守るべきもの
殺生丸は父の跡目をついで西国を治める主として、妖怪たちににらみをきかせていた。殺生丸の強さは周知の事実なので、面と向かって反抗する妖怪は少なかったが、それでもたびたび殺生丸が出向いて成敗しなければならない妖怪もいた。りんを娶って以来、遠出する場合はりんを伴うこともあったが、あまり土地勘のない場所へ行く場合にはりんを危険な目にあわせないよう、屋敷に置いていった。屋敷ならば大妖怪である母が君臨しており、りんが危険な目にあう心配もない。それに多くの従者がいて、りんが心地よく過ごせるよう、殺生丸が留守の間面倒をみてくれている。殺生丸の強さと爆砕牙を持ってすれば、かたづけるのに時間のかかる妖怪なぞいなかった。しかし、今回は、妖怪の数が多かったために多少手間がかかった。何しろ万に近い数であり、かつ広範囲に分散していたからだ。その日の夕方には屋敷に戻れると思ったが、次の日の昼までかかってしまった。しかも、一緒についてきた邪見は妖怪の一匹にけられて途中で気絶してしまった。
(まったく。世話のやけるやつだ)
殺生丸は邪見を拾いに行くときに、左足に妖怪の一匹が吐き出した毒を浴びてしまった。しかし、こんな毒は何でもない。放っておけば、殺生丸の精気で押し出され、抜けてしまう。ただ、ひりひりと皮が焼け爛れたのが不快だった。酸のような毒らしい。
(ふん。一日もすれば元に戻る)
殺生丸は邪見の頭をごつんと殴って覚醒させた。
「あ。殺生丸さま・・」
「邪見。いつまで寝てる気だ。戻るぞ」
そういって空へ舞い上がった。
「あ、殺生丸さま、お待ちください!」邪見はいそいで殺生丸の白毛皮にしがみついた。
「あ!殺生丸さま!お帰りなさい!」
「りん」
屋敷ではりんがうれしそうに殺生丸を出迎えた。妻としてから、まだ3ヶ月足らずだが、殺生丸のもとで愛され、慈しまれたりんは、輝く玉のようであった。そして天真爛漫な笑顔は変わらず、殺生丸だけではなく、屋敷の者たちすべてがその笑顔を心地よいと思っていた。
「殺生丸さま、大丈夫でした?昨日帰ってこないから、心配しちゃった」
「うむ。遅くなった」
そういって殺生丸はりんを抱き上げた。
「え?」
「邪見。しばらく部屋で休む。邪魔するな」
「はい、殺生丸さま。どうぞお体をお休めください」
殺生丸は二人の寝所にりんを連れていき、夜具の上にりんを横たえた。
「殺生丸さま?」
「りん。昨夜はどうしていた?」
「あの、殺生丸さまが帰っていらっしゃらないので、母上様とすごろくしていました」
「そうか」
「母上様が殺生丸さまはお強いから何も心配することはないとおっしゃいましたけど・・・でも、やっぱりりんは心配しちゃいました・・・」
「りん。それで、このクマか?」
殺生丸はりんの目の下の青くなった肌をそっとなでた。
「すみません、殺生丸さまのこと、信じていますけど。やっぱり気になっちゃって・・・」
「ばかなことを」
殺生丸はりんの体の上に覆いかぶさっていった。
「私は無敵だ。私のことは心配する必要は何もない」
「はい・・・殺生丸さま・・・」
「お前はただ健やかでおればよい」
「はい・・・」
「りん・・・」
殺生丸はりんの帯を解いて、指をりんの肌に這わせた。
「あ・・殺生丸さま・・・」
「りん・・・昨夜はさみしかったか?」
「はい・・・」
「私を欲したか?」
「あ・・・はい・・・殺生丸さま・・・」
「そうか」
殺生丸は自分も着物を脱ぎ捨てた。
「あ・・・あの、まだ明るいですけど・・・」
「かまわん」
殺生丸は裸になったりんをその胸の下に組み敷いた。りんの足を広げ、自分の中心をあてがう。
「あ・・・」
「りん。すぐに入れてよいか?」
「あ・・殺生丸さま・・」
前戯も何もなく、殺生丸はりんの中に押し入っていった。昨夜りんを抱けなかったことがいらただしかった。屋敷への帰り道、りんを抱きたいと血がたぎっていた。
りんの中は既に熱く熟れていた。
「りん。お前も待っていたか」
「は・・い・・・一人寝は・・・さみしかった・・・で・・す・・」
りんは既にあえぎ始めている。
殺生丸はもっと深くりんの中に入ろうとりんの脚を抱え、ひざ立ちになった。
