魔法少女おりこ★マギカR 第2幕 【第3話】
その様子を、戦いの場だった公園の傍の建物の屋上から、見つめている者がいた。
歳の頃は、おそらく中学生程度。
月明かりに照らされた髪の毛は青く輝き、その容姿は、おそらく誰もが『美少女』と認めるものだった。
しかし、その眼光は鋭く、意思の強さを感じさせる。
そして、こんなことを、口にする…
「あの人達が…見滝原の魔法少女…」
『どうだい、彼女達は?』
キュゥべぇが、その人物の足元に現れた。
「正直、あの実力で、こんな命懸けの戦いをしているなんて…ボクからすれば、無謀としか言いようがないよ…
そんな彼女達よりも、さらに未熟だったというなら…戦いきれなくなって消えてしまったのも…まあ、仕方なかったんじゃないかな。それで、お父さんや、お母さんに、心配かけてさ…ほんと、馬鹿だよね…」
その人物は、そう答えた。その表情は、冷静な言葉と口調とは裏腹に、にわかに悲しみを漂わせていた。
「そして…あの人達も、あんな程度でしかないならば…このボクが…」
拳をギュッと握りしめ、決意を新たにするような鋭い視線で、魔法少女達を見つめ続けた。
作品名:魔法少女おりこ★マギカR 第2幕 【第3話】 作家名:PN悠祐希