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殺生丸さまの嫁とり物語 その1

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「人間は儚い。共に過ごせる時間は短いぞ。りんは、すぐこの世からいなくなる。それでも・・・りんを妻に望むか?」
「・・・りんは、ずっと私と一緒だ」
「りんを甦らせるのに、天性牙はもう使えぬぞ。わかっているな」
「むろん」

(そうか・・・殺生丸は、すべてを覚悟しているのじゃな・・・)

「・・・殺生丸。承知した。それでは、りんを嫁に迎える準備を整えようではないか」

もともと、母はりんを気に入っている。殺生丸がりんを嫁にしてここへ連れてくることを実は楽しみにしていたのだ。

「準備?」
「そうじゃ。りんの部屋を用意しよう。お前が出かけている間でも、りんが心地よくお前の帰りを待てるよう、整えよう。そうだ、調度品をいろいろ揃えなくては、な。そうじゃ、お前たちの子供の部屋も整えないとな。殺生丸、わたしは娘がいいぞ。最初の孫は娘にしてたもれ」
「・・・・・」
「おや?お前、なぜ、目をそらす?まさか、まだ、りんと契っていないのか?」
「!・・・」
「ほう、まだなのじゃな。意外と奥手じゃのう、殺生丸。ほほほ!」
「・・・・」
殺生丸はさっときびすを返して、飛び立っていった。

(これは、毎日、思った以上に、殺生丸で楽しめそうじゃぞ。ちょうど退屈していたところじゃ)

母はにんまりした。


→その2へ続く