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Plam5

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trick and trick



 ぼふんと吐き出された白煙の中にオレは転がされた。最近10年バズーカは「故障」という理由で時間だけではなく様々な次元へと飛ばしてくださる。前回の守護者全員がオカマさんになっていたあの世界は本当ノスタルジー勃発だった。帰れなかったら絶対に何かを失っただろう。


 で、今回飛ばされた世界はどーよ。と、視界をスキャン。雲雀恭弥発見。詰んだ。
大抵、飛ばされた先に守護者がいると外れだが。雲雀恭弥の場合は最悪だ。殴られる寸前だったり蹴られる寸前だったりガチンコの寸前だったり彼の息子突っ込まれる寸前だったりした。あははなんだ全部バトルだな。つーか最後のやつは絶望したよ何その関係、みたいな。カンベンしてくれ本当みたいな。


 あー詰んだ詰んだー。と思って半瞬。あれ?完全に煙がはれて違和感MAX。いやなんというか。

 雲雀恭弥さんとおぼしき方がマント羽織ってる。コスプレ?恐ろしいがあり得る答えだ。だってこの人TPOに合わせて衣類がらりと変えるもん。態度は全く変えないけどな。

 で、この世界?の雲雀恭弥は、一体どんなTPOに合わせて。爪が生活に支障出まくるくらい長くて、マント羽織って黒いリボン付けて八重歯伸ばしてコウモリ背後に飛ばしてんのかな。見たことあるよーでないよーな格好。なんだっけこれ。

 得意の現実逃避モード発動させようか迷ったのが、ダメだった。目の前のコスプレさんはなんにも動じることなく笑う。前から思ってたけどいきなり目の前で白煙上がって人間出てきたら疑問くらい抱けよ。笑うとかワケわかんない。

 ワケわかんないのはもうひとつ。


「この日を、待っていたよ怪物使い」


 美しい腕にああ、変わらぬ輝きの武器を携えて。ああ。
 あなたは、いつも変わらぬ人だ。飛ばされた世界。出会う雲雀恭弥はいつも変わらない。幼児だろうが妖精だろうが黒豹だろうがオカマだろうが、変わらない。

 変わらぬ顔で、凶器をひらめかせる。

「遊ぼうよ、僕の怪物使い」


 オレに、多分好きだと、言う。
 だからそのたびに、オレは絶望する。ワケわかんない。
 オレんとこの、ヒバリさんだけ、

「クソッタレ」



 オレのこと、好きじゃあないんだなあ。ちくしょう。妬いちまうよ



Not everything which is bad comes to hurt us.
悪いものだけが、あなたを傷つけるためにやってくるのではない。



(ああ。戻ったら、あの人の結婚式だ)


作品名:Plam5 作家名:夕凪