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※ゾロサン

2012/5/31更新


ゾロサンパラレルお試し版。
サンジ視点。







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真っ赤な中で泣いていた。


ただ一人の生き残り。

真っ赤になったものを抱いて。




功績を残したかのように堂々と突き刺さっている海賊旗。
それを見て悲しみしか込み上げないおれはまだ人間に近いのだろうか。


いつか空しさだけを感じるようになる。


そんな恐怖がおれの足を速めた。





そして抱きしめた。






小さい体を抱きしめた。
すがりついてくるその体をただただ抱きしめた。



大丈夫だ。大丈夫。
と繰り返しながら、何が大丈夫なんだと疑問に思う。


この子供の未来など、おれはどうすることも出来ない。
今、その場しのぎで温もりを与えることしか出来ないのに。






「サンジは天使だ。」




「羽は無いのか？」




「ほんとに無いのか？」





何度もおれの背中を確認する。
背中に触れた小さな手。



おれは決してそんな清い生き物などでは無いのに。
その手に触れられた瞬間綺麗になっていく気がした。





ゾロとの日々は忘れられない。
おれが生きてきた中で一番色鮮やかな記憶。
真っ赤に始まった出会いでも、



それでも何より、生きた心地のした時間だった。





ゾロ。




生きろ。





あの場を生き残ったお前だから。




まっすぐ。






いつかまた会いたいと願う。


その時までの別れだ。





小さな背中を押す。




一人で歩き出せ。





まっすぐだ。



迷うんじゃねぇぞ。