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東方~宝涙仙~ 其の壱七(17)

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東方宝涙仙


「記念に1枚どうですか?」



ー紅魔館・廊下ー
「綺麗な弾幕が撮れましたね。あやや?これはこれは珍しい、なんでこんな所に妖精が?」
 ※射命丸 文(しゃめいまる あや)
  二つ名:伝統の幻想ブン屋
  能力:風を操る程度の能力

 チルノの後ろに立つ影はブン屋こと、射命丸文だった。
「しゃ、射命丸さん!?」
 思わず大声を上げて驚く大ちゃん。
「どうもどうもー、文々。(ぶんぶんまる)新聞の取材に来ました。射命丸です」
 どうやら文は紅魔館爆発事件の取材の為誰かに聞き込みをしようと紅魔館に侵入したところ、チルノ達にたまたま出くわしたようだ。稀少な弾幕の撮影もできたとのことで満足げであるようだ。
「それより、なんでこんな所にいるんですか?」
「それが……」
 4人は簡潔に文に今までの状況を説明した。
「なるほど…すなわちここにはまだ私には見えていない者が潜んでいる、と…」
「ええ、でも姿を消したっきりでてこなくなりました…」
「まさかアタイ達を置いて逃げたかー!」
「それはそれでいいじゃないチルちゃん」
「アイツは倒すまで許さない!」
 チルノが興奮気味ではあるが、他は落ち着きを取り戻し始めた。文の登場は全員にとって心強いものとなる。
「とりあえずここは相手が現れないうちに引き下がりましょう」
 文が指揮を取り4人に引き下がるように提案をする。チルノは悔しそうだが一応4人とも賛成し、やむを得ずここは退却することにした。
4人が先に退却したのを見送り、文は再びさきほどの弾幕の飛び交っていた方向を向いた。後ろからの奇襲がない事を確認すると、開けて4人を追い始めた。まるで通学する子供を見守る保護者のように。
 4人に追いつきそうなところで文は立ち止まった。いや、後ろからの気配に止められたという感じだ。
「キサマ…さっきの発光した物はなんだ」
 誰もいなかった暗闇の向こうから声が聞こえる。
「猫だましのアイテムか?」
 その声は徐々に近づいてくる。
「あなたが大妖精さん達の言っていた…」
 分は後ろを振り向き敵の姿を確認しようとした。しかしその姿を捉えれたれたのは一瞬だけで、例の赤い残光を残し敵は消えてしまっていた。

