こらぼでほすと ニート15
「これ、あっさりしてて美味いんだぜ? ほら。」
ちゅるりと食べて、リジェネは、おお、という顔をする。ティエリアの好物だから、多分、リジェネも好きだろうと用意した。
「これ、おいしい。」
「そりゃよかった。これは、玉子豆腐って言うんだ。」
「特区の食品? 」
「そうなんだろうな。うちのほうにはなかったから。明日は、冷やし茶碗蒸しをしてやるからな? あれも好きだと思うんだ。」
「なんで、僕の好きな味がわかるの? ママ。」
「ティエリアの好きなものだから、おまえさんも好きなんじゃないかと思っただけだ。」
「これ、ティエリアも好きなんだ。」
「ああ、こういうゼリー状のものが好きみたいだ。」
「僕、初めて食べた。」
「ティエリアも、こっちに来てから好物ができた。特区は食材が豊富でさ、いろんなものがあるから試してみればいい。・・・そんなに気に入ったんなら、俺のも食って良いぜ? リジェネ。」
はい、と、ニールが自分の分をスプーンと共に渡してやると、リジェネはもぐもぐと食べている。それを見るニールの視線は柔らかい。
「おまえも食えよ? ママニャン。」
「そう急かすなよ、ハイネ。ちゃんと食うから。アマギさん、次は冷酒ですか? それとも燗ですか? 」
「冷で少しくれるか? 」
ビールのコップが空になっているから、すぐに新しいのが用意される。ほら、こんなことをしていたら、ダメ人間直行だ、と、冷酒を飲みながらアマギがツッコミだ。ハイネはトダカに付き合うだろうから食事時はビールだけだ。寺でも三蔵と風呂上りに一杯やっている。
たまにリジェネに話しかけつつ、ニールも食事する。ハイネとアマギも当たり障りのない世間話をしつつ、飲み交わして、〆にまぜごはんでお茶漬けをした。
作品名:こらぼでほすと ニート15 作家名:篠義