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愛してるよ アル。 (『vivi』パロディー)

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「俺は消えるんだよ。」



想い人の口から、零れた言葉。
俺は黙って聞いていた。
その言葉を飲み込んで、目を閉じる。
扉の閉まる音が聴こえ、後ろを振り返ると、
其処にはもうアイツの姿は無かった。
俺は何も言えなかったんだ。
「…っ…」
なんて俺は無力なんだろうか。
こんな小さくて、弟すら守れない。
血染めの手。
苛立ちが隠せなかった。

愛してる。
どう最後に伝えたら良いだろうか。
伝え方が全く分からない。
なんならスコーンでも渡そう。
喜んでくれるに違いない。
でも…、やっぱり。
結論が曖昧で上手く纏まらない。

俺はアメリカに何を伝えたいのか?…

何もない…?

「はぁ…」
小さなため息をつく。
申し訳ない気持が溢れて胸が痛かった。


俺はアメリカを愛している。
周りの奴等には負ける気がしないほど。

大好きだった。

アメリカが消えるのは明日。
俺が母国に帰るのも明日。

これが最後なんだ。
廃墟になりかけたこの国を見捨て、俺は我が国に戻る。
女王からの命令でもあった。
俺は状況を見に来ただけ。
唯それだけの筈なのに。


時がゆっくり過ぎていく。
一日がこんなに早く終わるなんて思わなかった。