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殺生丸さまの看病物語

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りんが病気になった。風邪という人間がよくかかる病らしい。たいしたことはないと、りんは言う。しばらく寝ていれば治るから心配ないと言う。しかし、殺生丸は不安でたまらない。妖怪には風邪という病がどれくらい重いものかわからない。りんの体は熱く、こほんこほんとせきをしている。もう2日間、寝込んでいるのだ。殺生丸は、どこにも出かけず、りんのそばにつきっきりであった。殺生丸の母が薬師を呼び、薬湯などりんに与えているが、りんの熱はなかなか下がらなかった。おまけに、この二日間、りんは食べ物を何も口にしていない。

「りん。何か食べなければ治らんぞ」
「殺生丸さま・・・すみません、食欲ないの・・・」
殺生丸は切なげにため息をついた。りんの額に手をあてる。まだ熱い。
「殺生丸さま・・・りんは大丈夫です、大したことないから・・・」
「大したことないなどと・・・言うな」
「こほんっ、こほん!」
「りん!苦しいか?」
「だいじょう・・ぶ・・です」
「殺生丸さま、りん・・・いえ、奥方さまの様子はどうです?」
邪見が冷水を入れた桶を持って部屋に入ってきた。
「まだ、治らぬ」
殺生丸は自ら布を冷水で浸してしぼり、りんの額にあてがった。
「あ・・・気持ちいいです。ありがとう、殺生丸さま・・・」
「礼などいうな」
「なかなかよくなりませんな~。やはり、人間は弱い・・・」
邪見は言葉途中で殺生丸に部屋から蹴り出された。


りんが寝付いてから3日目。殺生丸は決意した。
「りん。お前をかごめのもとへ連れて行く」
「え?」
「あまり体を動かさぬほうがいいだろうが・・・。私がお前を抱いて運ぶ」
「かごめさまのところへ・・?」
「かごめは不思議な薬を持っていると聞いている。お前の病を治すすべを知っているだろう」
殺生丸はりんを夜具で包み、抱き上げた。りんの体が熱い。
「りん、しばしの間、辛抱するのだぞ」
「殺生丸さま・・・」
殺生丸はりんを胸に抱いて、全速力でかごめの暮らす里へ飛んだ。


突然現れた殺生丸に驚いたかごめだったが、りんの様子を見て、すぐに状況を悟った。自分の家の夜具の上にりんを横たえさせ、額に手を当てる。
「すごい熱だわ・・・」
「せきもする。それにこの三日間何も食しておらん」
殺生丸がすぐ横について心配そうにりんの顔を覗き込んでいる。今日は犬夜叉は弥勒と妖怪退治に隣村まで出かけて留守だったので、ちょうどよかったとかごめは内心思ったが、たとえ犬夜叉がいたとしても、今の殺生丸には眼中に入らなかったかもしれない。それほど、殺生丸はりんが心配で、りんのことしか念頭にないようであった。
(殺生丸自身も、なんだか、やつれたみたい・・・)
かごめはそう思いつつ、現代からもってきた風邪薬をリュックサックから取り出した。
「りんちゃん、高熱が出る風邪だから、この薬飲んで寝るといいよ。この錠剤を2粒のむの」
「かごめさま・・・ありがとうございます・・・」
りんは身を起こそうとする。その背を殺生丸が手を伸ばして支えた。
「これ・・・のめばいいの?」
「うん。この薬のむと、眠くなると思うけど。風邪はね、よく眠って、汗をかいたほうが早く治るよ」
「はい・・・」
かごめはりんの手のひらに錠剤を2粒のせた。
「あ、お水もってくるね?そのままじゃ飲みにくいよね」
「よい」
殺生丸が錠剤を取り上げ、自分の口に含んだと思うと、りんの唇に重ねた。
「!!」
かごめが赤面するのも構わず、殺生丸はりんに口づけして、薬を飲ませた。
「・・・ん・・・」
りんが薬をごくんと飲み下した。
「あ・・・・りんちゃん・・のんだね。ははは・・・」
(殺生丸のやつ~。りんちゃん、すっかり幼妻状態じゃないの~)
かごめは心の中でつぶやいた。
「殺生丸、この薬を一日に三回、食後にりんちゃんにのませてね。とりあえず二日分渡しておく。たぶん、すぐ熱下がると思うから」
「りんは食べ物を受けつけない」
「りんちゃんが食欲ないのはわかるけど、果物とか、汁物とか食べさせてあげて。消化のよいもの。それだったら食べられると思うから」
「そうか」
「それから汗をたくさんかいたほうが、熱が下がるの早いから。でも、汗をかいたら、着物を変えてね」
「そうか」
殺生丸は不安げにりんの顔をみつめている。りんはうとうとし始めた。
「風邪か~。どうしたのかな、りんちゃん。体を冷やしたりしたのかな。人間って体を冷やしたり、疲れすぎたりすると風邪引きやすいから、気をつけてあげてね、殺生丸」
「・・・・体を冷やす?疲れすぎる?」
「うん。殺生丸、何か心あたりあるの?」
実は殺生丸には大あり、であった。


