君を守る
二章
二人は仲睦まじく歩いている。
傍から見ていると、恋人?仲の良い兄弟?
椿のほうは制服なので、夫婦には見えない。
「で?お前はいつの間に来たんだ。」
ボッスンははーっとため息をつきながら言った。
「カッカッカッ。まぁ、いいじゃねぇか。
やっぱし、気になってなぁ。
うちのかわいい椿の事だしなぁ。」
安形はニヤニヤとしながら答えた。
「面白がってるだけやんか。」
姫子が呆れ顔で言う。
「んじゃ、最初っから自分たちで調べればいいじゃねぇか。」
「いやいや、お前たちだって気になるだろう?」
安形を加えた四人は変わらず椿と距離を取りつつ尾行をしている。
「着いたようだな。」
不意に、スイッチが音声を発した。
見ると、椿と女性はある家の前で立ち止まっていた。
女性のほうが椿に深々と頭を下げている。
それを見て、椿はあたふたとしている。
「どうやらあそこがあの女性の自宅らしいな。」
冷静に推測するスイッチ。
「なんや、つまり椿は、彼女が出来て、その彼女を送り届けるために毎日彼女のバイト先に迎えに行ってたって事ちゃうの?」
姫子があっさりと結論を出そうとする。
「いやいやいや、だからありえねーっつーの!!」
「だってそうとしか考えられへんやんか!」
「まぁ、それが一番妥当な結論だろうな。」
「んだよ、それなら椿は別れるまで仕事放棄って事じゃねーかよ。めんどくせっ。」
「だから、ありえねーんだっつーの!!!」
「きゃーーーーーーーーーーーっ!!!!!!」
「「「「えっ?!」」」」
四人は悲鳴の方向に向いた。
椿と女性のほうだ。
見ると、椿がボー然と立ち尽くしている。
椿のそばでは女性がうずくまっている。
四人は一斉に駆け出した。