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新生勇者戦記 ブレイヴ・サーガ・ディザスター 第45話

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  地震の振動により、ハンドルがぶれて上手く操作できない。止む得ずに道路脇に急停車して止まるさわ子のワゴンR。それと同時に、地震は更に増した。

  さわ子 「わわわっ・・・!!更に揺れが強くなった?!なんなのよー!!?」

    グォゴゴゴゴゴゴゴゴゴオオオ・・・!!!

  空気を揺さぶるかのような轟音が周囲に響く。路上の街路樹が激しく揺れ、建造物が崩れ始める。

  ついには唸る轟音と共に多摩市の地面が陥没・崩落した。直径1km、深さ500mの巨大な穴が突如として現れ、アリの群れのように4種類のハカイジュウの大群が蠢き、這い出てきた。

  そこだけに止まらなかった。元・あきる野市を囲うかのように同様の穴が発生。八王子、昭島市、立川市、日野市、東大和市、武蔵村山市、福生市、羽村市、青梅市にかけて人々や交通車両を容赦なく奈落の底へと誘っていく。

  更には埼玉県・秩父市、飯能市、入間市、所沢市にかけても同様の崩落現象が発生した。

  被害に巻き込まれた立川に拠点を置いていたM.P.D.BRAVE本部。そこには必死になりながら、本部のメンバーをJトランスポーターに誘導する要達の姿があった。

  要 「整備班、及び本部の隊員は直ちにJトランスポーターへ乗り込んでくれ!!全員で脱出するぞ!!!」

  葉山 「本気でここを捨てるんですか?!!去年出来たばっかじゃないスか!!!」

  葉山は変にもったいない精神を働かせてしまっていた。確かに去年に施設が稼動したばかりであるのだから解らなくもない。だが、それよりも人命が先決だ。何物にも代えはない。

  要 「バカなことをいうな!!!この施設よりも隊員達の人命が最も大事だ!!!つまらないことをいうな!!!」

  葉山 「す、すいません!!!」

  要 「外を見ろッ!!」

  要は周囲に指を指し示す。それにつられて葉山が視線を向けた。怪物達の宴ともいうべき光景が飛び込む。大量のハカイジュウ、デストリアンの姿にゴクンと唾を飲む葉山。その後ろから要が諭す。

  要 「ここにヤツラが押し寄せてくるのも時間の問題だ!!今はここから脱出し、体勢を立て直す事が先決なんだ・・・!!!」

  葉山 「そうっすね・・・!!!」

  要 「俺はジェイデッカーと共に脱出する!!お前も吉崎達とJトランスポーターに入れ!!」

  葉山 「了解っす!!」

  この状況下、要の脳内の片隅ではデートの約束をしていた、さわ子の存在が気がかりでならなかった。懸命に隊長としての責務で私情を押し殺していた。

  要 「くっ・・・さわちゃん・・・!!!」




  他のメンバーもそれぞれが相次いでこの被害に巻き込まれていた。唯の家の外で、光達が勇と和、憂とで世間話に花を咲かせていたところに地震が襲う。

  光 「うおおお?!!またかよ?!!」

  唯 「ひいいいん!!」

  勇 「こいつはまたデカイ地震だな・・・!!!」

  和 「立っていられないくらいの大きさよ!!」

  憂 「うわ〜・・・!!」

  この時、勇士朗同様にエクスカイザーも勇士朗同様、大地から滲み出るかのような異質のマイナスエネルギーを感じ取っていた。

  エクスカイザー 『こ、このマイナスエネルギーは・・・??!』

  涼 「姫ちゃん・・・!!!」

  姫子 「大丈夫・・・!!!」

  律 「ひゃあ〜!!」

  蓮 「ちぃぃ〜・・・!!!」

  俊 「いつもよりもでかいぞっ・・・!!!」

  梓 「こ、恐いですっ!!!」

  一方、律の家の裏庭ではラガンが地震の振動に狂喜して感動する。聡はとりあえずどかんと座り込んでやり過ごしている。夏休みの山篭りで根性が飛躍的に上がったようだ。

  ラガン 『おおお!!!大地の鼓動だっっ!!!』

  聡 「あほか!!ったく〜・・・地震、多っ!!!」

 

  紬は、琴吹家のリムジンで帰宅している途中であった。隣には紬と雰囲気が良く似た少女も乗っていた。その時、前方100メートル先の路上の下からC‐03が出現。SPのドライバーが路肩へ急停車する。

  SP 「何っ??!お嬢様!!急停車致します!!!」  

  クイックなステアリング捌きと急ブレーキで、高いスキール音を鳴らしてリムジンが止まる。少女が軽い悲鳴を上げ、横Gに負けて紬に倒れてしまう。

  少女 「きゃああ!!」

  紬 「あうっ!大丈夫?!菫ちゃん!!」

  急停車したリムジンの中で菫という名の少女に気遣う紬。菫は申し訳なさそうに言って謝る。どうやら紬に仕えている身分のようだ。

  菫 「ごめんなさい!紬お嬢様!!大丈夫ですか?!」

  紬 「い、いいのよ、私は。菫ちゃんこそ大丈夫?」

  菫 「は、はい・・・!!」

    ドォズガアアアアアアッ!!!

  D‐14 「ギギギギイイイッッ!!!」

  だが、リムジンの後方にもD‐14が出現。この状況にSPも車を捨てる判断をした。

  SP 「お嬢様!!ご迷惑覚悟の事になりますが、車を捨てます!!この状況ではどうしようもありません!!」

  紬 「わかったわ!!一緒に逃げましょう!!」



  そしてポイントαを封鎖していたブラックトルーパーズ(以降BT)の体制に乱れが生じていた。独りの隊員が慌てて叫ぶ。

  BT隊員A 「何だこの地震は?!!ついに覚醒したとでも言うのか??!」

  BT隊員B 「これまでに続いてきた地震はやはりコイツが活動を本格的に開始したからなのか!!?」

  陥没帯の方へと身体を向けるBTの隊員達。その時、覗き込んだ中に黄色く爛々と光る超巨大な眼球を目にする。巨大な鼓動音がドクン、ドクンと鳴り、彼らにひしひしと伝わる。

  息を呑みながらこの光景を見ていた一人の隊員が真実を口にする。

  BT隊員C 「もう・・・隠し切るのが限界になったのかもな・・・・かつて墜ちた隕石そのものが超巨大の眼球型ハカイジュウ・・・C‐00だっただなんてな・・・!!!」

  BT隊員D 「ああ・・・・と言う事は・・・ポイントβのC‐01の眠りも覚めるということか・・・??!」

  BT隊員B 「市を犠牲にしてまで斃しきれていないことが大衆に晒されると言うのか!!!」

  ポイントβ。蒸発した八王子のクレーター内に確認できる黒焦げの半球型のドーム状の物体。それこそが斃しきれずに隠されてきたC‐01だった。

  今現在は目覚める様子はなく、息を長期に渡り潜め続けていた。それよりも各地に出現した多数のデストリアンによる大規模なハカイジュウ災害の方が深刻な状況だ。

  これらの元凶はC‐00の眼球下部から伸びる触手のような管だった。気色の悪い動きで管が動き続けている。この管こそがデストリアンを産んでいる器官だったのだ。

  去年の桜高での災害の発端、いや、今日にまで及ぶ地下からのデストリアンの災害の発端は紛れも泣くこのC-00だったのだ。




  勇士朗は澪をかばいながら鎌首を持ち上げるC‐02を睨み利かす。澪は勇士朗の夏服の制服をにぎり怯えるように隠れる。