魔法少女おりこ★マギカR 第2幕 【第3話】
杏子が、公園に到着した時、すでに魔獣の姿はなかった。場も、完全に清浄化されている。
だが、先程と違うのは…
公園の真ん中に、杏子に背を向けるようにしてたたずむ、人の姿…
風になびく白いマント…
その手には、剣…それが、月明かりに照らされ、妖艶に輝いている…
そして、やはり、月明かりに照らされ、淡く輝く青色の髪の毛…
「まさか…いや、しかし、そんなこと…」
その姿に、ある人物を想い浮かべ、それを否定する…
「キョーコ! 先に行っちゃうなんて、酷いよ〜」
と、追いついてきた ゆまが、そう声をかけてきた。
「…!」
すると、その声に気がついたのか、その人物が、杏子達の方に顔を向けた。
「…なっ!…お、お前は…」
杏子が、その顔を見て驚きをあらわにした。体の震えが止まらない。
その人物は、そんな杏子から顔をそむけ、そのまま駆け出し、アッという間に暗闇の中へと消えていった。
「な、ちょっと待てよ!…」
杏子は、すでに消えてしまった、その人物に向かって、こう呼びかけていた…
「さやか!」
だが、闇の中から、応えが返ってくることはなかった。
作品名:魔法少女おりこ★マギカR 第2幕 【第3話】 作家名:PN悠祐希