絶対に笑ってはいけない宇宙警備隊24時 イベント・仲間割れ編
仲間割れの発生!!
グレンファイヤー「あ〜。ひどい目に会った……」
ジャンボット「まったくだ。あのダメ亭主と共にムチ打ちとは……」
超古代遺跡から出てきたメビウスを含めた六人は、皆不満を口にしていた。
メビウス「これからはまたちょっと事務室に待機していただきます」
ミラーナイト「え…」
メビウスの言葉に、ミラーナイトは1人不安な表情をした。なぜなら先程事務室に入ったら自分の席“だけ”なかったからに他ならない。
メビウス「安心してください!皆さんが出ている間、ミラーナイトさんの席はちゃんと用意しました!」
ミラーナイト「よかった…」
メビウスの発表を聞きミラーナイトは安堵した。
ゼロ「よかったなミラーナイト」
ナイス「これでゆっくり出来ますね!」
ミラーナイト「ありがとう」
四人から祝福、思わず笑顔のミラーナイトと四人だったが……
デデーン
ミラーナイト「え…?」
四人「あ…」
五人は完全に、このゲームのルールを忘れていた……
『全員 OUT』
スパン!×4ドガシャ!
ミラーナイト「ぐっ!……そんな…バカな……」
メビウス「さぁさぁ!事務室に戻りますよ?」
一瞬沈黙していた五人だったが、メビウスの一声を合図にようやく歩き始めた。
・
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-事務室-
ゼロ「お?ちゃんとあるぜ?」
事務室に入った一同は、増えた机や椅子を見て改めて安堵した。もっとも、ミラーナイトは『これで座れる』という考えで、他の四人は『よかった!これでアイツが地獄の兄弟にならずに済む!』という思考だったのだが。
メビウス「あ、席は自由に選んでください」
メビウスの一声の前に、一番奥の席にゼロ、向かって右側の二つにミラーナイトとジャンボットが、左側にグレンファイヤーとナイスが座っていた。
メビウス「では、まもなくお昼ご飯が運ばれて来ますので、しばらく待機していてくださいね?」
グレンファイヤー「ようやくメシが食えるのか〜」
ナイス「お腹ペコペコだったよ〜」
ゼロ「よし、一番いいのを頼む」
既に空腹だった五人は、メビウスの言葉を聞き、満足な表情(もちろん、ニコニコしてるとOUTなので、中途半端な表情)を浮かべた。
メビウスが事務室から出ると、五人は深いため息を吐き、フリートークのような雰囲気になった。
グレンファイヤー「それにしてもよ〜。ココは時計がねぇのか?」
ミラーナイト「そういえば…」
ジャンボット「確かに無いな…」
グレンファイヤーが指摘するまで気が付いてなかったが、事務室を含め全ての場所に時計は設置されていなかったのだ。おかげで今が何時かもわからない。
ナイス「あ、大丈夫ですよ〜。体内時計で分かるんで」
ゼロ「じゃあ聞くが、今何時だ?」
ナイス「12時くらいっすかね?」
四人「………」
この瞬間、空気が変わった!
ナイス「アレ……?」
ナイスのこんしんのギャグはすべってしまった!
こうかは、ばつぐんだ!
ナイス「……」
しばらく落ち込むナイスだった……(因みに只今の時間はP.M.1:00)
ゼロ「ったくつまんないギャグやりやがって…」
ナイス「…しぃましぇん……」
ビミョーな空気になってしまった事務室。
グレンファイヤー「そ、そうだ!また引き出し開けてみようぜ?」
話題を変えるべくグレンファイヤーが提唱した提案に、全員が無理矢理ノリ始めた。
ゼロ「そ、そうだな!ミラーナイト!開けてみろよ」
ミラーナイト「え…」
嫌なところでパスが来た、とミラーナイトは思った。
ジャンボット「そうだ!キミの席は新しく追加されたから、何か入っているかもしれない!」
ナイス「きっと変わった物が入っていますって!」
ミラーナイトに回された途端、他の四人が過剰に煽り始めた。つくづく無責任な奴等だ、と心の中でミラーナイトは思った。
ミラーナイト「わ、わかったよ…」
渋々引き出しを開けたミラーナイト。中に入っていたのは……
ミラーナイト「何だコレは…」
ミラーナイトが取り出して机に置いたのは、トリコロールカラーのスイッチだった。更に、“絶対に押すな!”と書かれた白いスイッチがまた出てきた。
それを見たナイスは再び暗い表情になった。
グレンファイヤー「やっぱり入っていたじゃねぇか。押してみようぜ?」
ナイス「イヤイヤ!!待ってください!!」
グレンファイヤーが真っ先に白いスイッチに手を掛けた途端、ナイスがうるさく止めに入った。
ジャンボット「プッ…」
それを見たジャンボットは、何故か小さく笑ってしまった。
デデーン
『ジャンボット OUT』
ナイス「何で笑ったんですか!?」
ジャンボット「いや違うんだ。キミが罰を受ける姿を想像してしまってな…」
ナイス「ひどっ!今のけっこう傷つきましたよ!?」
ナイスのせいしんに大ダメージ!
ドガシャ!
ジャンボット「ぐぅ!」
ジャンボットはおしりに大ダメージ!
ミラーナイト「…まぁまぁ。その白いスイッチはいいとして、このトリコロールカラーのスイッチは何が起こるかわからないからいいんじゃないかな?」
ミラーナイトは右手にトリコロールカラーのスイッチを持ち、四人に賛成を呼び掛けた。
ゼロ「おい、まさか冒険する気か?果てなき冒険スピリッツ!ってか?」
ミラーナイト「もしかしたら何も起こらないかもしれないよ?」
ジャンボット「…一利あるな。よし、押してみよう」
グレンファイヤー「言っておくが、俺は押さないぞ?」
ナイス「同じく」
誰がスイッチを押すのか、という些細なことで何やら妙な雰囲気。
ゼロ「じゃあ俺が押そう!」
突然、ゼロが右手を挙げた。すると…
グレンファイヤー「いいや俺が押す!」
ナイス「いやいや僕が!」
ジャンボット「いや私だ!」
ミラーナイト“以外”の三人も一斉に手を挙げ、揉め始めた。挙げていないミラーナイトは1人、嫌な予感を感じていた。しかし……
ミラーナイト「……じゃあ僕が」
四人「あ、どうぞどうぞ!!」
案の定、煽られるようにミラーナイトがおそるおそる右手を挙げた途端、四人がほぼ同時にミラーナイトにスイッチを押す役目を差し出した。
ミラーナイト「結局こうなるのか……」
四人「(計画通り!)」
ミラーナイトは渋々スイッチを押した。すると…
?「♪ツクツクボーウシ。ツクツクボーウシ。ツクツク…」
五人「は?」
何処からともなくツクツクボウシの鳴き声が聞こえて来た。やがてそれは事務室の入り口付近からだった。
ガチャ、とドアが開き、入って来たのは……
ダイナ「♪ツクツクボ〜ウシ。ツクツクボ〜ウシ」
何故かセミのコスプレをしたウルトラマンダイナが、ツクツクボウシの声真似をしながらこちらに近づいて来た。
ダイナ「♪ツクツクボ〜ウシ」
五人「……」
ごにんは、ひっしにわらうのをがまんしている!
ダイナ「♪ツクツクボ〜ウシ。ツクツクボ〜ウシ」
ゼロ「…クップププ!……おい!」
しかし、ゼロはがまんすることができなかった!
デデーン
『ゼロ OUT』