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モン・トレゾール -私の宝物-

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アムロの言葉に目をむいたのはノア夫妻だった。
「だ、抱いてたって…。シャア!貴様という奴は!!」
「何て男なのっ!!」
ノア夫妻がアムロの言葉に激怒し、殴りかからんばかりになった。
焦ったのはシャアだけでもなかったが…。

「いや! 違うッ!! 違うんだ。ブライト。ミライさん。私はアムロを抱き締め」
「アムロを無理やり抱いたんでしょう?!」
ミライが頭ひとつ半高いシャアの襟元を締め上げてくる。

「いやいや。頼むっ! 説明をさせてくれ!!」
シャアが諸手を上げて降参の姿勢を示した。

「いいだろう。言い訳をしろ。事と次第によっては面相が変わる事態になる事を覚悟しておけよ」
ブライトが麺棒を片手に凄む。
「ブライト。武器を所持するのは拙いわ。過剰行為と取られかねないから」
ミライは締め上げていた手を離して夫を諌めた。

「あ、あの〜ミライさん? それはちょっと、注意するポイントにずれを感じるのだけど…」
アムロは、二人の憤りに押されてしまい、シャアを擁護するような態勢にならざるをえなかった。
それに喜びと自信を得たシャアが、落ち着いた声で説明を始めた。

「彼女の所へ泊まらせてもらった折、ベッドを私が使っていたのでアムロは床に毛布とクッションで寝ていたのだ。それを夜中に見かけた私が、冷えてはいけないとベッドに抱えて移したのだ。決して不埒な行為を仕掛けたわけではない。信じて欲しい!それに朝方、アムロにベッドから蹴落とされて報復は受けていると思うのだが…」
「そう……。それなりにフェミニストである事は認めましょう。でも、そもそも貴方がアムロのベッドを占領する事が間違いなのではないかしら?ソファーで休めば良かったのではなくって?」
「あの〜〜、ミライさん? 私の所のソファーは私に合うサイズなので、シャアさんには小さかったと思うのね。ベッドですら手足を縮込めてたもの。仕方なかったと思うの」
「アムロ。奴を庇う事は無いぞ。そもそも脱走してくる方が悪いんだからな。床に転がしておいた所で文句を言う資格はない」
「でも……。私の部屋って、研究や卒論の資料や何かでごちゃごちゃになってたし…」
「ああ、アムロっ! 君は何て優しいのだろうね。その優しさが私にとっては得がたいものなのだよ。だからこそ、私の身分を知られてつれなくされるのが嫌で、つい本名を告げれなかったのだよ。その事で君に不快感を与えてしまったのだとしたら、深く謝罪する。すまなかった」

シャアはアムロの足元に跪き、両手を取ると上目遣いで切々と話しかけた。そしてその甲へと唇を寄せる。
さながら、姫に忠誠を誓う騎士の様に。
愛を請う情人の様に。
シャアの顔を見るアムロが再び真っ赤になった。そしてふるふると震えだす。
シャアは捧げ持った手が小刻みに震えているのに気付き、視線を上げてアムロを見た。

青空が蜜飴を射る。

その瞬間にアムロの腰がカクンッと力を抜かし、身体がシャアの腕の中に墜ちた。

「あ、アムロッ!」
シャアが慌てて抱える。
「どうしたんだい?! アムロ?」
シャアは膝にアムロを座らせると、顔を覗き込んだ。
するとアムロは粗くなった息を精一杯整えながら、こう叫んだのだった。

「そういうタラシの行為が慣れないのよぉ。心臓に悪いから止めて頂戴っ!!」
シャアはアムロの純朴さに感激し、抱きすくめそうになるのを押えるのに必死にならねばならなかった。
「難しいとは思うが、善処しよう。では、あの日の事を赦してくれるのだね?」
シャアは震えて力の入らないアムロの身体を支えながら立たせると、腰に腕を回して自分に密着させた。
「わかりました! あの日の事は水に流します。だからこう言った行為は止めてください。それが採用時の条件とさせていただきます」
アムロは精一杯腕を伸ばしてシャアとの間に隙間を作ろうとしながら要求を告げた。
「……善処する…」

シャアはノア夫妻の手前、アムロの要求と条件を呑む姿勢を示した。
だが、それを本当に遵守するかどうかは、定かではない。

こうしてシャアは、アムロとの絆を結ぶ事に成功したのだった。


ミライが、シャアを信用できないとナナイを協力者に引き込んだのはそれから直ぐの事になるのだが、この時のシャアはそれを予見出来なかったのだった。