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バルタン星の人
バルタン星の人
novelistID. 38562
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絶対に笑ってはいけない宇宙警備隊24時 イベント・仲間割れ編

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仲間割れの発生!!





グレンファイヤー「あ〜。ひどい目に会った……」

ジャンボット「まったくだ。あのダメ亭主と共にムチ打ちとは……」

超古代遺跡から出てきたメビウスを含めた六人は、皆不満を口にしていた。

メビウス「これからはまたちょっと事務室に待機していただきます」

ミラーナイト「え…」

メビウスの言葉に、ミラーナイトは1人不安な表情をした。なぜなら先程事務室に入ったら自分の席“だけ”なかったからに他ならない。

メビウス「安心してください!皆さんが出ている間、ミラーナイトさんの席はちゃんと用意しました!」

ミラーナイト「よかった…」

メビウスの発表を聞きミラーナイトは安堵した。

ゼロ「よかったなミラーナイト」

ナイス「これでゆっくり出来ますね!」

ミラーナイト「ありがとう」

四人から祝福、思わず笑顔のミラーナイトと四人だったが……

デデーン

ミラーナイト「え…?」

四人「あ…」

五人は完全に、このゲームのルールを忘れていた……

『全員 OUT』

スパン!×4ドガシャ!

ミラーナイト「ぐっ!……そんな…バカな……」

メビウス「さぁさぁ!事務室に戻りますよ?」

一瞬沈黙していた五人だったが、メビウスの一声を合図にようやく歩き始めた。



-事務室-

ゼロ「お?ちゃんとあるぜ?」
事務室に入った一同は、増えた机や椅子を見て改めて安堵した。もっとも、ミラーナイトは『これで座れる』という考えで、他の四人は『よかった!これでアイツが地獄の兄弟にならずに済む!』という思考だったのだが。

メビウス「あ、席は自由に選んでください」

メビウスの一声の前に、一番奥の席にゼロ、向かって右側の二つにミラーナイトとジャンボットが、左側にグレンファイヤーとナイスが座っていた。

メビウス「では、まもなくお昼ご飯が運ばれて来ますので、しばらく待機していてくださいね?」

グレンファイヤー「ようやくメシが食えるのか〜」

ナイス「お腹ペコペコだったよ〜」

ゼロ「よし、一番いいのを頼む」

既に空腹だった五人は、メビウスの言葉を聞き、満足な表情(もちろん、ニコニコしてるとOUTなので、中途半端な表情)を浮かべた。

メビウスが事務室から出ると、五人は深いため息を吐き、フリートークのような雰囲気になった。

グレンファイヤー「それにしてもよ〜。ココは時計がねぇのか?」

ミラーナイト「そういえば…」

ジャンボット「確かに無いな…」

グレンファイヤーが指摘するまで気が付いてなかったが、事務室を含め全ての場所に時計は設置されていなかったのだ。おかげで今が何時かもわからない。

ナイス「あ、大丈夫ですよ〜。体内時計で分かるんで」

ゼロ「じゃあ聞くが、今何時だ?」

ナイス「12時くらいっすかね?」

四人「………」

この瞬間、空気が変わった!

ナイス「アレ……?」

ナイスのこんしんのギャグはすべってしまった!
こうかは、ばつぐんだ!

ナイス「……」

しばらく落ち込むナイスだった……(因みに只今の時間はP.M.1:00)

ゼロ「ったくつまんないギャグやりやがって…」

ナイス「…しぃましぇん……」

ビミョーな空気になってしまった事務室。

グレンファイヤー「そ、そうだ!また引き出し開けてみようぜ?」

話題を変えるべくグレンファイヤーが提唱した提案に、全員が無理矢理ノリ始めた。

ゼロ「そ、そうだな!ミラーナイト!開けてみろよ」

ミラーナイト「え…」

嫌なところでパスが来た、とミラーナイトは思った。

ジャンボット「そうだ!キミの席は新しく追加されたから、何か入っているかもしれない!」

ナイス「きっと変わった物が入っていますって!」

ミラーナイトに回された途端、他の四人が過剰に煽り始めた。つくづく無責任な奴等だ、と心の中でミラーナイトは思った。

ミラーナイト「わ、わかったよ…」

渋々引き出しを開けたミラーナイト。中に入っていたのは……

ミラーナイト「何だコレは…」

ミラーナイトが取り出して机に置いたのは、トリコロールカラーのスイッチだった。更に、“絶対に押すな!”と書かれた白いスイッチがまた出てきた。

それを見たナイスは再び暗い表情になった。

グレンファイヤー「やっぱり入っていたじゃねぇか。押してみようぜ?」

ナイス「イヤイヤ!!待ってください!!」

グレンファイヤーが真っ先に白いスイッチに手を掛けた途端、ナイスがうるさく止めに入った。

ジャンボット「プッ…」

それを見たジャンボットは、何故か小さく笑ってしまった。

デデーン

『ジャンボット OUT』

ナイス「何で笑ったんですか!?」

ジャンボット「いや違うんだ。キミが罰を受ける姿を想像してしまってな…」

ナイス「ひどっ!今のけっこう傷つきましたよ!?」

ナイスのせいしんに大ダメージ!

ドガシャ!

ジャンボット「ぐぅ!」

ジャンボットはおしりに大ダメージ!

ミラーナイト「…まぁまぁ。その白いスイッチはいいとして、このトリコロールカラーのスイッチは何が起こるかわからないからいいんじゃないかな?」

ミラーナイトは右手にトリコロールカラーのスイッチを持ち、四人に賛成を呼び掛けた。

ゼロ「おい、まさか冒険する気か?果てなき冒険スピリッツ!ってか?」

ミラーナイト「もしかしたら何も起こらないかもしれないよ?」

ジャンボット「…一利あるな。よし、押してみよう」

グレンファイヤー「言っておくが、俺は押さないぞ?」

ナイス「同じく」

誰がスイッチを押すのか、という些細なことで何やら妙な雰囲気。

ゼロ「じゃあ俺が押そう!」

突然、ゼロが右手を挙げた。すると…

グレンファイヤー「いいや俺が押す!」

ナイス「いやいや僕が!」

ジャンボット「いや私だ!」

ミラーナイト“以外”の三人も一斉に手を挙げ、揉め始めた。挙げていないミラーナイトは1人、嫌な予感を感じていた。しかし……

ミラーナイト「……じゃあ僕が」

四人「あ、どうぞどうぞ!!」

案の定、煽られるようにミラーナイトがおそるおそる右手を挙げた途端、四人がほぼ同時にミラーナイトにスイッチを押す役目を差し出した。

ミラーナイト「結局こうなるのか……」

四人「(計画通り!)」

ミラーナイトは渋々スイッチを押した。すると…

?「♪ツクツクボーウシ。ツクツクボーウシ。ツクツク…」

五人「は?」

何処からともなくツクツクボウシの鳴き声が聞こえて来た。やがてそれは事務室の入り口付近からだった。

ガチャ、とドアが開き、入って来たのは……

ダイナ「♪ツクツクボ〜ウシ。ツクツクボ〜ウシ」

何故かセミのコスプレをしたウルトラマンダイナが、ツクツクボウシの声真似をしながらこちらに近づいて来た。

ダイナ「♪ツクツクボ〜ウシ」

五人「……」

ごにんは、ひっしにわらうのをがまんしている!

ダイナ「♪ツクツクボ〜ウシ。ツクツクボ〜ウシ」

ゼロ「…クップププ!……おい!」

しかし、ゼロはがまんすることができなかった!

デデーン

『ゼロ OUT』