【未来系】ロイエドメモ詰め合わせ
【桜舞う、夢に舞う~その後のとある朝~】
雨が何度か降って、暖かい風も吹いて、桜はすっかり花を落とし、若葉が伸びやかに芽吹く頃のある晴れた朝のこと。
すっきりと目覚めたエドワードは、なんだか気分がよかったのでいつもより少し早くうちを出た。
朝の澄んだ空気をもっと味わいたくて久々に桜の並木道の方へと行ってみる。
歩きながら見上げた空の澄んだ青に映える瑞々しい緑のグラデーション。
重なりあった葉の隙間から溢れる日差しがちょっと眩しくて目を細める。
薄い青に霞むような淡いピンクのアーチもいいが、鮮やかな青と緑の天井は気分も晴れやかにしてくれるようだ。
次に休みが合う日があったら、ロイとここへ来てみようかな。
近くに気に入りのカフェもあるんだ。
だけどあいつに休みなんかあったっけ?
・・・まあいいや。
ここは蝉の鳴く頃でも、葉が紅くなる頃でも、冬だって多分歩きたくなるとこなんだ。
そしてもちろん、桜の花が咲く頃も―
そんなことを考えながら天を仰ぐのをやめて司令部へと向かった。
今度はしっかり前を向きながら。
*先に投稿した「桜舞う、夢に舞う」の後日のお話。
ちょっと前向きになった兄さん。
単体でも読めるとは思いますが、よろしければそちらも読んでみてください。
作品名:【未来系】ロイエドメモ詰め合わせ 作家名:はろ☆どき