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PN悠祐希
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魔法少女おりこ★マギカR 第2幕 【第3話】

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■ プロローグ ■



『やあ、織莉子。それに、キリカ。久しぶりだね。元気にしていたかい?』
 キュゥべぇが、織莉子とキリカに、そう声をかけた。

 魔獣との戦いを終えた後…
 その場には、美国・織莉子と呉・キリカの他に、見滝原の魔法少女…巴・マミと暁美・ほむら…
 さらに、基本的には他所の町を縄張りにしている佐倉・杏子と、彼女と行動を共にしている、最近、魔法少女になった幼女…千歳・ゆま…
 そして、記憶と共に戦い方を忘れ、織莉子の家で暮らしている魔法少女…『まどか』までもが集まっていた。

 だが、その中でも、織莉子とキリカは、ここ最近、キュゥべぇと接触する機会が、極端に少なかった。
「とりあえずは…生きているわ」
 織莉子が、そう答えた。
『そうかい…それは良かった』
 と、キュゥべぇの視線が、止まった。その先にあるのは…まどか。
 まどかも、不思議そうに、キュゥべぇを見つめている。
 そういえば、まだ、この世界では、まどかとキュゥべぇは、会ったことがなかった。
『君は…いったい…』
 キュゥべぇが、そう口にしかけた瞬間…
「それで、今日は、何の用で現れたのかしら?」
 ほむらが、そう問いかけることで、キュゥべぇの言葉を遮った。
『別に…ただ、今回、この場所に出現した魔獣も、これまでに出現したモノとは、少し違うようだったからね。情報の収集にきたまでだよ。とにかく、杏子には、すでに言ったことだけど、ここ最近、これまでにない強力な魔獣が出現し、多くの魔法少女達が命を落としている。君達ほどの魔法少女に死なれると、エネルギーの回収率も低下してしまうからね。忠告しておこうと思ったまでだよ。ま、そういうことだから、気をつけて』
 キュゥべぇは、そう応え、去っていった。
 ほむらは、ホッと安堵の息を一つ吐いた。なんとなく、まどかのことを、キュウべぇ=インキュベーターには、知られたくなかった。
「だけど、キュゥべぇの言うとおりね。最近は、魔獣の力も数も、増しているわ。これからは、単独行動は、極力、避けた方がいいかもしれないわ。特に、佐倉さん…まだ経験も浅い小さな子を同伴させているなら、なおさらよ。しばらくは、私達と組んで戦った方がいいわ」
 マミが、そう提案した。
「別に、それは、かまわないけどさ…」
 杏子も、ここは拒否しなかった。
 確かに、ここ最近、出没する魔獣は強力だ。ゆまどころか、杏子自身が、すでに殺されかけている。数に圧倒されたあげくに、腕や脚に組みつかれ、力任せに引きちぎられた…思い出しただけでもゾッとする状況だ。ゆまが魔法少女になっていなければ、間違いなく死んでいた。
 とにかく、そのような経験をしているだけに、ここは、マミの提案を受け入れるべきだと判断した。
「ただ、この街にとどまれってんなら、どっか寝るとこ提供してもらわねえと…あたしだけならまだしも、こいつも一緒となると…今から屋探しは、ちょっときついんだけど」
 ゆまの頭を、ポンポンと叩きながら、杏子は、そう訴えた。つまり、マミか ほむらの家に泊らせろと、遠回しに言っているのだ。
「ならば、私の家に、いらしてはいかがかしら?」
 織莉子が、傍までやってきて、そう申し出た…
「使っていない部屋がいくつかあるから、窮屈な思いはしないで済むわ。毎日、お掃除もしているから、今晩からでも問題なく使えるわ」
 ちなみに、掃除をしているのは、まどかだ。
「ま、そっちのチッコイのには、命、助けられてるし、グリーフシードまで分けてもらっちゃってるしね〜…それくらいのことで、恩が返せるとは思ってないけどさ」
 キリカも、その場にやってきて、そう言った。
「ただし、あくまでも、部屋と…あとは食事くらいは提供してもいいけど…とにかく、それだけよ。私達は、そちらのチームと、組んで行動するつもりはないわ」
 織莉子が、そう念を押した。
「それは、お互い様さ。あたし等だって、あんた等はもちろん、ほむらやマミとだって、そうそう、群れるつもりはないさ。でも、部屋は、使わせてもらうことにするよ。代金は、グリーフシードで…ってことで頼むわ」
 杏子が、そう応えた。
「というわけで、まどか、明日から、また忙しくなるけど…家の方は、頼んだわ」
 織莉子が、まどかに、そう話しをふった。
 戦う能力を発揮できず、記憶もなく、織莉子達と一緒にいる以外にすることがない まどかは、自らの意思で、美国邸の家事手伝いとして、自分の存在意義を確立しようとしていた。
「ええ?…だって、私も、明日からは、織莉子さんを守る為に、魔法少女として戦いに加わるんじゃないの?」
 まどかが、不服そうに、そう言った。
 そう…まどかは、つい先ほど、魔法少女の本来の使命を、目の当たりにした。
「あぁ、だって、ほら…織莉子は、これからも、私が守らないと…騙してたこと、許してもらえないじゃない?」
 キリカが、それはバツが悪そうに、そう応えた。
「それに、今のままでは、足手まといだって実感したのでしょう? ならば、魔法少女として何も出来ないうちは、二度と勝手なマネ、しないわよね?」
 織莉子も、厳しい表情と口調で、そう問いかけた。それは、もはや、『するな』と強要しているのと同じだ。
「とにかく、今は、魔法少女としてじゃない、やれる事をやってもらうわ。いいわね?」
 織莉子が、さらに、そう言葉を付け加えた。
「…はい…そうだね。まずは、できることから…だよね」
 まどかも、その言葉に、同意した。

「あの子…《まどか》っていうみたいだけど…前に、暁美さんが言っていたのは、あの子のこと?」
 マミが、織莉子達と まどかのやりとりを見て、ほむらに、そう訊いてきた。
「…いいえ…違うわ」
 ほむらは、あえて、そう答えた。
「そう…でも、なんでかしらね…あの子を見ていると、なんか、とても懐かしい気がするのよ」
 マミが、そんなことを口にした。
「え?…マミも? 実はさ…あたしもなんだよね。どっかで会ったこと、あったかな?」
 杏子も、そう応えた。
 ゆまは、そんな二人の態度に、『?』な表情を浮かべていたが…
 そのような中で、ほむらの表情は…それは嬉しそうな笑顔だった。