絶対に笑ってはいけない宇宙警備隊24時 移動・到着編
ウルトラ爆笑作戦第一号
ゼロ「ゲームってどういうことだ?」
メビウス「説明致します!」
さっきから丁寧語のメビウス。逆に気味が悪い。
メビウス「今から貴方達5人は24時間、宇宙警備隊の隊員になってもらいます」
ゼロ「ちょっと待て。俺は既に隊員では…」
メビウス「ゲームですから、細かいことはあまり気にしないでください」
ゼロ「あ…あぁ」
戸惑いながらも頷くゼロ。対する他の4人は真剣に聞いているが。
メビウス「次からが重要です!勤務中はどんなことがあっても絶対に笑ってはいけません!もし笑うと痛い罰を受けることになります」
グレンファイヤー「ハッ!笑う訳あるか!」
メビウス「そして、ゲーム中は飛行、または光線を撃つことは禁止です!」
ミラーナイト「もし破ったら?」
メビウス「か・な・り厳しい罰を受ける羽目になりますよ♪」
ナイス「何か凄い怖いんですけど…」
メビウス「簡単な説明は以上です。何か質問はありませんか?」
ジャンボット「質問だ」
メビウスの問いにジャンボットが右手を挙げた。
メビウス「何ですか?」
ジャンボット「私は姫の護衛をしなければ…」
グレンファイヤー「焼き鳥の護衛なんかいらないだろ?」
ジャンボット「焼き鳥だと…無礼者!」
グレンファイヤー「わかったわかった〜」
軽口を叩いて頭をかきあげるグレンファイヤー。全く反省していない。
メビウス「姫様については安心してください!」
ジャンボット「え?」
メビウス「姫様は旅行で此処に来てくれていますし、そもそもこのゲームの発案者なんですよ♪」
ジャンボット「なんだと!?」
ミラーナイト「姫様が…だと…」
メビウスの爆弾発言に驚愕する一同。
と、そんな一同の側に宇宙船みたいなバスがやってきて停車した。
ナイス「何アレ?」
メビウス「言い忘れていました。飛行禁止というわけなので、移動はこのバスに乗ってもらいます」
ゼロ「何か何処かで見たことあるぞ……」
ゼロが指摘するのも無理はなかった。
何故ならそのバスは、「アンドロメロス」に登場した宇宙船のダウンジングサイズのバスだったからだ。
メビウス「さぁ!このバスに乗った瞬間からゲームスタートです!皆さん準備はOKですか?」
「「「「「OKだ」」」」」
メビウス「では乗ってください!」
ゲームスタート!
現在の時間:A.M 9:00
一同はバスの真ん中にある昇降口から乗車した。
メビウス「皆さんこちらに座ってください」
メビウスが指差す座席は、ちょうど昇降口を向いており、誰が乗ってくるかはっきりとわかるようになっていた。
ミラーナイト「この配置パターンは嫌だな…」
ナイス「そうそう!」
ゼロ「みんな…座るぞ」
全員が着席したところで、メビウスが運転手に呼び掛ける。
メビウス「では運転手さん、よろしくお願いしま〜す」
運転手「チョリ〜ス!」
運転席から顔を出したのは、紛れもなくアンドロメロスだった……
一同「ギャル語?」
一同はなんとか笑いをこらえた。しかし……
アンドロメロス「マジでこのマスク超暑いんですけど〜」
と言いながらアンドロメロスは自分のマスクを外す。
ゼロ「な……アッハッハハハ!!」
ゼロが笑うのも無理はない。なぜならマスクの下の顔が……宇宙警備隊隊長のはずのゾフィーだったからだ…
デデーン
『ゼロ OUT』
機械音声が鳴り響いた。
グレンファイヤー「おい、ゼロのヤツ笑ったぞ?」
ミラーナイト「一体どんな罰が…」
ナイス「さぁ?」
そうこうしている内に、わらわらとまだ発車していないバスに乗り込んできたのは…
ゼロ「な!ダークロプスだと!?止めろ!放せ!」
三人のダークロプスがやってきて、二人がゼロを座席から降ろして押さえ付け、残る一人にケツを差し出すような体制になった。
そして、その一人の手にはムチが……
ゼロ「ま、まさか…」
ゼロの予感は的中した。
スバン!!
