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こらぼでほすと ニート10

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ティエリアの語ったニールの取り扱いは、ヴェーダに録音しておいた。それを解析して、ざっと目を通せば、日々の用事は理解できる。キィーンと目を金目にしてリジェネが、それらを済ます。時間にすれば、僅かのことだ。意識を素体に戻すと、目の前のママは驚いた顔をしていた。
「今、金目になってたぞ? リジェネ。」
「うん、ヴェーダと本格的にリンクすると、こうなる。ティエリアもなってたでしょ? 」
「そうだったかなあ。」
 ニールは、ティエリアや刹那が金目になるとこなんて、ほとんど見ていない。そんな真似をしたら、ニールが何事だ? と、心配するし、寺で日常を暮らしている分には、そんな用事は皆無だからだ。
「僕の本体は、今はヴェーダの中に存在しているから、あっちで作業する場合は、この素体から本体へ戻る必要があるんだ。」
 そう言われれば、ティエリアにヴェーダから携帯端末に飛んで来い、と、命じたら素体の意識は薄れていた。
「そういや、リジェネは怪我とかしなかったのか? 」
「怪我っていうか、八割方死んだね。これは、ティエリアと一緒に作った素体。ティエリアは小さい素体で降りて来たでしょ? あの時、僕のも製作した。」
 この辺、撃たれたと胸の辺りに視線を向けたら、悲しそうな顔をされた。確かに痛みは感じたが、あのお陰で素体から放れてヴェーダ本体へ戻れた。だから、それについてはよかったと思っている。
「別に大丈夫だよ? ママ。ティエリアも、なんともなかったでしょ? だいたい、ティエリアなんてさ・・・」
 頭部に一発と口を開きかけたら、マーズに口を塞がれた。ヘルベルトのほうはニールの耳を塞いでいる。
「それ以上に細部の話はやめとけっっ。」
「生々しい話は毒だ。」
 マーズとヘルベルトが注意して手を離す。いろいろとやらかしているのは承知しているが、実際の生々しい話に関してはやめてくれとおっしゃる。
「こいつ、そういう話をすると不眠症になる。なるべく避けてくれ。」
「いや、ティエリアが一度身体を破壊したってのは聞いてますよ、マーズさん、ヘルベルトさん。」
 ニールもティエリアから、その話は聞いた。二度と、そんな想いはしないでくれ、と、頼んだが、実際は難しいのかもしれない。マイスター組も、いろいろと怪我はしていたらしいが、そこいらは軽く説明されただけだ。なんとか生きて帰って来てくれたが、これからも、そうとは限らない。そう思うとニールの気分は重くなる。
「生々しい? 」
 リジェネの質問に答えずに、ニールは遠いところに目をやる。マイスターは老衰まで生きていられる商売ではない。いつか、必ず戻って来ない時がくる。覚悟はしていても、やはり気分は落ち込むものだ。
「人間は一回しか死ねないからな。・・・あ、でも、俺も一回やってるか。」
「仮死状態だったがな、おまえは。」
「すいませんねぇー助けてもらって。」
「キラ坊やのお陰だ。あいつが、きっちりと、おまえの居場所を把握してたから、俺らは救助できたんだ。・・・・・ママニャン、おまえ、バトミントンってやったことあるか? 」
「正月にやった羽根突きの簡単なヤツなんだがな。」
 もう、この話はなしだ、と、ヘルベルトが話を切って、本日の予定についての話題に切り替える。ニールに見えないところで、リジェネに軽くチョップを入れてマーズも、そちらの話題に乗る。
「バトミントン? 昔、やったかもしんないけど・・・・」
「テニスよりは楽な遊びだ。おまえも参加するといいぜ。」
「そのためには体力温存が一番だ。」
「わかっちゃいますけどね、これはやりすぎだと思いますよ? ヘルベルトさん、マーズさん。」
 両手首をリジェネに持たれて身動きが出来ない。そして、でかい男が二人、傍に居座っている状態というのは体力温存云々以前の問題だ。



 そうこうしていたら、玄関から大声が聞こえて足音がやってくる。シンとトダカの親子が顔を出した。
「何やらかしたんだ? ねーさん。」
「シン、助けてくれ。」
「その体勢は、ちょっと辛いね? 娘さん。シン、タオルケットもかけたほうがいい。」
「オッケー、とーさん。」
 シンは勝手知ったるなんとやらで、客間からタオルケットを運んできて、ニールにかける。いや、それじゃねぇーよ、と、ニールがツッコミする。リジェネの手からトダカがニールの手首を開放すると、今度は楽しそうに片手を掴んで笑っている。
「楽しい遊びだね? 娘さん。どれ、おとーさんも。」
「だから、トダカさんもノリノリで遊ばないでくださいっっ。」
 しかし、だ。トダカの手からニールの手は、すかさずリジェネが奪い取っている。
「これは僕の仕事。勝手に取らないでくれる? 」
「あ、これがリジェネか。ねーさんの世話が担当なのか? 」
 シンはリジェネと初対面だが、別に畏まって挨拶するつもりはない。ティエリアの兄だと聞いているから、ティエリアと同じ扱いでいいんだろうというところだ。
「ねーさん? ママは、シン・アスカの姉なの? 」
「そうだよ。この子は私の娘だから、私の息子のシンとは姉弟ってことになる。はじめましてだね? リジェネくん。この子の世話は大変だから、よろしく頼むよ。」
 トダカが簡単に挨拶すると、ニールが、「リジェネ、挨拶っっ。」 と、容赦ないツッコミが入る。渋々ながら、リジェネも頭を下げて、「こんにちわ。」 と、挨拶はする。そこへ、今度は大明神様と、その下僕だ。
 うっきゃあーと大騒ぎでやってきて、身動きできないニールの頬に、大明神様がうっちゅーと吸い付く。
「ママ、愛してるーんっっ。」
「お邪魔します、ママニール。おや、新しい遊びですか? 」
 大明神様がニールに吸い付いていようと、その下僕のアスランは涼しい顔で挨拶だ。
「アスランッッ、これ、引き剥がせっっ。キラ、重いっっ。どけっっ。」
「やだっっ。ママって、いつも僕のキスを逃げるもん。こういう時に、存分にやってあげる。」
「いらんっっ。シン、助けろ。」
「はいはい、キラさん。やりすぎっす。」
 さすがに姉が圧し掛かられて重いと足掻いていれば、シンもキラを排除する。どっこいせ、と、キラを持ち上げてアスランに返す。
「止めろよ、アスラン。」
「楽しそうでいいだろ。」
「ね-さんが圧死する。キラさん、バトミントンは? 」
「持って来たよー。表に置いてある。でも、まずはお腹ぺこぺこ。」
「あ、俺も腹減った。ねーさん、メシッッ。」
 下準備はしてあるから、後は各人の欲しいものを用意すればいいたけだ。さて、準備しますか、と、起き上がろうとするのだが、リジェネは、まだ手首を開放してくれていない。
「リジェネ、メシの支度すっから離せ。」
 で、リジェネがお伺いを立てるのは悟空だ。
「離していいの? 悟空。」
「おう、放してくれ。・・・カレーうどんのヤツ、手挙げてぇー。」
「カレーうどんと他は? 」
「カレーとアイリッシュシチューがある。他はサラダぐらいだ。」