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こらぼでほすと ニート13

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 いずれ、プラントに戻ることは確定している。寺との縁は、それで終わりだ。たぶん、プラントに戻ったら、家庭料理が恋しくなって、必死にそういう相手を探すだろうと、ハイネは自分を分析している。
「まあねぇ、あの子と暮らすと、そういうことになるね。」
「あんな甲斐甲斐しい女房なんていないでしょうけどね。ほんと、本気で略奪したくなる。」
「ハイネ、死ぬぞ、それ。」
「わーってるよ。俺じゃあ、三蔵さんの相手なんか無理だ。本気だったら瞬殺される。」
 根本的に鍛え方が違うから、ザフトのエリート軍人なハイネでも寺の坊主に太刀打ちは出来ない。たまにトレーニングに付き合ってもらうが、手加減されていても、あっという間に倒されてしまうからだ。
「悟空の動きって、俺らじゃついていけないもんな。実戦て大切なんだって、よくわかる。」
 うんうん、と、シンも頷く。シンだってザフトのエリート軍人だが、それでもついていけないのだ。ナチュラルよりは、筋肉なんかも強化されているコーディネーターだが、それでもナチュラルな悟空に負ける。『吉祥富貴』に参加する前は、肉弾戦をやりまくっていたと言っているから、そういう実戦で培ったものは、コーディネーター云々の問題ではないらしい。
「適材適所さ。悟空くんだってMSには敵わないんだから。」
 悟空が、人外神様枠だと知っているトダカは、そう笑う。もしかすると、完全に力を解放した場合は、MSでも破壊できてしまうかもしれない。それを想像してしまったらしい。

 そんなたわいもない会話をしていたら、玄関の呼び鈴が鳴る。シンが、すぐに飛び出していく。やってくるのは、キラたちだ。
「いらっしゃーい、キラさん。おう、リジェネ。一緒だったのか? 」
 キラが、やっほーと入ってきて、そのまま居間に寄らずに、ニールの部屋に飛び込んだ。あ、と、ハイネは慌てたが、もう遅い。
 だが、ちゃんとレイが反応した。ベッドにダイブされるのは阻止した。なんせ、ママは点滴中だ。下手なところへ飛び込まれたら、点滴針が、また血管を突き抜けて騒ぎになる。
「あ、ごめん。止めてくれてありがとう、レイ。」
 阻止されて、ベッドのほうを見て、キラも礼を言った。あれだけ騒いだのに、ニールからの反応はない。
「いえ、気付いてくださってよかった。」
「うん、いいもの見つけたから、ママに見せたくてね。寝てる? 」
「はい、熟睡してるようです。なんですか? いいものって。」
 キラが持っていたラッピング包装のブツに、レイも興味を示す。天然電波に普通なものはない。いいものと言っても、生ものだったりするとマズイから、まずブツの確認だ。
「そっくりなのがあったんだ。」
 ごそごそとラッピングを外して、取り出すと、中からは黒猫だった。首には赤いマフラーみたいな首輪をしていて、猫なのに目が赤いものだった。リアルなものではなくてコミカルな感じのくったりしたヌイグルミだ。特区の常識としては黒猫は不吉なものに該当しているが、レイは、この場合はいいんだろうと思うことにした。
「刹那ですか? 」
「そう、そっくりでしょ? 」
 これなら被害はないだろう。キラがニールの枕元にそっと置くのも注意しなかった。ハイネも追い駆けてきたが、それを確認して居間に戻った。天然電波なので、たまにいいこともある。今回はいいほうだった。ヌイグルミなんて、男は思いつかないが、天然電波は、そういうものに気付くのだ。
「少し待っていていただけますか? キラさん。点滴が終わったら、目を覚ますと思うので。」
「わかった。待ってる。」
 わざわざ起こしてまで説明する代物ではない。だから、キラも大人しく引き下がる。あと、少しで輸液はなくなる。その処置の時には目を覚ますだろう、と、レイは待ってもらうように頼んだ。


「ホカ弁? シン、それならトダカさんでも食べやすいデリバリーがある。」
 荷物を置いたアスランに、今日は早めに引き取ってくれるように頼んだら、そう言われた。いくら低カロリーのホカ弁といえど、口の肥えたトダカでは食べ辛いだろうと、アスランが別のデリバリーを教えてくれる。アスランは、普段からイベントごとのデリバリーを担当することが多いから、そういう情報も握っている。
「それ、今から頼んでも間に合う? 」
「少人数なら大丈夫だ。」
 頼んでおこうか? と、連絡先を携帯端末で呼び出していたところにキラが戻って来た。ママにプレゼントの説明をするので、もうしばらく居座ると、ソファにでっかりと腰を下ろした。
「ハイネ、あと、どのくらい? 」
「二十分もないだろう。その代わり、説明したら帰れよ? キラ。ママニャン
の今日の仕事は寝ることだからな。」
「わかってる。アスラン、今日は外食しよ? 気分は居酒屋さん。」
「居酒屋? また妙なところを選択するんだね? キラ。」
「家庭の味っぽいのが食べたいんだ。なんか、ママの顔を見ると、そういうのに行き着いちゃうんだよねぇ。」
 キラのご意見に周囲も、うんうんと同意する。寺では、ゆっくり家庭料理を味わえるので、どうしても、そういうイメージになる。アスランが作るものも、キラには家庭の味なのだが、それよりも俗っぽい庶民派の味の家庭料理となると、ママの味ということになる。
「俺、どっちかと言うとママニールのイメージって、食堂って感じだな。和洋中なんでもあって、ボリュームがあっておいしいって感じ。」
 対して、アスランは、そういうイメージだ。家庭料理という括りだと、アスランにはキラの母カリダの味のほうが強い。
「それも合ってるなあ。」
「だろ? シン、とりあえずメニューと値段は、こんな感じなんだが? 」
 携帯端末で、デリバリーの情報を呼び出して、シンに見せる。それをトダカにも見せて、これでいいだろう、と、注文を決めた。ハイネやレイは、なんでもいいだろうから無視だ。
「えー、頼むんなら、僕も一緒でもいいじゃない、シン。」
「でも、キラさん。騒ぐのはなしっすよ? それに、ねーさんと一緒には食べられないし。」
「あ、そうか。じゃあ、アスランとデートにするよ。」
 で、ここまで放置されているリジェネのことを思い出して、シンも好き嫌いを尋ねる。尋ねても、当人にもよくわからないので、こちらも適当だ。
「まあ、いいや。食べられるのだけ食え。・・・それから、おまえ、アスランに礼は言ったのか? 」
「なんで? 」
「おまえの着替えを運んでもらったんだろ? 礼ぐらい言え。」
「僕が依頼したわけじゃないのに? 」
「ああ? じゃあさ、おまえ、明日からも同じ服を着るつもりだったのかよ? 」
「買えばいいことだ。」
 ツーンと、そんな反論をするので、シンは立ち上がってリジェネに近寄ると拳骨だ。こういうところは、シンも厳しい。普段はコーディネーター組の一番年下なので、それより年下みたいなリジェネだと、しつけもしている気分になる。本当は、リジェネのほうが、かなり年上なのだが。
「そうじゃない。親切をしてもらったら礼を言うのは当たり前だ。おまえ、ねーさんに、そんなこと言ったら拳骨で済まないぞっっ。」