絶対に笑ってはいけない宇宙警備隊24時 イベント・仲間割れ編
連続トラップを超えてゆけ!
メビウス「これから警備隊内部にある様々な施設を回って行きます」
五人「ハイハイ…」
メビウスに案内されるまま事務室を出て廊下を歩く五人。当然乗り気ではない。
メビウス「先ずはこちらです!」
メビウスが最初に紹介したのは、ダンベルやら鉄アレイやらの道具が大量に置いてある部屋だった。
メビウス「此処はトレーニングルームです。優秀なトレーナーの指導の下、日夜隊員が身体を鍛えています!」
グレンファイヤー「普通に使う分にはいいな」
メビウス「では!その優秀なトレーナーをご紹介致します!どうぞ!」
メビウスが指を差す。それと同時にその方向を振り向く五人。
其処に立っていたのは……
パワード「ファイト一発!」
筋肉をガチムチに鍛え、ボディービルダーのようになっていたウルトラマンパワードだった……
五人「アッハハハッ!!」
たまらず笑ってしまう五人。
デデーン
『全員 OUT』
スパン!×4 ドガシャ!
メビウス「こちらが優秀なトレーナー、パワードさんです!」
パワード「キンニク、アレバ、ナンデモ、デキル!!」
拙い日本語と共に見事なポージングを決めるパワード。
ゼロ「ブッ!」
グレンファイヤー「クククッ」
ナイス「フフフッ…」
デデーン
『ゼロ グレンファイヤー ナイス OUT』
スパン!×3
メビウス「パワードさん!何か一言を!」
パワード「キョーカラ、キミモ…Perfect Body!!」
再び見事なポージングと共に一言。
五人「フフフッ…」
デデーン
『全員 OUT』
スパン!×4 ドガシャ!
またしても吹き出してしまう五人だった……
・
・
・
メビウス「次はこちらです!」
続いて一同がやって来たのは……
ジャンボット「食堂か?」
メビウス「はい!こちらは隊員や各関係者の食堂です!」
ミラーナイト「食堂で思い出したけど……僕たちの食事は何時に……」
そう。五人はもうすぐ昼ご飯の時間になる頃にも関わらず、まだ食事はおろか飲み物すら飲んでいないのだ。
メビウス「あそこで食事をしている方に感想を聞いてみましょう!」
ゼロ「無視すんな!」
結局無視され、メビウスの言うままインタビューに向かった。
メビウス「すみません、ちょっといいでしょうか?」
声を掛けたのは、席に座って蕎麦を食べていたウルトラマンネオスだった。
ネオス「なんだい?」
メビウス「此処の食堂は最高ですか?」
ネオス「最高だ。例えばこうやって……」
そう言うとネオスは、おもむろに蕎麦をすすり始めた。
五人は何をするのかわからない表情。
そんな時……
ネオス「ふん!」
いきなり鼻息を吹き出す。すると口に入っていた蕎麦が、鼻の穴から一本垂れていた。
五人「クククッ…」
デデーン
『全員 OUT』
スパン!×4 ドガシャ!・
・
・
メビウス「さぁ!次に向かうのは……」
ゼロ「もう勘弁してくれ……」
ナイス「いいでしょ?もう……」
嫌になってきた五人を無視し、笑顔に案内するメビウス。Sの気があるのかもしれない。
メビウス「僕たちはただ単に怪獣や宇宙人を倒すのではなく、その更正も重点に入れて宇宙の平和を守っています!」
ジャンボット「それはいいな……」
素直に感心する五人。すると奥の角から怒号が聞こえてきた。おそるおそる覗いてみると……
コスモス「何で地球になんか来たんだ!?」
ウルトラマンコスモスが三体の宇宙人を叱っていた。どうやらこの光景が更正プランの一貫らしい。
ツルク星人「そりゃ、ウルトラマンレオと戦いたかったからさ〜」
コスモス「そうか、なら帰ってよし。キミは?」
テンペラー星人「全宇宙を征服する為だ!」
コスモス「そうか、なら帰ってよし」
ジャンボット「随分寛大だな?」
ミラーナイト「確かに……」
コスモス「キミは!?」
アンヘル星人トーリ「クロノームに星を滅ぼされたから……」
コスモス「黙れぇぇぇ!!」
突然哀れなアンヘル星人トーリに“だけ”コロナモードに変身してネイバスター光線を撃つコスモス。
アンヘル星人トーリ「だから地球へ……」
コスモス「うるせぇ!!」
尚も理由を述べるトーリに、今度はエクリプスモードになってコズミューム光線を放つコスモス。
アンヘル星人トーリ「同胞は皆……」
コスモス「だから黙れぇぇぇ!!」
まだ言うトーリにだめ押しとばかりにフューチャーモードになってコスモストライク。
コスモス「来い!鍛えなおしてやる!」
倒れているトーリを引きずって何処かへ連れて行くコスモス。
もちろん一部始終を見た五人は……
五人「アッハハハッ!!」
デデーン
『全員 OUT』
ゼロ「な、これはwww」
グレンファイヤー「理不尽過ぎるwww」
ナイス「笑わずにはいられないwww」
スパン!×4 ドガシャ!・
・
・
メビウス「こちらで〜す」
一同がたどり着いた場所は見るからに病院だった。
メビウス「此処はウルトラ病院です!此処ではケガをした隊員達の治療を行っています!」
ナイス「へぇ〜」
ゼロ「今のところ10へぇ〜だな」
グレンファイヤー「トリ〇ア〇泉かよ……」
ナイス「プッ!」
デデーン
『ナイス OUT』
ナイス「何言わせてるんですか!?僕たちチームですよね!?何でさっきから僕が……」
スパン!
ナイス「痛い痛い!」
グレンファイヤー「聞こえない聞こえな〜い」
メビウス「ではでは〜。早速中へ……レッツラゴー」
遂に仲間割れを始めた五人を余所に、メビウスは入り口へと入って行った。
メビウス「こちらの病室へどうぞ!」
メビウスが一つの病室へ案内した。
メビウス「失礼します!」
メビウスが先に入り、お辞儀をする。出迎えたのは……
ウルトラの母「いらっしゃい」
看護師の服に身を包んだウルトラの母だった。そのすぐ側に、三台のベッドがあり、掛け布団が敷かれて、誰が寝てるか分からないようになっている。
ウルトラの母「そちらの五人は?」
ウルトラの母は後から入って来た五人を指差した。
メビウス「ご紹介致します。新しく入った新人の隊員です」
ウルトラの母「あらそう?頑張ってね」
メビウス「皆さんにもご紹介致します!此処の院長兼看護師のウルトラの母です!」
ゼロ「知ってるぞ…」
一人静かに呟くゼロ。だが当然誰も聞いていなかった。
ウルトラの母「此処の病室は、特に治療が必要な隊員が居ます。三人とも麻酔が効いていて全く起きません」
ウルトラの母が、おもむろに向かって左側の掛け布団をどかし、患者の姿が露になる。
寝ていたのはウルトラセブン21だった。
ウルトラの母「彼はどんなことがあっても起きません。例えば……」
ビシッ!
突然ウルトラの母が寝ているセブン21にビンタをした。頬にアザが出来たが、セブン21は全く目覚めない。
五人「(よく我慢出来るな……)」
五人は必死に笑いを我慢していた。
全員Safe
ウルトラの母「続いては……」
今度は真ん中の掛け布団をどかす。寝ていたのは……