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きみとおとなり(1)

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 突然淳が目の前で吊りズボンのボタンをガチャガチャいわせながら外す。
「お、おい…淳…」
「…んぅ~…」
 顔を真っ赤にして怒りながら、チャックを下ろし、男だっていう証を見せてくれた。
「わ、わかった?」
 無言の達哉の顔が赤く染まっていく。達哉はなぜかショックを受けていた。確かに淳は男だし、ついているのはあたりまえなんだけど…。なぜかショックを受けていた。
「…な、なんだよ…だまらないでよ…はずかしいよ…」
 顔を真っ赤にしてプイっと後ろを向くと、しまいだした。
「き、きみが男だっていう証拠みせてって言ったんだからね…ぼくがヘンタイなんじゃないもん!」
「う、うん…」
 急に大人しくなった達哉に淳は泣きそうになる。
「ご、ごめん…なんかやっぱ淳は男かーって思ったらびっくりしちゃって」
「…もう…つ、次は達哉のばんだからね!」
「え?オレも?」
「違う!ケガ見せて!」
「…ん~…やだ!」
 そうか、淳は自分が恥ずかしいもの見せたんだから、達哉にも見せたくないものを要求しているのだ。淳は達哉が胸の傷を見せたがらないのを気にしているらしい。もちろん恥ずかしいものなんて無いから別に見せるのは平気だが、このケガを見せればきっと大したことないのに、淳がまた申し訳なく思ってしまう…。達哉は淳に胸のケガを見せる気にはならないのだ。
「ずるい!みせて!」
 珍しくムキになりながら、達哉のシャツをめくりあげようとしてくる。
「やだ!だって淳、気にするもん!」
「…そんなひどいの…?」
 しまった、淳が泣きそうな顔をする。まずいことを言ってしまった。淳は本当に賢いなと思う。潤んだ黒い瞳は達哉の心を見透かすと言うのだろうか。なんだか抵抗できない気がしてきて、そっとシャツをめくり上げた。
「青アザ…できてる…」
 淳の静かな声。ボールのぶつぶつもはっきりと、達哉の胸に刻み込まれていた。相手はクラス一のバカ力男子だったので、達哉的にはこれくらいが普通なのだが、淳には相当ショックだったようだ。淳のひんやりした手が、そっと胸の中央に置かれる。
「…イタイ?」
「ちょっとだけな…」
「…そっか…」
 そうだ、その悲しい顔を達哉は見たくなかった。
「あのな、オレな、淳をまもるのがあたりまえだから!」
「…達哉?」
「淳はな!オレの友達だから!オレが淳を守るのはあたりまえだから!」
「…う、うん」
 達哉は淳の手をぎゅっと握った。
「ごめんな!ちょっとでも女みたいとか思って…」
「いいよ、別に…それはなれてるから…」
「オレ、あんまり淳がイヤだって思うことしたくないから!」
 淳が驚いたような顔をして達哉を見上げる。照れくさくて頭をポリポリ掻きながら達哉は言う。
「うん、オレ、淳が好きだよ…」
 ちょっと遠慮がちに、淳が達哉の胸に頭を寄せる。達哉の早い鼓動が聞こえる。
「ぼくも…だよ…」


四葉のクローバーの花言葉…

それは、「わたしのものになって」…

>to be continued...
作品名:きみとおとなり(1) 作家名:妄太郎