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こらぼでほすと ニート6

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 ハイネが食べ終わった食器を台所へ運んでいく。客扱いじゃないから、誰もがいつも通りだ。寺の坊主に至っては、リジェネが食べている同じ卓袱台で書類仕事をしている。ハイネのコーヒーを運んでくると、亭主の分も置かれている。横には付け合せのお菓子も配達されているが、亭主は声もかけない。
 亭主の横に、ニールも自分のコーヒーを持って来て座ると、小皿入れられたクッキーが、そちらに押し出されている。
「紅茶風味の甘くないヤツですよ? 」
 女房が、そう言うと、亭主も一枚摘む。ティエリアたちが帰る時に持たせたお菓子の残りだ。甘みを抑えた上品なクッキーになっている。組織に戻る時に、刹那やライルにも食べさせてやって欲しくて、多めに焼いたのだ。
「まあまあだな。」
 という感想だと、おいしいという意味なので、女房のほうは、ははははと笑う。笑っている口に亭主が、クッキーを突っ込んでいたりするので、いちゃこらしているように見えるが、当人たちは、そんな気持ちが微塵もないのがおかしなところだ。もう、ハイネですらツッコミはしない。
「リクエストは? 」
「麺類だ。」
「はいはい。インスタントですか? 」
「いや、あったかいのがいい。」
「じゃあ、ソバでいいですね。」
「それなら、ママニャン、俺、かも南蛮がいいな。」
「はいよ、鴨肉がねぇーから調達してこなきゃな。リジェネ、好き嫌いはあるか? あと、食物アレルギーとか。」
 食べ終えて、カフェオレをすすっていると、そんな質問だ。好き嫌いと言われても、リジェネにもピンとはこない。なんせ、適当に携帯食やらの栄養食品を食べていた身としては、知っている食材が少なすぎる。
「よくわかんないな。」
「ティエリアと似たようなもんだな。まあ、とりあえず試してみればいい。」
 出会った当初のティエリアも似たようなものだった。宇宙用の携帯食のパックで生きていたから、食材というものを知らなかったからだ。ニールが、暇な時に、いろいろと試させて、魚の形をしているものとネバネバ食材が苦手だと判明した。栄養さえ摂取できれば問題ではない、と、ニールの好き嫌い克服ミッションに怒っていたが、今では好きなものもできて、それなら機嫌良く食べてくれるようになった。二度目ともなると、ニールも慣れたものだ。
「それで、おまえは、何の用で降りて来た? 」
 坊主がコーヒーに口をつけつつ尋ねる。肝心の用件を聞いてなかったから確認だ。朝から、女房が家事をしていたから聞きそびれていた。
「ママと会いたくなったから。他には何もない。」
「それなら、うちに居る間は働け。草むしりと墓地の掃除ぐらいならできんだろ。」
 何かしら『吉祥富貴』との打ち合わせとかがあれば、坊主も働けとは言わないが、ただの物見遊山なら労働ぐらいはさせておく。寺は基本オールセルフサービスだが、滞在するには対価は必要だ。
「お金なら、ママの口座にでも振り込む。それでいい? 三蔵。」
 リジェネの返事に、ニールが止める間もなく、坊主が空手チョップをリジェネの頭に見舞う。軽くであろうと痛いものは痛い。
「敬称をつけろ。てめぇーに呼び捨てにされると虫酸が走る。」
「もうちょっと穏やかに注意できないもんですかね? 」
「しつけのなってない生き物は、体罰に限るだろ? それから、おまえ、こいつを観光に連れて行きたいなら一週間後だ。」
「まあ、それぐらいになるでしょうねぇ。」
 まだ、漢方薬治療を受けて時間が経っていない。すぐに外出などしたらダウンするのは確実だから、坊主でも、それぐらいは注意する。
「とりあえず、買出しに行きます。」
「おう、冬に食えるもんでも植えたらどうだ? 」
「俺も、それは考えてました。何かあるのか、ホームセンターで見繕ってきますよ。鍋の材料とかになりそうですが。」
「白菜か? 確かに、あれは冬物だろうな。」
「あんたのアテにはなりませんがね。」
「梅干まで作成しはじめたら、俺は呆れるぞ? 」
「ああ、あれは無理。梅雨時分に作らないといけないらしいんで、俺にはできません。」
「なんでもいいから行って来い。どうせ、おやつの時間にキラも来る。」
「はいはい。」
 暢気な会話が終了したら、ハイネは、すでにクルマのキーを持ってスタンバイ状態だ。リジェネは、どうする? と、言われて、僕も、と、立ち上がる。すると、ハイネが食器だけ下げろ、と、命じるので、食べ終えたものを運ぶ。なんていうか、ペースが忙しすぎて、リジェネには口を挟む暇がない。
作品名:こらぼでほすと ニート6 作家名:篠義