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アンダーザブリッヂ
アンダーザブリッヂ
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暦と忍のクロスオーバー ~夏色キセキ~ №2

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<第弐話=再び>
 
 少女達と別れてから一日が経った。
 それにしても昨日のは何だったんだろう・・・。
 「なにやら願い事をしようとしておったみたいじゃの」
 「それじゃあ何だ、あの手を乗せてた岩に何か有るのか?」
 「多分な・・・、で、どうする?お前様よ」
 うーん、ひとまずあの岩にでも行って見るか。
 自宅から歩いて一時間弱、僕達はあのきつい階段を忍を抱っこして登る。
 やっぱり何時登ってもきつい物はきついな。
 「やっぱり何時登ってもきついのう、のうそうもうじゃろ?お前様」
 「お前はずっと僕に抱っこされてたろうが!」
 はぁ、たくこいつは。
 「どうだ?忍」
 「ふむ、やはり多少は霊的エネルギーがあるようじゃが、問題はないじゃろ」
 そうか、問題ないならいいけど・・・、さてこれからどうするかな。
 「・・・お前様よ誰か来てるぞ」
 「え?誰だろう」
 僕達が境内の方を見ると一人の少女が歩いてきた。
 あれ?あの子は昨日の痛い美少女の一人じゃないか。可愛いのに残念だ。
 「あれ?あなたは昨日の・・・」
 「へぇ、覚えてくれたんだ嬉しいな」
 「あ、はい。でもどうして此処に?」
 「え・・・?君に会いに?かな」
 我ながらくさい台詞を吐く僕、やっぱり忍が白い目で見てくる。
 あれ、でもこの子は何故か顔を赤くしている。何でだ?
 「そ、そうなんですか?で、でも良く私が来るって分かりましたね。もしかして・・・」
 お、何故か少女は僕に近づいて来る。何だ?
 「・・・超能力者ですか?」
 え?何言ってんのこの子。
 「え?あ、じ、冗談ですよ!」
 「あははは」と笑ってごまかす少女。
 本当に痛い子かと思った。
 少女は「冗談はこれぐらいにしておいて」と言って真剣な顔をする。
 「で、何で此処にいるんですか・・・?あ、もう私に会いにってのはなしですよ」
 うっ、同じ事を言う前に釘を刺された。
 「いや、ちょっとね・・・、昨日来たら此処の景色が良かったからね。また来たんだよ」
 嘘は言ってないぞ?本当に昨日綺麗だと思ったし・・・。
 「そうじゃよ、儂達は昨日この町に引っ越してきたからのう、それで此処を見つけたんじゃよ」
 忍がナイスなアシストで少女は何とか信じてくれた。
 「じゃあ逆に聞くけど君はどうして此処に?」
 「え?それは・・・その」
 少女は口をもごもごさせたままなかなか喋ろうとしない。そんな言いにくい事か?
