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衝動SSまとめ⑥(ZS)

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ゾロサン





2012/6/9更新

前回の続きです。
続きます。








――――――――――――――――――――







「コックーーーーー・・・っ・・!!!!!!!」










手を伸ばしても触れることが叶わなかった。
刀を投げ降ろし、迷わずに闇へと飛び込んでいく。


沢山の泡を纏いながら沈んだ体を海面へと浮上させ、

辺りを見渡してみてもサンジの姿は無い。
潜ってみても、目を開けているのか閉じているかさえ分からない。
がむしゃらに潜り手を伸ばす。


だが、手には何にも当たらない。




「・・・はっ・・くそっっ・・・」




海面を叩いてみてもバシャンと波が立つだけだった。
大きく息を吸い込み、もう一度潜る。




頼む・・




頼む・・・・






息が続かずに、海面に浮上する。
息が上がり始め徐々に潜る時間が短くなってきた。



早くしてなければ、サンジは・・・・・・



これが最後のチャンスと思い切り息を吸い込んで、水の中へと潜っていく。
いくら目を凝らしてみてもその姿は見当たらない。
それでも『諦める』という言葉がゾロの頭をよぎることは無い。


コック・・・・・・どこだっ・・!!!!!!!



息が少し苦しくなり始め、
また一度海面へと思ったとき、何かが頬を掠めた。

何だ、と思い手を伸ばすとまた何かが当たり上へと逃げていく。


・・っ・・!!!



コックっっ!!!!!!!!!



それは気泡だった。
次々に上がってくる気泡は、サンジに間違いないと確信した。


ゾロは気泡に向かって潜っていった。
何個もの気泡が頬を掠めていく。




コック・・・・・・・・・・・!!!




これ以上潜るのは危険という距離に達し、足がつらくなってくる。
浮きそうになる体を必死に下へ下へと向かった。
手をこれでもかというほど伸ばした。




届いてくれっ・・




気泡が頬に当たらなくなっていた。
感覚の無くなりそうな指先を必死に伸ばす。



するとふわりと何かが触れた。
ゴバッと口から息が出て行くの必死に押さえ、もう一度伸ばせば。
確かに何かに触れた、そっと寄せれば、それはサンジの顔だった。




コック・・っ・・っ・・・!!!!





体を抱き寄せ、つりそうになる足を動かし上へと上がる。
腕の中からすり抜けていきそうになるサンジの体を何度も抱えなおした。
空から照らすものが何も無い、海の中は、どこまでも暗く。
海面までの距離がとんでもなく遠く感じた。



だが、そのとき、光の道が出来た。
その光は真っ直ぐにゾロ達を照らす。


それに従いゾロは力を振り絞った。




バシャーンッッとひときわ大きく波をたて、
海面へ浮上すれば、心配そうに叫ぶ仲間がそこには居た。


力を使い果たしたゾロと気を失ったままのサンジを引き上げてくれた。




二人はそのまま医療室へと運ばれた。
医療室の外では心配そうに歩き回る仲間の足音が聞こえる。
サンジは大量の海水を飲み込んでいたが、優秀な医者は大丈夫だと言い切った。


安心したゾロは気を失うように眠りについた。





作品名:衝動SSまとめ⑥(ZS) 作家名:おこた