望んだ先には
第三章 戦友
「奴」を倒しても何も変わることはなく降伏―オスマン帝国の領土となり俺達のかいしんげきも虚しく終った
オスマン帝国の一部となってからは産業も栄え豊かになり大きな街へ変わった
何故・・・・最後まで抵抗したのか 皆そう思うだろう
それは俺達の愛するものを守りたかった そんな一つの理由だった
諦めたくはなかったんだ
諦めてしまったら全てが消えてしまう そう思ったから
数日後 俺達二人は牢屋送りにされた
なんでも オスマン帝国に歯向かったから だそうだ
全く・・数日前までは平気で罵っていたのにな 敗戦という二文字は相当の打撃を与えたようだった
首を落とされるか永遠に出られないか・・・そう思っていたがたった一日で出されてしまった
余りの出来事に俺達二人は焦ったよ
反逆罪だぞ?何故出す と牢番に問いただしたら
「直接ではないが・・・大切な戦友を何故そんな場所に入れている出してやれ と上から言われた」
と 言った
戦友?いつから友になった
憎しみなら有るが
俺は友と言われた事に何故か心底腹を立てる
ふいにあのエメラルドのような瞳を思い出す 途端にあの時の感覚も思い出した
アレは一体・・?
そんな事を考えていると一通の手紙を牢番から渡される
蝋で封印された高価そうな手紙だ
ふと蝋の封印の模様が目に留まった コレは――
ア イ ツ か
何故だか心底気に入られてしまったらしい しまも手紙の内容はオスマン帝国の首都イスタンブルの大宮殿への招待状・・・
会いにこいとでも言っているのか
行かなければまた反逆罪で捕まりそうだったからやむおえず行く事となった
デルタも連れて行きたかったが 妊娠中の奥さんがいるから離れられないそうだ
行けない代わりに沢山の土産と話を待っている と笑顔で言われてしまった
絶対に行かなければならなくなってしまったじゃないか
首都へ行くとあって内心わくわくしていたがアイツの国というだけで気が重くなった
こうなればヤケクソだ土産物買って楽しんできてやる
そう意気込んで荷物をまとめ 沢山の硬貨が詰まった袋を詰め
俺は街を離れた