 「ほれ、はっきりせい小娘よ、そんな口をもごもごさせてては分かるもんも分からんじゃろ」
 「え?小娘・・・?私よりも年下なのに・・・」
 「ごめんな、こいつちょっとおかしいんだよ」
 「何を言っておる!儂の何処がおかしいんじゃ!」
 いろいろだよ。年寄り口調を止めろって何回言っても直らないし。
 「いや、これはこれでありじゃろ?」
 「無しだよ!」
 でも、確かにアリっちゃあアリだな・・・、でもそんな事は絶対に言わないぞ。
 「あの、もういいですか?」
 「あ、ああ、ごめんちょっと熱くなってたわ・・・続けて」
 僕が続きを促すと今度は口をもごもごさせなかった。
 「私は・・・、この岩に用があるんです」
 それだけ?何だ、期待して損した。
 でも確かのこの岩って・・・。
 「・・・お姉ちゃん、この岩が何か知っとるのか?」
 年寄り口調と幼児言葉を織り交ぜる忍が言う。
 「え?どうしてそれを・・・?」
 知ってるのか・・・なら昨日の事はこの岩を使って何かしようとしてたのか。
 「知っとるんじゃな・・・昨日は何をしようとしてたんじゃ?」
 忍が真剣な目つきで少女を睨み付けるおかげで少女が一歩後ずさる。忍ちょっとやりすぎだ。
 「それは・・・分かりました。言います」
 やっと少女が口を割る事にしたらしい。
 忍の怖いぐらいのあの頃の目つきが怖かったのだろう・・・多分。
 少女は僕達にこの岩のいい伝いえを教えてくれた。それに少女達の思い出の場所である事を。
 「そっか、それで昨日は出来なっただ」
 「はい、でも子供の頃も無理ででしたから・・・」
 でも何で願い事が叶わないんだ?この岩には出来るような力があるのに・・・。
 「・・・それ以外で使おうとはしとらんな?」
 「え?それ以外ってそれ以外にあるのんですか?」
 いや、ちょっと・・・言ってもいいのかな。
 でも忍は別に良いって顔してるし・・・まぁいいか。
 「この岩にはそんなに多くはないけど霊的エネルギーがあるんだよ・・・分かる?」
 「霊的エネルギー?何ですかそれ?」
 やっぱり怪しい目でこっちを見て来た。だから僕はあんまり言いたくなかったんだよ。ほら、だって怪しい宗教の勧誘みたいな事を言ってるんだから当然なんだけどさ。
 「まぁ、信じなくていいよ・・・って言うかもう忘れてくれ」
 「はぁ、でももうお願いもしないと思いますから大丈夫ですよ?霊的エネルギー?でしたっけ?」
 あ、霊的エネルギー馬鹿にしてるだろう、凄いんだぞ?過去にも飛べるし、怪異だって呼び寄せるし。
 まぁそれよりも長く此処に良すぎたな・・・。
 「ねぇ、君今暇?」
 ちゃらちゃらした奴がよくナンパで使うセリフを堂々と吐く僕。
 それに一瞬驚く少女。
 「あれ?何か私ナンパされてます?」
 「いや、別にそう言う分けじゃないけど、ただ町を案内して欲しいなって思っただけだよ」
 「町ですか・・・?ああそっか、昨日来たばっかりなんでしたね」
 「いいですよ」と軽く返した少女に僕はちょっとした危機感を覚えながら少女の受け入れをありがたく受け取る事にした。
 「・・・お前様よ、お姉ちゃんの名前は聞かくてもいいのか?」
 やっと喋ったと思ったらそれかよ・・・、まぁ丁度僕も知りたかったし。
 「悪いんだけどさ君の名前教えてくれないか?」
 「え?ああ、そうでしたね。私の名前は【水越咲季】って言います。あのあなたは?」
 「僕は【阿良々木磨】こっちは【忍野忍】よろしくな、水越ちゃん」
 「はい、お願いします、阿良々木さん、忍ちゃん」
 自己紹介も済んだしこれから水越ちゃんに案内をしてもらうか。
 「お前様よ、いい加減苗字にちゃん付けは止した方がいいのではないか?」
 「は?招待面の人に沙季ちゃんって呼ばれても良いってのか?お前は」
 「いや、水越さんとかで良いじゃろ・・・」
 まぁ、そうなんだけどさ、何か嫌なんだよ年下をさん付けとか。
 「それを言ったらほとんどがちゃん付けになるぞ」
 そうなだけどさ。
 僕達が会話していると水越ちゃんが何かを言いたそうな顔をしているから僕は会話を止め話す用に促した。僕は女の子には優しいからね。
 「あの、別に沙季で言いですよ?」
 「そうなの?じゃあ沙季ちゃん」
 「はい、何ですか?」
 「それじゃあまずは何処に連れて行ってくれる?」
 「そうですね・・・、じゃああそこに行きましょうか」