魔法少女リリカルなのは THE MACHINES WAR 1
◇
ある司令室。
室内は機械設備が整っていて、中央部の広く設けてある場所に、三つの空間モニターが存在していた。
モニターには、左右に熟年男性の顔。中央には熟年女性の顔が、大きく映り出していた。
そしてそのモニターの前で跪き、何かを報告している人間がいた。
暗くて人物の顔は特定出来ないが、只一つ目視出来る物があった。
右の二の腕部分の――『105』という数字だけが――。
「……報告内容は以上です」
「……そうか、分かった。それと、さよならだ」
「……え?」
中央のモニターの女性がそう言うと、それを合図として無数の銃口が至る所に出現し、その人間に照準を合わせる。
室内に鳴り響く銃弾やレーザーの音。
「ぐわあぁぁァァァ…ッ…!!」
容赦なく放たれる攻撃は、人間が絶命しても止まる事は無かった。
そして――見るも無惨な姿に変わり果てた所で、攻撃は止んだ。
剥き出した銃口は機械音を発して何も無かったような状態に戻る。
「人間め……そのような嘘、見抜けぬと思ったか!?スパイがいた事など、とうの昔に知っていたわ!!」
「まあそう怒るなジャッジメント。人間の脳が考える事だ。幼稚なのはしょうがない」
「しかしアイアンハンマー、このまま我らスカイネットは人間に舐められ続けるぞ」
「“舐められる”………大いに結構だ」
中央のモニターに位置する女性が、そのような言葉を口にした。
正面から左――『アイアンハンマー』
右――『ジャッジメント』
互いに中央の女性――『ジャスティス』に注目していた。
「今の内にそうさせておけば良い。一つの判断が取り返しの付かない事になる事を、教えてやる。それに我らは…」
ジャスティスの操作により、中央部から彼女らに囲まれて生体ポッドが下から現れる。
完全に姿を現した生体ポッドには、裸の人間が入っていた。体つきから、男性と推測出来る。
「奴らより遙か一歩進んでいる…」
不気味な光を放つそれは、他を圧する程の存在感を出していた。
序章 ーロストー[完]
作品名:魔法少女リリカルなのは THE MACHINES WAR 1 作家名:神威