魔法少女リリカルなのは THE MACHINES WAR 1
「T−900……」
彼女を呼ぶ声――。
その声は、彼女を『物』では無く『人間』として見ている人の優しい声だった。
「レイル、何でしょう?」
廊下を歩くT−900にレイルが話し掛け、互いに足を止める。
「俺はお前を捨て駒だとは思っていない。魔法世界に繋がっていたとしても、俺はお前の帰りを待っている…」
「………」
「何が何でも、生きて戻って来い」
「………レイル、ありがとう。貴方だけだ。私にそのような言葉を掛けてくれるのは…」
「私も同じ意見よ…」
横からミレーユも話し掛け、T−900を抱き締める。
「ミレーユ…!?」
「お願い……必ず…必ず帰って来て。約束して…」
瞳を濡らし、一筋の涙を零す。
それに答えるように、右手でミレーユの頭を撫でる。
「約束します。必ず帰って来ると…」
その言葉は、ミレーユ、レイル――そして、自分自身へと向けられた。
此処に、T−900の脳内に新たな1ページが刻まれた。
メモリー登録完了。
命令登録更新。
命令第1目標――
『I RETURN ALIVE』=『生きて帰って来る』
作品名:魔法少女リリカルなのは THE MACHINES WAR 1 作家名:神威