「くっ・・」
そこで左脚に熱い痛みが走った。思わず、動きを止める。
「殺生丸・・・さま?」
りんがどうしたのかと殺生丸のほうを見た。
「あ・・・殺生丸さま、その脚・・・どうなさったのですか?」
「何でもない」
「何でもないなんて・・・そんなに赤くなって・・・」
りんは殺生丸の体の下から抜け出して、殺生丸の左脚にそっとさわる。
「っつ・・」
「あ。ごめんなさい、殺生丸さま。痛むのですね。りん、気づかなかった、薬を・・」
「よい」
「でも・・・」
「りん。こんな傷、放っておけばすぐ治る」
「でも、殺生丸さま、さっき痛がっていらした・・・」
「りん。こんな傷より、お前を抱きたい」
「殺生丸さま。そんな・・・だめです、お体に障ります」
「りん。私の願いが聞けないのか?」
(これほどお前を欲しているというのに・・・)
りんは、困ったように眉を寄せた。
「りん。お前は私と睦みあいたくないのか?」
「殺生丸さまったら。りんだって、そうしたいです。でも、殺生丸さまが痛がっているのに、そんなことできません」
「痛くなどないと言っているではないか」
「でも・・・」
「りん。お前を感じれば、こんな傷はすぐ治る」
「え・・・そうなの・・・」
「そうだ。お前の精気が私に力を与えるのだ」
「殺生丸さま・・・」
りんはうつむいてしばらく考えていた。そして意を決したように殺生丸を見た。
「わかりました。殺生丸さま。殺生丸さまの傷にさわらないように、りんが・・・あの・・・動きます、殺生丸さまの代わりに・・」
「りん?」
「殺生丸さま、横になってください」
「りん?何をいう?」
「いいから、早く、そこに、横になって」
殺生丸はりんが何を言いたいのかよくわからず、言われるままに夜具の上に横たわった。
りんはしばらくためらっていたが、殺生丸の上に乗ってきた。そして、そっと腰を落としていく。
「りん・・・」
殺生丸はりんの意図がやっとわかり、驚きと喜びに目を見開いた。
「あ・・・入った・・・」
りんは自分の手を添えて、殺生丸自身を自分の中に招きいれた。
「りん・・・」
「殺生丸さま・・・動かないで・・・無理しないで・・・りんが動くから・・・りんを感じていて・・」
はじめはおずおずとりんは上下に動いていたが、そのうちにだんだん動きが激しくなってきた。りんが熱い吐息をもらす。
「ああ・・・殺生丸さま・・・・これなら・・・脚、痛くない?」
「痛くなぞない・・・」
「あ・・・・せっしょう・・・まる・・さまが・・・熱い・・・」
「お前も熱いぞ」
(まったく。世話のやけるやつだ)
殺生丸は邪見を拾いに行くときに、左足に妖怪の一匹が吐き出した毒を浴びてしまった。しかし、こんな毒は何でもない。放っておけば、殺生丸の精気で押し出され、抜けてしまう。ただ、ひりひりと皮が焼け爛れたのが不快だった。酸のような毒らしい。
(ふん。一日もすれば元に戻る)
殺生丸は邪見の頭をごつんと殴って覚醒させた。
「あ。殺生丸さま・・」
「邪見。いつまで寝てる気だ。戻るぞ」
そういって空へ舞い上がった。
「あ、殺生丸さま、お待ちください!」邪見はいそいで殺生丸の白毛皮にしがみついた。
「あ!殺生丸さま!お帰りなさい!」
「りん」
屋敷ではりんがうれしそうに殺生丸を出迎えた。妻としてから、まだ3ヶ月足らずだが、殺生丸のもとで愛され、慈しまれたりんは、輝く玉のようであった。そして天真爛漫な笑顔は変わらず、殺生丸だけではなく、屋敷の者たちすべてがその笑顔を心地よいと思っていた。
「殺生丸さま、大丈夫でした?昨日帰ってこないから、心配しちゃった」
「うむ。遅くなった」
そういって殺生丸はりんを抱き上げた。
「え?」
「邪見。しばらく部屋で休む。邪魔するな」
「はい、殺生丸さま。どうぞお体をお休めください」
殺生丸は二人の寝所にりんを連れていき、夜具の上にりんを横たえた。
「殺生丸さま?」
「りん。昨夜はどうしていた?」
「あの、殺生丸さまが帰っていらっしゃらないので、母上様とすごろくしていました」
「そうか」