ゼロ「ぐぉ!」
ムチを持ったダークロプスが、ゼロのケツを思い切りひっぱたいたのだ。
用が済んだダークロプス達は何事もなかったようにバスから降りていく。
傍らにはうずくまるゼロ。
「「「「……」」」」
一部始終を沈黙で見つめていたゼロを除く4人。
だが、ようやく口が開いた。
ナイス「コレを…24時間?」
メビウス「はい!♪」
グレンファイヤー「何でダークロプスが…」
メビウス「実は今回のゲームですが、ウルトラ戦士や怪獣はもちろん、宇宙人やベリアル帝国軍の皆様の全面協力になっています!」
ジャンボット「なん…だと…」
ゼロ「し、死ぬ…」
メビウス「さぁ!出発進行です♪」
ようやくバスが動き始めたが、此処からさらなる笑いのトラップが待ち受けているのである……
・
・
・
グレンファイヤー「ゼロ…ケツは大丈夫か?」
ゼロ「あぁ……平気だ」
席に座ったゼロだったが、まだケツに痛みが残っているらしく、尻をしきりに触っている。
ミラーナイト「これから何が待っているのだろう…」
ミラーナイトがそう呟いた時だった。
ゾフィー「ウィース。ラジオつけてもいいッスか〜?」
運転席からアンドロメロスことゾフィーが声を掛けた。
メビウス「どうぞどうぞ」
5人が答える前にメビウスが答えてしまった。
そしてゾフィーが、ラジオのスイッチを押す。
すると……
マグマ星人「♪ア〜イア〜ムエイリア〜ン♪マグマ星人の暗黒黒光りラジオ始まるよ〜!」
妙な歌が流れ、マグマ星人がDJのラジオが始まった。
そして…
グレンファイヤー「アハハハ!何だこりゃ〜」
ナイス「マグマ星人がっ!アハハハ〜!」
ミラーナイト「プププッ…」
謎な歌に耐え切れず、三人が笑ってしまった。
デデーン
『グレンファイヤー、ナイス、ミラーナイト OUT』
音声が鳴ると同時に、走行していたバスが止まり、昇降口が開いてダークロプス達が入って来た。
グレンファイヤー「おいおい、途中で止まるのかよ!」
愚痴もむなしく…
スバン!×3
グレンファイヤー「痛ッ!」
ナイス「ぎゃん!」
ミラーナイト「ぐっ…!」
三人はケツをシバかれた…
グレンファイヤー「チクショウ!24時間コレはキツいな…!」
ミラーナイト「血を吐きながら続ける悲しいマラソンだ…」
ナイス「くそ〜マグマ星人め……!」
ゼロ「知り合いなのか?」
ナイス「まぁね……」
尻を気にしながら、ナイスがため息と同時に呟いた。
ゾフィー「ウィース。出発進行しますでチョリース」
相変わらず若者言葉で運転手のゾフィーが言い、バスが動き始めた。
そして、走行してから暫く経ち…
ナイス「ん?誰か立ってる……」
ナイスが指差す方向にいたのは…
一同「アッハッハハハ!!」
5人全員が笑ってしまった。何故なら外に“LA”と書かれた大きな板を掲げた、ダダの格好をした謎のおばちゃんを見てしまったからだった。
デデーン
『全員 OUT』
バスが止まり、全員にお仕置きが課せられた…
スパン!×4
ゼロ「グッ!」
グレンファイヤー「アッ!」
作品名:絶対に笑ってはいけない宇宙警備隊24時 移動・到着編 作家名:バルタン星の人