こらぼでほすと ニート14
トダカが湯飲みに酒を入れて、お湯で割ったものを渡してくれる。ありがとうございます、と、それで手を温めて、くぴくぴと少しずつ舐めるようにしている。
「俺、おまえの部屋で寝る。そっちへ布団を持って行く。」
「それでもいいけど。そんなに警戒しなくても、何も聞き出しゃしないぜ? ハイネ。」
「一人だけ除け者にされてるみたいで、イヤだからだ。」
「子供みたいなことを・・・」
「まあまあ、娘さん。ハイネも寂しい独り者なんだ。面倒はみてやりなさい。」
「ちょっ、トダカさん? それ、トダカさんも該当してませんか? 」
「私には、娘と息子と孫までいる。寂しい独り者ではないね。・・・・身体は楽になったのかい? 娘さん。」
「熱は下がったから、大分、楽です。今日は、一日寝てましたから。」
「明日も、朝寝坊してゆっくりしておいで。」
「はい、そうさせてもらいます。」
お里だと、ニールも気楽に甘えられるから、トダカが勧めてくれるようにする。寺だと、そんなことは言ってられないが、ここだとトダカが自分で身の回りはしてしまうからだ。
作品名:こらぼでほすと ニート14 作家名:篠義