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PN悠祐希
PN悠祐希
novelistID. 37045
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より水夏な、DCPS霧羽・香澄ストーリー(ネタバレ注意)

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「嘘だろ…? 香澄…」
 いつからいたのか…この学校の学生と思われる男の人が、お姉ちゃんに声をかけました。
「…朝倉」
 その彼…朝倉さんの方を向いたお姉ちゃんの表情は、笑っていました。
「馬っ鹿でしょう。あたし、自分が死んだこと忘れてた」
 お姉ちゃんは、軽いミスをおちゃらけて誤魔化そうとするように、小さく舌を出しました。
 お姉ちゃんは、自分ではなく、私が死んだと思い込んでいて、そして、私の幽霊を探す為に、この夜の校舎に現れたのでしょう。
 そう…そのお姉ちゃんの姿こそが、風見学園ミステリー研究会のHPに掲載されていた、風見学園七不思議の一つ…『卒業式の日に現れる幽霊』だったのでしょう。
「お姉ちゃん……あの事故のとき、私をかばって大怪我を…
 最後の瞬間まで意識を失わずに…『あたしの心臓を妹にあげて』って言って…」
 お姉ちゃんに、真実を受け入れてもらいたいのか…
 それとも、お姉ちゃんと一緒に『私の幽霊』を探してくれたと思われる朝倉さんに、真実を知ってもらいたいのか…
 とにかく言っている途中で、もう何がなんだか分からなくなって、私は言葉を詰まらせてしまいました。
 朝倉さんは、それこそ、何も信じられないというような表情をしています。
「…そうだったよね、あたし、あんたの手術が上手くいったかそればかり心配で……結局今日まで地上でぐずぐずしてたんだ…
 ここにいたら、いつか明日美が会いに来てくれるんじゃないかと思ってね…」
 なのに、当の本人の…お姉ちゃんは、事も無げに…
「でも、これで安心したわ。それじゃあもう何の心配もないのね?」
 だから、私も、頑張らなきゃ…
 笑顔で…笑顔で今の私を、お姉ちゃんに伝えなきゃ…
 お姉ちゃんが…安心して…逝けるように…
「うん。水泳だって、できるようになったんだよ」
 そうしたら、お姉ちゃん、本当に嬉しそうに笑ってくれて…
「へぇ、そりゃ大したものね」
「お姉ちゃんが、私に命をくれたから…」