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IS〈インフィニットストラトス〉~選ばれし者~

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第3話~クラス代表者~


千冬『それではこの時間は実践で使用する各種装備の特性について説明する...っとその前に、再来週行われるクラス対抗戦に出る代表者を決めないとな。』

一夏『クラス代表者?』

一夏が千冬に聞く。

千冬『クラス代表者とはそのままの意味だ。対抗戦だけではなく、生徒会の開く会議や委員会への出席...まぁ、クラス長だな。ちなみにクラス対抗戦は、入学時点での各クラスの実力推移を測るものだ。今の時点でたいした差はないが、競争は向上心を生む。一度決まると一年間変更はないからそのつもりで。』

千冬が粗方説明する。周りの女子達が騒がしくなる。

『はいっ。織斑くんを推薦します!』
『私もそれがいいと思います!』

一夏『お、俺!?』

女子からの推薦に驚く一夏。昭人には何ら声がかからない。昭人は全て計算済みだ。周りから好意を持たれると、今の一夏見たいに面倒になる。昭人はそれが嫌だからあらかじめ周りに悪いイメージを持たせていた。

昭人『平和だ...。』

千冬『他にはいないか?いないなら織斑をクラス代表者にするが。』

一瞬決まりかけたが、それを甲高い声が制した。

セシリア『な、納得がいきませんわ!』

《バンッ》
と机を叩いて立ち上がったセシリア。とても不満な様子。

セシリア『そのような選出は認められません!大体、男がクラス代表だなんていい恥さらしですわ!わたくしに、このセシリア・オルコットにそのような屈辱を一年間味わえとおっしゃるのですか!?』

セシリアの顔は真っ赤だ。一日何回赤くなれば気が済むのか。それともあれか?イギリス人は顔を真っ赤にしていないと死ぬのか?泳いでいないと死ぬマグロみたいだな。などと考える昭人。

セシリア『実力から行けばわたくしがクラス代表になるのは必然。それを、物珍しいからという理由で極東の猿にされては困ります!わたくしはこのような島国までIS技術の修練に来ているのであって、サーカスをする気は毛頭ございませんわ!それに、クラス代表は実力トップがなるべき、そしてそれはわたくしですわ!大体、文化としても後進的な国で暮らさなくてはいけないこと自体、わたくしにとっては耐え難い苦痛で...。』

いいかげんウザったくなった昭人が机を叩いて立ち上がった。周りは一瞬で静まり返る。

昭人『うるせぇな。ろくに寝れやしない。セシリアとか言ったな。そんな仕方なく来ましたみたいなこと言うなら帰れよ。目障りだ。』

セシリア『なっ...!』

昭人『猿だ?俺も日本生まれだから言うが、お前は何様のつもりだよ。所詮候補生の分際で、調子に乗るなよ。さっさと帰って世界一まずい飯でも食って暮らしてろよ。』

昭人の言葉に、一夏がよく言ったみたいな顔をしている。

セシリア『あ、あなた!わたくしの祖国を侮辱しますの!?』

一夏『先に俺らの国を侮辱したのはお前だろ!?』

セシリア『決闘ですわっ!!』

一夏『おう、いいぜ。四の五の言うよりわかりやすい。』

昭人『はぁ...面倒だ。』

セシリア『言っておきますけど、わざと負けたりしたらわたくしの小間使い...いえ、奴隷にしますわよ?』

一夏『侮るなよ。真剣勝負で手を抜くほど腐っちゃいない。』

セシリア『そう?分かりましたわ。それではハンデはどの位付けまして?』

一夏『いるか!』

一夏がそう言うと、周りの女子達が騒ぎ始める。

『お、織斑くん。それ本気で言ってるの?』
『男が女より強かったのって、大昔の話だよ?』
『織斑くんは、それはISを使えるかもしれないけど、それは言い過ぎだよ。』

一夏『男が一度言ったことを覆せるか。ハンデはなしだ。』

セシリア『あらそう。ならあなたは?』

セシリアは昭人を鼻で笑うように見てきた。昭人は口元を少し緩めて言う。

昭人『心配するな。所詮候補生の分際に負けやしない。お前なんざ生身でも勝てる。』

セシリア『なっ!?』

笑ながら言う昭人の爆弾発言に、クラス一同が驚く。真耶や千冬もだ。当然、セシリア本人もである。

千冬『話はまとまったな?それでは勝負は一週間後の月曜日。放課後、第三アリーナで行う。織斑、オルコット、それから神城はそれぞれ用意をしておくように。では授業を始める。』

千冬が手をパンパンしながら言った。昭人は残り時間を睡眠に使った。一夏は最後まで授業内容の意味が分からなかった。セシリアは最後まで昭人を睨んでいた。箒もセシリアと同じだった。