ガギンッ
 という音が静寂な廊下にこだました。

「なっ!?」
「おぉ、早い早い」
 やはり文に声をかけていたのはネペル・ダーブレイルだった。ネペルの刀の刃が文に向いている。だがその刀は落ち葉型の扇と交差し、攻撃を確実に防がれている。
「見切れたのかキサマ…」
「早いですねぇ、あなた」
「ちっ…」
 赤い残光が後ろにバックステップを踏むように伸び、ネペルと文の距離が会いた。
「次は斬るぞ」
 ネペルの挑発に文は反応を見せない。お互いが暗闇の中の相手の目を見つめあっているかのようなほどに緊張が走る。
そんな中先に攻撃をしかけたのはネペルだった。壁を蹴り左右に飛ぶことなく直線に残光が文を襲う。
「早いっ!」
 ネペルの刀が振られ文を斬った。
   しかし感触がない、手ごたえがない。
「……ですが、やはり私のほうが早いようですね」
 文は迅速に間合いを詰めるネペルの後ろに回り込んでいた。
「そんなバカなっ!私より早く…早く動いただとッ!?」
 衝撃を受け精神的に怯んでいるうちに、文は扇を大きく振り風を巻き起こした。暴風に押され壁に吹き飛び衝突するネペル。
「がッ!!」
 今回の戦闘において二度目のダメージを受けた。ネペルは自分自身がこの幻想郷の中で最速のスピードの持ち主であると思い込んでいたらしく、今目の前にいる文の素早さが信じられない。
壁に衝突し、そのまま床へ落ちて倒れこ身むネペルに文が近寄った。
「あなたはなんで妖精達を襲ったんですか?」
 背中が痛むのを堪えネペルは説明した。
「元々殺す気なんてなかった。あぁ、本当だ。殺そうと思えば最初の一撃で殺せた」
「そもそも殺す気がないのになぜ奇襲をかけたんですか」
「私は姉を倒す為、姉を追いこの館まできた。あの姉との戦闘だ、こんな館ごとき崩れてもおかしくはない」
「それで?」
「館が崩れるというのにあんな幼い子達がいては奴らは危険だろう。だから脅かして逃げさせようとしたわけだ…」
 文は半信半疑ではあったがそれなりに筋の通った説明なので信じておくことにした。ちなみにネペルは本当のことを話している。
「口で言えばよかったのかもしれないな…。ただ、奴らが『館に黒い着物の女がいた』などと周りに言いふらしては姉に気付かれ逃げられる可能性もあり得る」
「なるほど。しかしあそこまで本気にならなくてもよかったんじゃないですか?」
「最初から見ていたのか?」
 不意を突かれたようにネペルはキョトンとする。ネペルはいつしかさきほどまで荒れていた絶影の女侍とは、目の赤い光が止まり思えないほど穏やかで優しそうな表情になっていた。
「いえいえ、ほらこの写真。あ、これデジタルキャメラって言うんですけども…さっきのあなたの弾幕が綺麗に写っていますよ」
「きゃめら?お前不思議な物持ってるな。まさかそれがさっきの発光の正体か?」
「ええ。ほら、こんな無数の弾幕を撃って、殺す気じゃないですか」
「ははっ、まさかあの幼い子達があんなに強いとは思わなくてね。本気でやるしかなかった。特にあの氷妖精。あの時刀でなく私が狙われていたら確実に私は負けていた」
 捨て笑いを浮かべ恥ずかしそうに言った。
ネペルと文は敵でありながら普通の会話を行っている。これも文がサバサバしておきながらも穏やかな性格だからだろうか。
「実はですね、チルノさんはあなたを潰しにかかってないんですよ」
「え?…いや、でもあの威力の氷をぶつけてきたわけだし…!」
「あやや、気付いてませんか。あの子は人が傷つく事だけを嫌うんです。だからあなたを殺すのではなく、ただ止めたかっただけ。優しい子なんですよ」
「私相手に手加減でも?はっはっはっ。こりゃ完全に私の負けだったようだな」
 ネペルは腰を抑えながら「いたた」と言いながら立ち上がり、持っていた刀を納刀した。
「これからどこに行くんですか?」
「クエストリタイアするわけにはいかないからな。姉を倒してくるつもりだ」
「そうですか。気を付けてください」
「それじゃ、ここは逃げさせてもらう」
「あ、ちょっと!」
 退却しようとしたネペルを文は呼び止めた。呼び止めた文はカメラを構えこう言う。

「記念に一枚どうですか?」
 向けられたカメラを眺めネペルは自分が写し出される事を恥ずかしげに答えた。
「その…どうせなら私も女なんだ…なんというかー…」
 暗闇でもわかる。ネペルは確実に赤面していた。文はそれに気付いていたが何も言わない。
「あー、可愛く写してくれ……。は、恥ずかしいな…」
 クールなキャラに似合わず恥ずかしがっているネペルを見て文は笑顔で優しく、カメラマンな一言をかけた。
「大丈夫ですよ。純粋な人はみんな可愛く写りますので」
「そ、そうか…?」
 
 パシャリという音と、フラッシュの光が1秒を刻む。

「はい、おっけーねでーす」
「やはりそれは眩しいな…。もう撮れたのか?」
「ええ、ほらこんなに可愛く」
 文はネペルに写真を見せた。