魔法少女リリカルなのは THE MACHINES WAR 2
その予言を表したのが、JS事件だった。
他の部隊より活躍していたのは、それに対応した行動力を持ち合わせていたからなのか。
いや、優秀な隊員が協力しあい、励ましあったからこその勝利だったのかもしれない。
その機動六課も、一年の試験運用が経ち、解散。
若き隊員達は、それぞれの夢の為にそれぞれの道を行く。
その道を阻む者はいない。
そう思っていた――。
JS事件から一年。
六課解散から半年。
戦いは――始まったばかりである。
◇
第10管理世界――セウス
都市シェンステン郊外の廃棄工場に、管理局員と地元の警邏隊が集まっていた。
互いに情報交換をしあい、状況説明をしているようだ。
そこに、数台の車が到着した。
青い管理局の制服を着た男女が降りてくる中、只一人、黒の制服を着た女性がいた。
長い金髪の先をリボンで留め、それが風で優しく靡く。
その姿は、世辞ではなく美貌と呼ぶに等しかった。
その女性が、局員を連れて一人の現場局員に近づく。
「お疲れさまです」
「あ、ハラオウン執務官お久しぶりです」
彼女の名前はフェイト=T(テスタロッサ)=ハラオウン。
機動六課での分隊長を務め、その勇姿を見せた。
過去の事情もあって、ハラオウン家の養子になり、自らの名字と一緒に名乗っている。
若年で執務官の資格を取った一人でもある。
「状況は?」
「沈着状態です…。“奴”は確かにこの工場にいる筈なんですが…手が出せないでいます。それに…」
現場局員が工場の方に顔を向けると、フェイト達も同じ方向を向く。
工場の手前の広く設けてある広場に、大きく文字が描かれていた。
『Fate.I’ll wait for you.』=『フェイト、君を待っている』
「ハラオウン執務官……貴女を指名しているようです…」
「血で書かれた文字……フェイトさん、“当たり”ですね」
「うん……」
フェイトに話し掛ける女性の名は、ティアナ=ランスター。
彼女も機動六課出身で、類を見ない卓越した指揮で新人フォワードとして活躍した。
現在は執務官取得を目指しフェイトの副官として今日に至っている。
作品名:魔法少女リリカルなのは THE MACHINES WAR 2 作家名:神威