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PN悠祐希
PN悠祐希
novelistID. 37045
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より水夏な、DCPS霧羽・香澄ストーリー(ネタバレ注意)

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 まあ、とにかく、相手が女の子と判れば、何も怖がることはありません。何が起こったのか理解できないのか、尻餅をついた状態のまま固まっている女の子に、手を差し出しました。
「だ、大丈夫?」
「え?」
 そんな私の態度に、その女の子は、露骨に驚いた表情をしました。
 そして、こんな事を訊いてきました…
「あなた…ボクのことが…見えるの?」
 それは、それだけ黒ずくめの衣装ですから、遠めなら見えなかったかもしれません。
 でも、ここまで近づいてしまえば、どんなに暗闇でも、さすがに見えてしまいます。
「もしかして…あなた…」
 女の子は、さらに何か言いたそうでした。
 ですが、こんな所に、いつまでも尻餅つかせたままでいさせるわけにはいきません。春先とはいえ、まだちょっと冷え込みます。そんな中で、いつまでもそんな状態でいたら、腰が冷えてしまいます。幼くても、それでも女の子ですから、腰を冷やすのは良くないです。色々と…
「そんなことよりも、ほら」
 私は、手をもう少し女の子に近づけて、早く立ち上がるように促がします。
 女の子は、その手を掴み、ゆっくりと立ち上がりました。
「あ…ありがとう…」
 立ち上がると、本当に小さな女の子だな、と思いました。
 私は、女の子の服に付いた埃を軽くはたき落としてあげながら、思わず訊いてしまいました…
「それにしても…こんな時間に、こんな所で、何をしてたの?」
 でも、これは誰でも思うことでしょう?…
 と、女の子は、こう答えました…
「うん…やらなければならない事があって、この島に来たんだけど、早く着きすぎちゃって…
 それで、ちょっと暇つぶしのつもりで、この奥の大きな桜の木の下で寝てたら、寝過ごしちゃった」
 と、不思議そうに見つめる私に、ニッコリと微笑み…
「だから、ちょっと急がなきゃいけないから、これで!」
 そう言い残して、女の子は、鈴の音を響かせながら、走り去っていきました。
「不思議な…子…」
 しばらく、その後姿を見送ってしまいました。
 私にくれた、その笑顔が…あまりにも悲しげに見えたので…
「あ、いけない。私も急がなくちゃっ!」
 ふと我に返り、まるで鈴の音の後を追うように…むしろ、鈴の音に導かれるように、私も走り出しました。