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衝動SSまとめ⑥(ZS)

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ゾロサン





2012/6/10更新

続きです。








――――――――――――――――――――





目が覚めると、
医療室にはチョッパーの姿は無く、
隣で静かな寝息をたて眠るサンジが居た。



そっと頬に手を伸ばすと、温かかった。
そこでゾロはやっと息を吐き出した。

すると頬に触れていた手に手が重なった。



「・・・・・起きたのか、」



「振るえてる。」


「・・・・さすがにビビッたからな。」

「悪かったな。」

「謝るなら、なんでんな事しやがった。」

「・・限界だった。」


「・・限界?」



「言ったろ・・・・安心しろって。」


「・・・・・・安心?」





安心しろ―――
その時はおれが死ぬときだ―――





「・・っ・・!!!まさかっ・・・テメエ・・」



「馬鹿みてぇだけどよ、マジだった。」


「・・・本当に死ぬとこだったんだぞ。」

「分かってる。」


「・っ・・テメェ!!!!!」



サンジの着ていたシャツの首元を思い切り掴みあげられ、
サンジの上半身が少し浮いた。
苦しさで顔を歪めながらも、サンジはまっすぐにゾロを見る。


「なぁ・・好きでいていいか?」

「・・・っ・・」


「無理だ・・無理なんだよ・・っ・・」


サンジは流れる涙におかまいなしに、ゾロに訴え続けた。
限界だと、忘れることなんて出来ないのだと。

体よりも何よりも、本当に欲しいものは変わらない。



『ゾロの心』



「・・・・おれはこの想いを隠すことも出来ない。
お前の行動一つ一つをどうしても意識しちまうんだ。
普通に接しようと、いつだって必死だった・・・もうただの仲間には戻れねぇんだ。」

「・・・・・・。」

「・・だから・・・・おれは、」


「勝手にしろ。」


「・・・・・ぇ・・?」


「勝手にしろっつってんだ。」

「だけど・・・それじゃ、」

「おれは・・お前の気持ちにゃ応えられねぇ。
だが・・別に悪くねぇ。」



「・・ゾロ?」


「お前がどう思ってようと、別に気にしねぇっつってんだ。
だから・・・二度とあんな真似だけはすんな。」

「・・・・まぁ、そう・・だよな。
目の前で死なれちゃ胸糞悪ぃよな・・。」

「お前が死んだら、おれはこの船を降りる。」


「・・・・は?」



「・・・だから死ぬな。」



「おいっ・・ちょっ待てよ!!!!!!!おいゾロッ・・・!!!!!」



バタリと閉められたドアから、間を空けずに仲間が入ってくる。
サンジの周りではしゃぐ仲間達に笑顔を向け、謝罪しつつ・・


頭の中ではゾロの言葉でいっぱいになっていた。



・・・なんなんだよっ



応えられねぇって言っといて・・・




『お前が死んだら、おれはこの船を降りる。』


この言葉だけで・・
おれは簡単に勘違いしちまう・・



勘違いしちまうんだぞっ・・




・・・・ったく・・









バタリとドアを閉めれば、
待っていたとばかりに仲間達がゾロの体を押しのけ今閉めた扉を開ける。
甲板に出て、放り出したままだった刀を腰にさす。


あの海の中、

すり抜けて沈みたがっているような身体を必死に抱き上げた。
おれをまっすぐに見ていた瞳はまぶたに隠れ、


これがもう二度と見れないかと思うと・・・



それは嫌だった。





あの口付けは、
空気をおくるためだった。


それにしては・・妙に感覚が残ってやがる。



何だってんだ。


だが・・まぁ、




これであいつは絶対に死なねぇ。






それならいい。







海を眺めるゾロの顔は少し笑っている。
あの海の中でゾロがサンジに口付けたことはサンジはまだ知らない。



それは2人の初めてのキス。




サンジが嬉し泣きをする日まで、あと少し。





end



作品名:衝動SSまとめ⑥(ZS) 作家名:おこた