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東方 宝涙仙 <壱(1)~玖(9)>総集編

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あかりは風香とほぼ同期に入館し、お互いはメイド長、料理長へと別々の道で格上げを命じられ今に至っている。
同期に入った割にはあまり仲がよくない、というよりもあまり話したことがない。そのせいかお互いは敬語でぎくしゃくした感じに話す。

「料理長!大変です!」
 料理科総合室に慌てた雰囲気の妖精メイドがとびこんできた。
「んー?」
「あ、あの…。コンロから火がでません」
「火が?元栓確認した?」
「ええしました。でもつかないんですよ、どうしましょうか」

 一人のメイド妖精があたふたと戸惑う。あかりは呑気な性格で冷静に対処法を考える。
「どっちのキッチンのコンロが不調?」
「第二キッチンです。お嬢様達のを作る方の!」
「あー」

 妖精メイドに対しあかりは随分と軽かった。しかし、今までにコンロの火がつなかい事件など起きたことがない為全くもって対処法が思い浮かばない。
「大キッチンのコンロ使えば?」
「使い方とか違ったりしませんかね?」
「大丈夫でしょ、結局はキッチンよ」
「わかりました」
 不安そうな妖精メイドをあかりはほら頑張れといった表情で押し切った。だが言われてみれば確かに心配だ。もし大キッチンと第二キッチンのコンロの使い方が異なっていたとして、火事でも起こされたら―
あかりは考えるのをやめた。どんな結論であっても今はどうしようもないと考えたのだ。


ー紅魔館大キッチンー
「あのー、すいませーん!」
「あ、第二キッチンのメイドさん達ですね。調味料調達ですか?」
「いえ、コンロを借りようかと」
「コンロを?」
 始めての注文に大キッチンの妖精メイドは少し驚いていた。そしてぽかんとしていた。
「なんでコンロなんですか?」
「第二キッチンのコンロが不調でして…。で、料理長に相談したら大キッチンのを借りろと」
「そうですかー、まあわかりました。ご自由にお使いください。」
「ありがとうございます」
「いえいえー」

 第二キッチンから来たメイド達は本当にコンロの使い方に違いがないか、緊張しつつコンロを入念にチェックする。特に問題はなかったようだ。ほっと息をついて料理に取り掛かる。
順調に料理が進んでいるようだ。

「今更ですが…大鍋用じゃないコンロってありますか?」
「ええ、あちらに」
「あ。」
 特に使用されてもしなかったので第二キッチンの妖精メイド達は移動を始めた。


ー紅魔館第二キッチンー ※文体:あかり視点
「本当につかないのかしら」
 指示を終え暇を持て余した私は、第二キッチンへと向かっていた。その途中ずるずると足をひきずらせているメイド長こと風香を見かけた。
常にだるそうなところは自分とよく似ているだろう。もしかしたら案外仲良くなれるかもしれない、いや別に無理に仲良くしようとはしないが。
ん、あれ、私が正面にいることに気付いたからか?曲がって行ってしまったぞ。そんな嫌われてたのかな私。ありゃー。どうでもいいけどね。
あっちはたしか図書館だったかな。そういえば最近パチュリーさんの喘息の悪化してきたらしく、すでに全力では動いてはいけない体らしい。これはどうでもいいとは言えない。
もし今全力で逃げなくてはならないような火事が起こったらパチュリーさんはどうなってしまうのだろうか。魔法を使うのも体力いるらしいし、逃げ遅れるかもしれない。その時は誰かがサポートするだろうけど。
 あー、少なくともメイド長はみんなを置いて一目散に逃げそうだな。一つ前のメイド長ならお嬢様やパチュリーさんを助けるのかな。

 だいぶ妄想や想像を繰り広げながらもなんだかんだで第二キッチン到着ー。料理総合室からキッチンてだいぶ遠い。疲れてしまうではないかー、ふー。
コンロが全部使えないのかメイド妖精達は誰もいなかった。
「そして誰もいなくなった。なんちゃってー」
 まだ私がいる時点で誰もいなくなってない。ん?あー、インディアン島の童謡の通りにするならば私はこの状況で首を吊らなきゃなのか。
"最後に一人のインディアンの少年が残された。彼が首を吊り後には誰もいなくなった"
 幻想入りしてくる前の現代の記憶はあんまないけど、たしか現代の世界で読んだ小説にそんな内容のがあった気がする。どうでもいいけど。
現代か…。懐かしい。いじめをうけていた気がする。ファッションセンスがダサいだのなんだの。それが悪化して最終的に一般的ないじめになった。
未来への光も明かりも見失って自殺しようとしたんだっけ?ああ、確かそうだ。その時金髪のお姉さん(?)が変な空間の傷口みたいなとこから私を勧誘してきたんだ。

「ゲンソウキョウハアナタヲウケイレテクレルワヨ」
 そんな感じのこと言われたっけ。どうでもいいや。
そんなことより今はコンロをチェックしなきゃなんだった。もしこれで火ついたらあかり怒っちゃうんだからね!…自分自身に吐き気がした。
読者のみなさん、今の発言は聞かなかったことにしてください とまるで自分が小説の登場人物かのようにまとめておく。
小説の登場人物になりたいなー。そしたら今頃自分は超大金持ちの家でのんびりグダグダ過ごせるんだろうな。でもそんなグダグダより料理長生活のほうが小説のネタとしてはよさそう。
今度誰かに私をモチーフに小説書いてもらおうかしら。


カチッ
 コンロに火をつけようとしてみた。
爆発した。
「あー…。あ?」
やばい、死ぬ。

         ▼捌(8)へ続く

Touhou Houruisen -捌(8)


ー妖精の湖ー
「飽きた!!」
 チルノがビシッと決める。
「え?」
 ルーミアが戸惑う。
「え?」
 大ちゃんも戸惑う。
「…」
 かぼちゃん反応なし。

 氷上のスケーター(スケート)に飽きたのか、チルノがうだうだしだした。
チルノが想像していたほど滑れはしなかったらしく、加速して滑り始めてすぐに転んでしまう。

「あたいだけうまく滑れない!!」
どうもチルノはうまく滑れなかったようだ。
それに対しかぼちゃんとルーミアはそこそこ滑れて、大ちゃんはうまく滑れた為チルノからしたら妬ましくてストレスになったらしい。
 チルノは少し不機嫌そうだ。

「別の場所で遊ぶ?」
 大ちゃんがチルノの不機嫌を察して場所移動を提案した。
「なら久々に紅魔館行きたい」
 大ちゃんの意見に賛成したルーミアが紅魔館に行きたいと要求した。ルーミアの意見に大ちゃんは拒むような表情をしたが口には出さなかった。
「こうまかん?」
 かぼちゃんがルーミアに質問口調で問いかける。
かぼちゃんは紅魔館を知らない。妖精の森を抜けた先に住んでいるかぼちゃんからしたら紅魔館は無縁だ。紅魔館どころかレミリア、フランドールさえ知らない。

 それを利用して大ちゃんが拒みを表す
「かぼちゃん、紅魔館はね、とっても危ないんだよ」
「どう危ないの?」
「フランドールっていうすごい怖いのがいるんだよー」
「ふらんどーる?」
「あたいフランに会いたい!!」