Golden Wing
上司のお気に入りの子供の来訪に、今日は仕事が進むと踏んだ鷹の目の副官がアメ(お茶と茶菓子)とムチ(山積みの書類を抱えたハボック)を携えて訪れるまであと何分。
ノックの音に目を覚ました子供が、あまりにも間近にある黒い瞳に驚いて顔を真っ赤にするまであと何秒―
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開け放たれた窓からそよぐ風が男の黒髪を揺らす。
束の間の穏やかな時間が流れる中、金色の翼を広げるかのように赤いコートの背中がもそりと身じろいだ。
あるうららかな新緑の頃のこと―
fin
作品名:Golden Wing 作家名:はろ☆どき