文章修行家さんに40の短文描写お題
21. 神秘
周囲に馴染まない長門の雰囲気は常人の感覚では理解しがたいものだ。それなのに普通人である俺は割りと長門の微細な表情が判別できるのだ。
22. 噂
いつ誰が誰と付き合ってるだと!?誰がお前にそんな事吹き込んだ。もしやお前が発生源じゃないだろうな。俺が誰と付き合ってるか知ってるくせに。
23. 彼と彼女
神と鍵の幸せな行く末を願う。たとえその傍に僕がいなくとも、ただ幸せであれば…少し、寂しいが、けれど願わずにいられない。どうか、きっと。
24. 悲しみ
はらり、と花びらが散るかのように、古泉の閉じられた瞼から、一粒の涙が零れた。薄色の肌に走ったそれを掬えば、僅かに冷たく感じられた。
25. 生
灰色の空間が壊れ、世界に色が戻ってきたとき、実感する。この世界の愛おしさ。愛しい人たちのいるこの世界。だから僕は戦い続けられるのだ。
26. 死
崩れる灰色の空間。その瞬間に恐怖を感じたけれど、俺をここに招いた当人はそれを嬉しそうに眺めていた。恐怖は、俺の考えすぎであろうか?
27. 芝居
9組の出し物を聞いた時、コイツが主役になるなと思った。見栄え良い顔貌は本より、常の大仰な動作、慇懃な話し振りは適役としか言い様がない。
28. 体
肉の薄さが皮膚の上からなぞればわかった。元々そういう体質か、それとも春先からのゴタゴタにコイツも疲れていたのか。健康管理は大事だぜ。
29. 感謝
俺が生きてるのは長門のお蔭、日々癒されるのは朝比奈さんのお蔭、それなりに毎日が楽しいのはハルヒのお蔭だ。古泉も、まあ頼りにしてんだぜ?
30. イベント
バニー、メイド、ナース、着ぐるみ、ウェイトレス、実に様々な衣装をお召しになったもんだ。さて次は何がくるやら。クリスマスか…楽しみだ。
作品名:文章修行家さんに40の短文描写お題 作家名:由浦ヤコ