「母上様が殺生丸さまはお強いから何も心配することはないとおっしゃいましたけど・・・でも、やっぱりりんは心配しちゃいました・・・」
「りん。それで、このクマか?」
殺生丸はりんの目の下の青くなった肌をそっとなでた。
「すみません、殺生丸さまのこと、信じていますけど。やっぱり気になっちゃって・・・」
「ばかなことを」
殺生丸はりんの体の上に覆いかぶさっていった。
「私は無敵だ。私のことは心配する必要は何もない」
「はい・・・殺生丸さま・・・」
「お前はただ健やかでおればよい」
「はい・・・」
「りん・・・」
殺生丸はりんの帯を解いて、指をりんの肌に這わせた。
「あ・・殺生丸さま・・・」
「りん・・・昨夜はさみしかったか?」
「はい・・・」
「私を欲したか?」
「あ・・・はい・・・殺生丸さま・・・」
「そうか」
殺生丸は自分も着物を脱ぎ捨てた。
「あ・・・あの、まだ明るいですけど・・・」
「かまわん」
殺生丸は裸になったりんをその胸の下に組み敷いた。りんの足を広げ、自分の中心をあてがう。
「あ・・・」
「りん。すぐに入れてよいか?」
「あ・・殺生丸さま・・」
前戯も何もなく、殺生丸はりんの中に押し入っていった。昨夜りんを抱けなかったことがいらただしかった。屋敷への帰り道、りんを抱きたいと血がたぎっていた。
りんの中は既に熱く熟れていた。
「りん。お前も待っていたか」
「は・・い・・・一人寝は・・・さみしかった・・・で・・す・・」
りんは既にあえぎ始めている。
殺生丸はもっと深くりんの中に入ろうとりんの脚を抱え、ひざ立ちになった。
「くっ・・」
そこで左脚に熱い痛みが走った。思わず、動きを止める。
「殺生丸・・・さま?」
りんがどうしたのかと殺生丸のほうを見た。
「あ・・・殺生丸さま、その脚・・・どうなさったのですか?」
「何でもない」
「何でもないなんて・・・そんなに赤くなって・・・」
りんは殺生丸の体の下から抜け出して、殺生丸の左脚にそっとさわる。
「っつ・・」
「あ。ごめんなさい、殺生丸さま。痛むのですね。りん、気づかなかった、薬を・・」
「よい」
「でも・・・」
「りん。こんな傷、放っておけばすぐ治る」
「でも、殺生丸さま、さっき痛がっていらした・・・」
「りん。こんな傷より、お前を抱きたい」
「殺生丸さま。そんな・・・だめです、お体に障ります」
「りん。私の願いが聞けないのか?」
(これほどお前を欲しているというのに・・・)
りんは、困ったように眉を寄せた。
「りん。お前は私と睦みあいたくないのか?」
「殺生丸さまったら。りんだって、そうしたいです。でも、殺生丸さまが痛がっているのに、そんなことできません」
「痛くなどないと言っているではないか」
「でも・・・」
「りん。お前を感じれば、こんな傷はすぐ治る」
「え・・・そうなの・・・」
「そうだ。お前の精気が私に力を与えるのだ」
「殺生丸さま・・・」
りんはうつむいてしばらく考えていた。そして意を決したように殺生丸を見た。
「わかりました。殺生丸さま。殺生丸さまの傷にさわらないように、りんが・・・あの・・・動きます、殺生丸さまの代わりに・・」
「りん?」
「殺生丸さま、横になってください」
「りん?何をいう?」
「いいから、早く、そこに、横になって」
殺生丸はりんが何を言いたいのかよくわからず、言われるままに夜具の上に横たわった。
りんはしばらくためらっていたが、殺生丸の上に乗ってきた。そして、そっと腰を落としていく。
「りん・・・」
殺生丸はりんの意図がやっとわかり、驚きと喜びに目を見開いた。
「あ・・・入った・・・」
りんは自分の手を添えて、殺生丸自身を自分の中に招きいれた。
「りん・・・」
「殺生丸さま・・・動かないで・・・無理しないで・・・りんが動くから・・・りんを感じていて・・」
はじめはおずおずとりんは上下に動いていたが、そのうちにだんだん動きが激しくなってきた。りんが熱い吐息をもらす。
「ああ・・・殺生丸さま・・・・これなら・・・脚、痛くない?」
「痛くなぞない・・・」
「あ・・・・せっしょう・・・まる・・さまが・・・熱い・・・」
「お前も熱いぞ」