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こらぼでほすと ニート5

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 ニールにしてみれば、同じように扱っているつもりだ。まあ、ティエリアは隣りに寝ているが、それを強要しているつもりもないし、好きなところで休んでくれればいい、と、思っている。
「ママニャン、こいつ、一緒に寝たいんじゃないか? とはいっても、今から布団を動かすのも面倒だから、今日は客間で寝ろ。本日は、俺がママニャンを確保だ。おやすみ、リジェネ。」
 子猫たちが帰った日は、ちょいと酔わせて寝かせるのがベストだ。だから、坊主は晩酌に付き合って、ハイネの帰りを待っていた。ハイネが隣りに寝れば、ニールはぐっすりと眠れるからだ。そこいらの連携は、長年付き合ってきたからのものだ。さすがに、リジェネでは眠れないかもしれないから、ハイネが強制的に客間で寝るように命じた。
「おやすみ、リジェネ。」
 ニールのほうも、ほわほわとした表情で挨拶をする。もうかなり酔っているから、よくわかっていない状態だ。脇部屋に入って、布団にニールを転がすと、そのまんま沈没した。それを確認してから、脇部屋の前に立っているリジェネに近寄る。ブシュッとビールのプルトップをあけて、ぐびぐびと飲んだ。
「ティエリアは、ママと一緒に寝てるんじゃないの? 」
「寝てるぜ。でも、おまえさん、初対面だろ? さすがに初日からは、一緒はさせてやれないな。」
「ママに危害を加えるとでも? 」
「加えたら、おまえさんを消すまでさ。俺たちも、おまえさんを信用するには材料が少なすぎる。おまえさんだって、そうだろ? 俺たちが友好的かどうかなんてわからんと思うんだが? 」
 そう言われると、そういうことだ。ニールだってティエリアの片割れだから預かるとは言ったが、ティエリアと同じ扱いと言われても困るだろう。リジェネとは初対面で性格とか過去とか知っているわけではないし、組織でも『吉祥富貴』でもないところに所属していたイノベイドだ。リジェネだってニールの経歴は記録として知っているが、実際に逢うのは初めてだ。ティエリアと同じ扱いをして欲しいと言っても、ニールにとっては初対面の相手で、リジェネがティエリアとリンクして感じていたものなど知らない。だから、お客様扱いをしている。
「僕は知ってるんだ。ティエリアとリンクした時に、ママの存在は感じていた。」
「でも、ママニャンは、そんなこと知らない。・・・あ、やべぇ、クスリ飲ませてない。」
 水、水、と、ハイネは回廊を降りて行った。晩酌していたのだから、夜のクスリは、まだのはずだ。催眠導入剤だけは外してもいいが、細胞異常を遅らせるクスリは飲ませておかないとマズイ。クスリは、脇部屋にあるから、水だけ運んでくることにした。


 バタバタとハイネが回廊から家のほうに消えると、リジェネはニールの布団のほうに視線を向ける。温かいものだが、自分に向けられているわけではなかった、と、苦笑した。感じていたのは、ティエリアが感じているものを間接的に取り込んだものだ。リジェネ自身に向けてもらうには、リジェネ自身でママの前に存在していなければならない。


 ぼんやりと、ニールを眺めていたらハイネが戻って来た。文机の上にあるクスリ箱から必要なクスリを取り出して、ニールに声をかける。
「おら、クスリ。口開けろっっ、で、水っっ。」
 ほとんど寝ているらしく、言われたままにクスリを飲んでしまうと、くったりと寝ている。その流れを見ていたら、「ママニャン、ちと弱ったままだから、無理させないでくれ。」 と、ハイネは注意してリジェネを脇部屋から追い出した。パタンと障子を閉めると、そこにへばりつくようにハイネはヤンキー座りで、手にしていたビールを飲み干す。
「僕にもママのカルテを開示してよ、ハイネ。」
「明日、キラに言ってくれ。・・・それから、ここはオールセルフサービスだ。自分のことは自分で出来る限りはやってもらうからな。」
 二缶目のプルトップを引き上げてハイネは缶を傾ける。寝かせたからといって油断できない。隣りの温もりを感じられないと、ニールは起きる。
「僕は、きみたちの敵じゃない。」
「それを信じるには時間が必要だ。先に言っておくが、この寺の人間は容赦がないぞ。何かやらかせば、おまえさんの素体ぐらい簡単に潰せる奴らだ。そして、おまえさんが潰されても、それをママニャンには気付かせないぐらいのことは朝飯前だからな。慎重に動け。」
 脅しともとれるハイネの言葉に、リジェネも固まる。くくくく・・・とハイネは忍び笑いを漏らしつつ障子の内側へ消えた。あまり歓迎されていないのだと気付いたものの、それぐらいでリジェネも引き下がるつもりはない。とりあえず、ここに滞在して自分の存在をママにアピールするつもりだから、客間へと引き返した。
作品名:こらぼでほすと ニート5 作家名:篠義