魔法少女リリカルなのは THE MACHINES WAR 3
◇
ヘリコプターの中。
プロペラの回転音。
外側に対称に座るPeaceの兵士達。
定刻通りフレイア本拠地から出発した第5小隊と第8小隊は、それぞれ2班に分かれ“ヘリ”4機を使い、目的地のブリッツ山岳基地へと向かっていた。
スカイネットの索敵外を飛行している為、発見される事はまず無い。
しかし、常に警戒している。
何時でも戦闘出来るよう、全兵士の手にはマシンガンないし重火器が握られているのだ。
先頭を飛行するこのヘリには、第5小隊隊長レイル=フォスターの他に、彼の従者である唯一の女性、T‐900が搭乗している。
“作戦のキーである彼女を守るのは君だ”――と、フレイア本拠地の防衛隊長ヒビキ=ナカジマの命令を受けた為、この形となった。
プロペラ音が轟くだけで、人の声は一切無い。
殆どの兵士が微動だにせず俯く。
その中、T‐900が不意にレイルに話しかける。
「レイル、ブリッツ山岳基地とはどういう場所なのですか?」
「そうか、お前はプログラム書き換え時のバグによって地形とかのデータが消失してたんだな。
ブリッツ山岳基地は、ロスト上の指5本に入る高い山脈の一つ、ブリッツ山脈にそびえ立つ基地だ。『恐慌時代』から存在するらしい。『審判の日』の被害が少なかった事を理由に、Peaceの主要拠点の一つとして機能している。それと最大の特徴……一度も攻略されていない事だ。正に“難攻不落の要塞”だな」
「“難攻不落”…」
「転移装置が収容された理由は、恐らくそれだ」
「……そうですか…」
それ以降、T‐900が口を動かす事は無かった。
話す事は無いと判断したのだろうか。
レイルはT‐900から目を離し、再び俯いた。
ヘリ2号機。
2番目に飛行するヘリには、第5小隊の第2班の兵士達が搭乗していた。
1号機と同じく無言が続き、張り詰めた雰囲気に支配されている。
正面から見て左側の奥の端に、ゴードン=フィリップスは腰を下ろしていた。
彼は常に気に掛け続けていた――。
フレイア本拠地で療養している友――アレックス=ライトの事を――。
それが顔に出ていたらしく、彼の対称に座るパープルの長髪をポニーテールに束ねた中性的な顔立ちの男性――ミラージュ=フェニックス二等陸尉は心配して見つめていた。
ヘリコプターの中。
プロペラの回転音。
外側に対称に座るPeaceの兵士達。
定刻通りフレイア本拠地から出発した第5小隊と第8小隊は、それぞれ2班に分かれ“ヘリ”4機を使い、目的地のブリッツ山岳基地へと向かっていた。
スカイネットの索敵外を飛行している為、発見される事はまず無い。
しかし、常に警戒している。
何時でも戦闘出来るよう、全兵士の手にはマシンガンないし重火器が握られているのだ。
先頭を飛行するこのヘリには、第5小隊隊長レイル=フォスターの他に、彼の従者である唯一の女性、T‐900が搭乗している。
“作戦のキーである彼女を守るのは君だ”――と、フレイア本拠地の防衛隊長ヒビキ=ナカジマの命令を受けた為、この形となった。
プロペラ音が轟くだけで、人の声は一切無い。
殆どの兵士が微動だにせず俯く。
その中、T‐900が不意にレイルに話しかける。
「レイル、ブリッツ山岳基地とはどういう場所なのですか?」
「そうか、お前はプログラム書き換え時のバグによって地形とかのデータが消失してたんだな。
ブリッツ山岳基地は、ロスト上の指5本に入る高い山脈の一つ、ブリッツ山脈にそびえ立つ基地だ。『恐慌時代』から存在するらしい。『審判の日』の被害が少なかった事を理由に、Peaceの主要拠点の一つとして機能している。それと最大の特徴……一度も攻略されていない事だ。正に“難攻不落の要塞”だな」
「“難攻不落”…」
「転移装置が収容された理由は、恐らくそれだ」
「……そうですか…」
それ以降、T‐900が口を動かす事は無かった。
話す事は無いと判断したのだろうか。
レイルはT‐900から目を離し、再び俯いた。
ヘリ2号機。
2番目に飛行するヘリには、第5小隊の第2班の兵士達が搭乗していた。
1号機と同じく無言が続き、張り詰めた雰囲気に支配されている。
正面から見て左側の奥の端に、ゴードン=フィリップスは腰を下ろしていた。
彼は常に気に掛け続けていた――。
フレイア本拠地で療養している友――アレックス=ライトの事を――。
それが顔に出ていたらしく、彼の対称に座るパープルの長髪をポニーテールに束ねた中性的な顔立ちの男性――ミラージュ=フェニックス二等陸尉は心配して見つめていた。
作品名:魔法少女リリカルなのは THE MACHINES WAR 3 作家名:神威