4日ほど前。
りんと一緒に風呂を使った。普段殺生丸は風呂なぞ使わないのだが、たまにはりんと共に風呂につかるのも悪くないと思ったのだ。湯の中でりんの裸体を背中から膝の上に抱えているうちに、殺生丸は愛撫が止まらなくなり、りんを抱えたまま、りんの中に入った。後ろから押し入れられたりんは初めは恥ずかしがりながらも、いつもと違う抱かれ方に感じ方を次第に深くしていった。殺生丸の両手で胸を愛撫され、耳たぶをかまれて、りんは乱れていった。そんなりんの姿に殺生丸も自制が効かなくなり、風呂の湯が激しく波打つほど、突き入れてしまった。一度達しただけでは足りず、今度はりんを風呂のへりに座らせて、りんの体中を舌で愛撫し、りんが声をあげるのを楽しんだ。胸の頂や、足の間を、舌でやさしく愛撫すると、りんは涙を浮かべて悦び、幾度も登りつめた。数度舌で達した後、息を荒らげながら、めずらしくりんの方から入れてほしいとせがんできた。殺生丸はそれがこれ以上ないくらい嬉しくて、りんと一つになると思う存分りんの中を味わった。りんの敏感なそこはいつも以上に殺生丸自身にまとわりついて、強烈な快感を殺生丸に与えた。
二人同時に激しく昇りつめた後、息を乱れさせたまま、二人はしばらく湯の中で寄り添っていた。さすがの殺生丸も体がしびれたような気がしていた。りんはもう失神寸前であった。しばらくして、りんが「くしゅん!」とくしゃみをした。
「りん?寒いのか」
「うん、大丈夫・・でも、だいぶ、お湯が冷たくなっちゃったね」
「私は熱いぞ。お前が私の体を熱くしたからな」
「殺生丸さまったら・・・」


(あの時か・・・)
妖怪の身にとって湯の温度が多少ぬるかろうが、何でもない。しかし、人間のりんは、体を冷やしてしまったのではないだろうか。そういえば、その翌日から、りんが熱を出し始めた。
(りん・・・無理させてしまった。すまぬ・・・)
殺生丸は、りんの病の原因を作ったのが自分だとわかり、やるせなかった。
すやすやと寝息をたてているりんの顔をじっとみつめる。

「殺生丸。りんちゃん、今晩うちで預かろうか?私、看病するよ。りんちゃんを今動かさないほうがいいんじゃない?」
「そうか・・・」
心なしか、殺生丸が先ほどよりも元気がない。
「殺生丸、りんちゃん、大丈夫よ。よく寝れば治るから」
「・・・」
殺生丸は立ち上がり、
「りんを頼む」
そう言って家の外へ出ていった。

作品名:殺生丸さまの看病物語 作家名:なつの