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I Remember You 2 (Tiger Side)

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 でも、ちょっとくらいは、受け入れられるかな。
「バニー、もっかいしようか?」
「え?」
 バーナビーが怪訝そうに首を傾げる。
「キス」
 バーナビーの顔に赤みが差す。
「あの、でも、こてつさん・・・」
「なんだよ、やっぱり嫌になったとか言う気か?」
「いえ、そうではなくて」
 戸惑うバニーの頬に手を添える。
 ああ、そうか。顔を上に向けさせる必要ないんだな。こいつのほうが背が高いから、むしろ俺が少し上に向かなきゃならないんだ。
 変なところで女性との違いを意識した。
 顔を近づけようとして、眼鏡が邪魔と気づいて取り払う。
「僕、コンタクトにしようかな」
 唐突にバニーが呟いた。
「へ?なんだよ、急に」
 ムードのない奴だな、と毒づいてやると、バーナビーはあの甘えた声で、だって、と続けた。
「眼鏡がないと、よく見えなくて・・・僕にキスしてくれる虎徹さんの顔を、ちゃんと見ていたいんです」
 恥ずかしい台詞をよどみなく言い放たれ、今度は虎徹が赤面する番だった。
「そういうこと言うなよ・・・」
 すい、と顔を近づけると、バーナビーが目を細めた。恥ずかしさで見ていられなくて、虎徹はすぐに目を閉じた。
 柔らかく、官能的な感触が唇に当たる。ほんの少し、アルコールのにおいがした。
 その感触に、感覚のすべてを委ねながら、長い夜になるな、と虎徹は思った。
 今夜は、ずっとバニーの側にいよう。自分にできることは、それくらいしかないけど。
 お互いのこれからのこととか、オリエンタルタウンのこととか、いろいろ話をして過ごそう。
 これが別れのキスじゃなく、また会うための約束なんだって、分かるように。
 おまえのことを、俺はいつでも大切に思っている。
 だから、泣くなよ、バニー。

 夜が明ければ、俺はシュテルンビルドを去る。


end

作品名:I Remember You 2 (Tiger Side) 作家名:いせ