蝕まれていく。

  光 「あの日・・・・文化祭の時に・・・・一目見て・・・・惚れ・・・した・・・ぐッ!!!」

  唯 「光君・・・!!!」

    ズドォゴゴゴオオオオオガァッ!!!

  BLW‐07 「ゴギキイイィイイイイ!!!」

  その時、遠距離射撃の攻撃がBLW‐07を見舞った。ジェットブーメランの弾丸だった。

  後方からエクスカイザーと仕事帰りの勇が駆けつけたのだ。熱い眼差しでダッシュする勇。

  勇 「おおおおお!!」

  エクスカイザー 『勇!!前方に唯がいるぞ!!』

  勇 「なんだって?!・・・・・本当だ!!唯!!!」

  勇の声に振り向く唯。勇は唯の傍へと駆けつける。

  勇 「大丈夫か!!?」

  唯 「勇兄ちゃん!!光君が!!光君がぁ!!!」

  勇 「へ?!ひょっとして彼氏か?!!」

  光を彼氏と言われた唯。実際はそうではない。だが、つい先ほど告白されたばかりだ。気持ち的にも否定できない。

  唯 「え?!えと・・・うんと・・・・もう!!とにかく助けてよぉっ!!!」

  勇とエクスカイザーは早速、瀕死の光の身体を診る。

  勇 「うわっ!!ひでぇな!!こいつは直ぐに直さねーとっ!!エクスカイザー、頼む!!」

  光の溶けた身体を見るなりエクスカイザーに呼びかける勇。

  エクスカイザー 「ああ!!わかっている!!修復光線っっ!!!」

    キュアアアアアアアァァ・・・

  腕を光にかざし、修復光線を放つエクスカイザー。光が見る見るうちに元のとおりに身体が治る。

  光 「・・・・・あれ?お??おお!!治ったぁっ!!」

  唯 「光君!!」

  思わず喜びの余り、涙を浮かべて光をぎゅっと抱きしめる唯。咄嗟の出来事にパニックになる光。