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Cの溜息

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「何睨んでるの?」
「何故わたしの膝に来る。」
「そりゃおれの膝だとお尻が落ちるがらじゃないか?最近は顎だけ乗せるとか顔をはみ出してとかかなり無理に乗ってる。」
「それでも乗ってくるのが。」
「癖じゃない?自分が大きくなっているのに気がついて無いかも。」
「わたしの邪魔をしているんだと思った。」
「考えすぎだよ。」
言っている問にわたしの膝からアムロの後ろに移動した。ソファの背もたれからアムロの肩に顎を乗せている。
目があった。
「喧嘩売られているような気がするが。」
「何馬鹿言ってるの。」
そうは思えない。書斎で書いているとその分猫に独占されるのにその上出てさても邪魔されるんじゃ…。
写真見ながら書こうとすると頭の中で寄り道してあまり進まないし出てきてからこれでは寂しい。
「きみはずっと猫と遊んでいるのか?」
「いや。さっきまでキッチンでハロの設計考えてた。」
「まだ作るのか?」
「猫用に考えてる二人でいる時に遊び相手になるよう自動で色々動いて様子もわかるように。」
「ほう。」
「大きさが問題で。7・8センチにしようと思ってるんだけど小さいがら部品が入りきらない。」
「夢中だな。」
「面白いよ。」
わたしは面白くないぞ。でもまだ子供の頃を書いているので写真が無いと話が進まない。まだ暫く書斎にこもらねば。

つい想いが突っ走ってまとまらなくて悩みながら書いていると書斎に鍵をかけているのを不審に思っているのかアムロがお茶を入れてきてくれた。ノックされて焦った。写真がその辺に広げてある。慌てて隠してがら居間に移動した。胡散臭そうに見られる。
書き進まないのとアムロがハ田作りに夢中になっているのを見ると気が焦るが焦ると余計に進まない。ちょっと頭が飽和状態になってしまった。居間のソファに座っているアムロにへばりつく。
「ちょっと何?」
「疲れた…。」
「仕事に差し支えるなら問答無用に止めてもらうよ。」
「こうしてれば直る。」
アムロを抱きしめているとほっとする。
「邪魔だよ。」
と言われながらも話をしているうちに初心を思い出して少しずつ書き進めて15歳になった。もうその後の映像は何度も見て頭に入っているので書斎を出てアムロの側で書くようにした。
「ここで書くの?」
「駄目が?」
「色々音出るけど。」
「書いているときは気にならない。ひと息ついたときに寂しいのが嫌だ。」
「おれも集中してる時は気にならないけど。狭くない?」
「わたしはそんなに場所要らないぞ。」
「じゃあなだがテーブル使いなよ。おれは床でやるがら。」
「良いのか?」
「時々上を使わせてもらえば大丈夫。じゃその前に猫を遊ばせて疲れさせておいた方がいいがな。あ・あなたは気にしないで先にやってなよ。」と猫が優先された。
本当にわたしのやることに興味が無いんだな。無視すると言われているのにへこんでしまった。

それでもそばにアムロが居てくれた方が少し落ち着いて考えられる所為か書き直しが少なくなる。
キッチンで書いて書斎でハロのチェックを受けて少なければそのまま綴って多い時は次の日まるごと書き直す。
そうやって少しずつ書いて慣れてくるとアムロがこちらを気にしないのがわかっているのでそのままベッドシーンも書き進む。
どういう言葉で表そうかに苦心している所為か極めて事務的に進んでいく。
にやけて書いていたら何を書いているかすぐわかっていい顔しないだろうから丁度いい。
何が幸いするかわからないものだ。
が今度は話が思うように進まなくて筆が滞る。
それでつい気晴らしに違う話を書いていたんだがアムロの最後だけ日を通すと言う言葉に苦労してやや強引に話を終わらせた。

手書きの原稿のまま表紙を作って製本する。その工程をアムロは興味深げに見ていた。
やっと出来上がった本を本当に最後のところだけ読んでくれた。感想は散々だった…。
約束したので本は渡した。手元には何も残らなかった。寂しいが書くだけ書いたからと諦めた。

ものを書くのが習慣ついていたのでそのまま中断していたものに手をつけるとアムロが文句を言う。
他の題材と言われても食指が向かない。
それならラブレターの方がいいというので短い方が読むがと思いアムロに縁の文化の中から選んで渡すと全然わからないと言う。
難しくないから勉強しろと毎日一首ずつ渡して解説するとこれがわたしの性に合っているようで教えるのが楽しい。
それに完成した話の中に似たシチュエーションがあったのでなんとも感慨深い。つい思い浮かべてしまう。
二コ二コしていると呆れられてしまった。
付き合い悪いな。

もっと短いのがいいというのでそれようの勉強を始めたらアムロが音を上げてしまった。
頭から湯気を出しているような状況で無理をさせるとダウンしそうなのでしばしおやすみ。
その間つまらないので中断していたものに手を付け出した。
アムロは露骨に嫌そうな顔をしたが止めるのはあきらめたようで勝手にやればと突き放された。
それよりわたしのハロをメンテすると言って持っていった。
中のデータは見ないと言っていたが最近はハロにデータを移して写真をスライド式にして見ていたので消されてしまうのではないがと心配になった。
キッチンで分解している間中隣でつい気になって見てしまい書くほうは進まない。
終わったよと渡された時書斎にこもって点検してしまった。もちろん消されてなかった。少し自分が情けなくなった。

それでも気にされないのは嫌なので書いている話のネタをアムロに投げかけると相手にしてくれない。
出来上がりもいらないのかと
「モデル料は。」と聞くと本はもらうと言う。
「飾っておくがら綺麗なのを作って。」と。
どうでも良いのに取り上げるんだなと悲しくなってきて
「内容はどうでも良いのが…。」と言うと
「おれが好きだって書いてあるんだろ?」と言われて驚いてしまった。


あれ?違うの?と首を傾げられる…。


いや…あの…要約すればそうだが…。
二言で済まされてしまった…。


酷い…

知らずに息を止めていて思い切り溜息が一つ。

作品名:Cの溜息 作家名:ぼの