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こらぼでほすと ニート4

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 ティエリアたちは、一端、ヴェーダのほうに戻って作業することになっている。新しい連邦がヴェーダを調べる前に、こちらも公開する部分と非公開の部分を分けておく必要があるからだ。ヴェーダの深層はブラックボックス化して、連邦には公開しない予定だ。
「ティエリア、そういうことだから。」
「・・・・わかった。リジェネ、ニールに余計な負担をかけるな。まだ静養中だ。それから、寺で滞在する場合は、寺の仕事は手伝うのは必須だ。」
 つらつらと寺で滞在する場合にやることや注意事項をティエリアが、リジェネに説明する。そんな堅苦しいことはないんだけど、と、ニールとアレルヤたちは苦笑しているが、ティエリアは真剣だ。
「何もできない、とは言わせない。ニール、簡単なことから教えて使ってください。こいつは、スーパーニートだから俺より世間知らずだ。」
「スーパーニート? 」
「ええ、こいつはヴェーダで、だらだらとしていただけで、ほとんど何もしていません。おそらく草むしりすら理解していない。」
「ちょっと、それは失礼じゃないか? ティエリア。僕、MSの操作もできるし対外折衝とかもやってたよ? 」
「だが、おまえは草むしりも水遣りも知らないだろう。茶碗だって洗えるか疑問だ。洗濯物も畳めないだろ? 」
「そういうのは機械がやってくれるもんだと思うんだけど? 」
 ああ、そのレベルなんだな、と、ティエリアの言葉に、ニールは笑う。つまり、ティエリアよりも家事能力は低いのだろう。まあ、それは刹那だってフェルトだって似たようなものだから、考慮すればいいだけだ。
「リジェネ、うちでは人力が基本だから、いろいろと手伝いしてもらうからな。あと、好き嫌いは禁止だ。食わなかったら拳骨だから。」
「えーーー、僕、ローカルフードなんて体験したこともないのにぃ。」
 特区の独特の食材が宇宙にあるとは思えないから、いろいろと初体験なんだろうなあ、と、思うとおかしくなる。これはこれで、いい暇つぶしになりそうで、ハイネも大笑いする。子猫たちがいなくなると寂しそうにするから、こういうサプライズがあれば、落ち込みもしなくて済むだろう。
「ティエリア、ファイナルコールだ。じゃあ、ニール。またね? 」
 アレルヤが飛行機のファイナルコールに気付いて、ティエリアの背中を軽く叩く。それを聞くと残念そうにティエリアも、ニールを見上げる。
「いってらっしゃい、ティエリア、アレハレルヤ。」
 親猫は、へらへらと笑って手を振っている。それをキッと睨んで、最後の〆の言葉だ。
「あまり心配させないでもらいたい。」
「はいはい、だらだらナマケモノでいるさ。刹那たちによろしくな? 」
「何かあったら、すぐに連絡してください。俺が、こいつを殲滅する。」
「いやいや、そういうのはないから。ティエリア、旅に出る時は連絡してくれ。」
「まだまだ先の話だ。・・・・いってくる。」
 今回は、ほとんどゆっくりできなかったので、残念だが、こればかりは仕方がない。アレルヤに促されて、ティエリアもゲートを潜る。一度、振り返ったが、すぐに中へと消えて行った。それを見送ると、ニールは、途端に表情が消える。いつものことながら、この浮き沈みはハイネでも気にかかる。

 ゆっくりと右肩に手を置いて耳元に囁く。
「どうする? 離陸まで見るか? 」
「・・・うん・・・・」
「すぐに、戻って来るだろ? しばらく危ないことはないんだからさ。」
「・・・うん・・・」
 ハイネだと気心が知れているから、ニールも素のままだ。年少組がいれば、取り繕うのだが、そういうのがないと、ぼんやりしている。
「おまえ、どうする? 俺らは送迎デッキに上がるけど。」
 そして、その様子を眺めている巻き毛の紫猫に声をかける。別に一緒に行動する必要はない。おそらく寺の場所も把握しているだろうから、勝手に戻って来るだろう。
「うーん、喉が渇いたから、何か探してくるよ。待ち合わせは、どこ? 」
 ティエリアたちの搭乗時間に合わせて、空港に来たから、随分と水分補給もしていない。ちょっと喉が渇いたから、それを補給しておく、と、返事した。で、返事したら、いきなり、ニールが、「何がいい? 」 と、尋ねてくる。
「炭酸水かな。」
「腹は減ってないのか? 」
「うー、それほどじゃない。」
「じゃあ、そこのカフェでいいな。行こう、リジェネ。」
 ほら、動け、と、リジェネの背中に手を置いて、カフェの方向に歩いていく。え? と、リジェネですら驚く変貌だ。今の今まで、無表情にハイネに肩を抱かれていたはずなのに、元に戻ったからだ。
「おー、もどきでも浮上するのか。そりゃ助かった。リジェネ、ママニャンの右腕を掴め。」
 おーおーとハイネも驚きつつ指示を出す。なんでもいいのだ、とりあえず構える生き物があれば、ニールはシャンとしているらしい。それなら、しばらくは、巻き毛の紫猫を宛がっておくことにしよう、と、算段した。
作品名:こらぼでほすと ニート4 作家名:篠義