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HoneyTrap (もう一つの結末)

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情も感じないような冷たい物言いだ。背を向けると扉に向かう。その背を見ながら、自分で選択した情婦という道に、改めてどうしてと疑問を感じる。
此方がブラッドに想いを寄せているわけでもなく、向こうがどう思っているかも判らない。残ってくれと乞われたわけでもない。
自分が将来、正しい答えにたどり着けるのか、それすらもわからない。それでも、此方に残ると決めたのは自分だ。そこからは逃げない。自分の中にある後悔が頭をもたげる。それを振り払うように声を出した。


「ねえ、お願いがあるの。」

ベッドから上半身を起こし、部屋を出て行こうとするブラッドに小さく、遠慮がちに声をかける。

「私、服が欲しいの。」

何故だろう、もうあのエプロンドレスを着たいと思わない。
ブラッドは振り返るといつもの気だるげな声で答えた。

「珍しいな、君がお強請りとは。では夜が明けたら着替えて待っていろ。」

ブラッドが部屋を出た後、明かりを消すと眠った。
夢の中に出てきたロリーナは、アリスの選択に少し寂しそうな笑顔を見せる。

「ごめんね、姉さん。でも決めたの。」

アリスがそう言うと彼女は背を向けて、闇の中に消えていった。