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こらぼでほすと ニート13

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リジェネが、周辺を歩き回ってトダカ家のあるマンションに戻ってきたら、ちょうど、キラたちと鉢合わせをした。というよりは、リジェネがキラの動向をヴェーダから捉えて時間を合わせた。外で話さないといけない用件だと感じたからだ。
「どこ行ってたの? リジェネ。」
「きみが来るのを待っていた。ニールのカルテを渡してくれないか? 」
「なんで? 」
「うちにある症例とチェックすれば、もう少し治療方法が見つかるかもしれない。それに、その症例に関する看病も判明する。」
「ヴェーダちゃんとのチェックなら、すでに終わってるよ、リジェネ。該当するものはなかった。ママの場合、八戒さんの漢方薬治療っていうスペシャルステージあるから、どれとも合わないんだ。」
 ヴェーダにはイノベイドに知られることなく、キラ製作のロクロクちゃんという全制御型のシステムが配置されていて、日々、ヴェーダに蓄積されるデータから、それらは検索している。それでも見つからないのだから、新たなものはない。ティエリアもキラとは別に、日々、検索をしているが、発見の連絡はないから、地球上に、そのデータはないのは確定している。
「それは渡さないってことかい? 何か問題でもあるの? 」
「渡さないほうが無難だよね。ママも自分の状態は知らないんだから、きみが漏らしてくれると大騒ぎになっちゃう。」
「でも、看病方法というのは症例に合わせるべきじゃないのかい? キラ・ヤマト。」
「そんなに難しくないんだけどなあ。ママの場合、あんまり動き回らないように牽制しておけばいいだけだ。ねぇ? アスラン。」
 背後で大荷物のアスランにキラは話を振る。ダウンした場合は本宅へ搬送して専門家に任せるから、普段の日常生活では看病というのはする必要はない。
「そんなところだろうな。きちんと食事とクスリを摂らせて、昼寝もさせておけば問題はない。」
「でも、昨日は? 」
 昨日だって、みな、揃っていた。だというのに、今朝からダウンしている。看病ができていないのではないか、と、リジェネはツッコミだ。
「昨日は、ちょっとはしゃぎすぎちゃった。でも、ちょうどよかったんだ。本来なら、ママは里帰りしてる時期だったから、こっちのほうがゆっくりできるからね。 」
「里帰りは予定されていたのもの? 」
「そうだよ。きみが降りて来なかったら、ティエリアたちがヴェーダに戻った時に、里帰りすることになってたんだ。」
「僕の所為? 」
「ううん、それは違う。昨日、ママが楽しそうだったから、つい止めるのを忘れたのが原因。」
「カルテのデータは貰えないんだね。」
「うん、渡したくない。」
 リジェネの不用意な発言の報告は、ハイネからも受けている。そんな人間にデータを渡したら、ママに何を言われるかわかったもんではない。天然電波の大明神様でも、これに関しては慎重だ。
「一体、どうしたらいいのさ? 」
「だから、アスランが言ったでしょ? ちゃんとごはんを食べさせてクスリを飲ませて昼寝をさせる。それだけだよ。」
「それで体調は維持できるわけ? 」
「あんまり動き回ってたら、動かないように注意するぐらいかな。でも、里帰りの時は、動き回る用事はないから。」
 トダカ家には、常時、トダカーズラブの人間がやってきて掃除洗濯の家事はやってくれるし、トダカも一通りの料理はするから、そういう家事も半減だし、何より作る量が少ないから重労働にはならない。リジェネの世話ぐらいなら軽いものだ。だから、身体を休められる。
「わかった。とりあえず、食事とクスリと昼寝だね。」
「うん、お願いする。ああ、きみの衣料品を運んできたよ。」
 マイスターの社宅のほうに、四人分の衣服は用意してある。ティエリアと体格の変わらないリジェネなら、それで十分だから、アスランが適当にピックアップしてきた。
「話は、それだけか? リジェネ。」
「ママの前でできないのは、それだけ。」
「じゃあ、トダカさんとこへ上がろう。」
 アスランが、そのまま紙袋を持ち上げて運ぶ。キラも、何かしら持っているが、軽そうだ。三人で、マンションのエントランスを入り、リジェネの貰った合鍵でエレベーターに乗った。





「なあ、とーさん、晩飯どーする? どうせ、キラさんたちも食ってくだろ? デリバリーでも頼もうか? 」
 トダカ家の居間で、シンとトダカとハイネが寛いでいる。点滴の見張りはレイが担当している。具合の悪いニールがいるから、外食は難しい。そうなってくるとできあいを買って来るか、デリバリーを頼むことになる。
「そうだなあ。」
 本日午前中に、トダカーズラブが掃除洗濯は完了させているから、居間も綺麗なものだ。午後から娘を里帰りさせると追い出した。いつもなら、日曜の夜はトダカーズラブの面々と外食している。
「帰らせればいいだろ? キラまで来たら五月蝿くて、ママニャンが寝てられないぞ、シン。」
「でも、俺らも食わないわけにはいかないぜ、ハイネ。」
「デリバリーでいいよ、デリバリーでさ。ママニャンの分だけ、レイに作らせればいい。俺、ホカ弁でもいいぞ。」
「まあ、俺も、それでいいんだけどさ。」
 普段の野郎の食生活なんてものは、そんなものだ。コンビニ弁当かホカ弁というところが、通常で、ちょっとやる気があったら惣菜を買ってきて、ごはんを炊くというぐらいになる。
「ホカ弁はやめてくれないか。私にはキツイ。」
「とうさんのは、あっさり幕の内とかにすれば? 最近のホカ弁は、そういうのもあるんだ。」
 年齢的にボリュームのあるホカ弁は、トダカには無理だが、最近では初老向けとか老人向け、女性向けのカロリーが低いものもある。ホカ弁なんて食べることがないトダカは知らなかった。トダカは独り者だが、ちゃんと毎日、食事を作っているから、それらの厄介になることがない。
「それなら、それでいいな。シン、ひとっ走りしてくれるか? 」
「オッケー。じゃあ、もうちょっとしたら行ってくる。あと、果物とかも買ってきたほうがいいよな。」
「そうだね。何か適当に見繕ってきてくれ。」
「シン、ビールの六缶パック頼んでいいか? ドライ系で。」
「ああ、そうか。うち、ビールって少ないな。ツマミはいいのか? ハイネ。」
「ホカ弁をアテにする。最悪は、俺、塩でいけるから。」
 ツマミがなくても飲めるらしい。だが、トダカは、「おや、通なことを言うね、ハイネ。」 と、笑ってツッコミだ。
「通っていうより慣れですよ。わざわざ、自分んちにツマミとか置いてないから。」
 普段から遊撃隊で、あっちこっちと移動しているので、自宅にツマミなんか確保していない。それに、最近は、すっかり寺に居候状態で、ニールのつくるツマミで飲んでいるものの、ニールが寝てから酒盛りする場合は、やっぱり塩しかないからのことだ。
「簡単なのを覚えておけばどうだい? 塩はいいけど、ツマミのあるほうが酒量は減るんだ。」
「それはわかってるけど、どうも面倒で。」
「独身貴族でいるつもりなら、料理の腕を磨いておくことを推奨しておくがね。」
「まあ、そのうち考えます。ママニャンと別れたら、本気で探しますよ。」