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衝動SSまとめ⑥(ZS)

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ゾロサン




2012/6/8更新

サンジの片思い。
海賊設定。続きます。







――――――――――――――――――――




安心しろ―――





「おれがお前の体以外を求めることは無い。」





安心しろ―――





「その時はおれが死ぬときだ。」







初めてお前が誘ってきたのは3ヶ月前。
おれには全くその気は無かった。

でも、あいつには・・確かにあった。



おれへの『気持ち』が確かにそこにあった。




体は目の前の快楽をひたすら求め、サンジもそれを求めていた。
何度も、「体だけだ。」と言う口は切なくゾロの名を呼んだ。


触れてくる手は少し震えていた。
体を熱くして、涙をこらえて。
眉間に皺寄せて無理に笑って。


そんな感情豊かな相手に処理が続くわけも無い・・・
回数は目に見えて減っていった。




『もう抱けねぇ。』




ゾロが回数を0にした時、
それでも近づくサンジにゾロは殴りかかった。

抑えこんでるつもりかもしれないが、何も隠しきれていない。
そのサンジの想いにゾロは応えられない。

見ていて辛かったのだ。



ゾロに殴られ、
吹っ飛んだサンジは溢れそうな涙を堪え笑っていた。
だが、その表情は髪に隠されゾロには見えていなかった。





「悪かった。」





サンジの謝罪の言葉がその場に重く響いた。






それからしばらくはいつも通りの日々だった。
食事に遅れるゾロをサンジが蹴り起こす。
酒が欲しくなればキッチンに向かう。
飲み過ぎるなと言いつつ酒を渡し、変わらず美味しいつまみを作る。
どちらかが不寝番であれば、たまに飲み明かす。


ゾロはサンジが自分への想いを断ち切ったとばかり思っていた。
このままこうして、仲間として接していけるとばかり思っていた。



目の前で海へと倒れていくその姿を見るまでは。








月が雲に隠れた真っ暗な夜。
光の当たらない海は闇のようだった。



昼間に寝すぎたのか、どうしてたが寝つきの悪かったゾロはキッチンへ向かった。
珍しく扉が開いたままだったのを不思議に思いながら、呼びかけた。
だが返事も無ければその姿も無かった。
サンジに限って明かりをつけたまま寝てしまうことは無いだろうと思ったゾロは甲板に出た。
耳を澄ませば、不寝番であるはずのウソップのいびきが聞こえてきた。
仕方がない、と起こしに向かおうとした時、何か物音がした。




「・・コックか?」


目を凝らせばそこには人影があった。
だがその人影は船の淵の上に立っていた。


「おい、何してんだ。」


「酒なら、そこにある。」



「・・何処だ?」




「そこだ・・・




「何処・・


・・・・・・・・っ・・!!!!!!!?」





サンジが腕を伸ばした方へ振り返ろうとしたとき、
視界の端で人影が揺れた。

揺れたものを追うように視線をはっきりと戻せば、
サンジが闇のような海へと吸い込まれていった。









「コックーーーーー・・・っ・・!!!!!!!」









作品名:衝動SSまとめ⑥(ZS) 作家名:おこた