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ARMORED CORE Another Story

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001

「はあ、困った・・・」

砂漠のど真ん中を突っ切る大きな道路で彼・・レヴィンはため息を付いていた。

「所持金22Cか、これじゃ宿で一晩も泊まれやしねえ。世の中全てが金じゃない。なんて綺麗事だよな、ほんと・・・」

愚痴をこぼしつつレヴィンは端末の地図機能を使う。

先程軍の放棄された車両の中から見つけた端末だ。

「ここらから一番近い宿場はっと・・。」

検索し結果が表示される。

「マジか、車で4時間って・・。徒歩ならどれくらいだ?想像もつかねえよ。単純に倍に計算したって軽く8時間超えてんじゃん。冗談キツイよ。」

下がり気味なテンションをさらに下げて言った。

ここは広大な砂漠のど真ん中、道路はあるとはいえこんな砂漠だ。

車なんて殆ど通っていない。こんな状況に置かれたら誰だってこうなるだろう。
しかし、レヴィンは。

「グダグダ言ってたってどうにかなる訳でもないしな。 ここは素直に歩くしかないだろ。幸い食料は結構あるし。」

と言って自分を無理やり励まし足を進める。

ただ、砂漠の恐ろしいところは何といっても夜だ。

気温は極度に冷え風が強くなる。暖を取らずに外にいたら確実と言っていい程死ぬであろう。

レヴィンにもそれくらいは分かっている。彼は日も暮れてきたところで今夜の寝床を探し始めた。

「まあ、固形燃料はあるから焚き火はどうにかなる。問題は風よけが出来るお手頃な岩場か何かが見つかるかどうかなんだよなぁ。」 

そうそう、うまくいくはずも無く。寝床探しにはかなりの時間を費やしてしまい、岩場が見つかった頃にはもう日が沈んでいた。
場所はあの大きな道路からちょっと離れた所だ。
「やばかったな、もうすっかり日が沈んでんじゃん。 見つかって良かった。」

と胸をなでおろしているレヴィンであった。そうこうしているうちにすっかり日は暮れて辺は真っ暗になってしまった。

「さて、火を焚いてメシ食ってさっさと寝るか。 明日だって歩くんだし。 まだまだ先は長いな。」

結局、一番近い宿場街までまだ4分の1程進んだ程度である。

その日その日の行き辺ばったりな放浪生活。

しかし思いの外レヴィンはこの放浪生活を楽しんでいた。

何故なのかと以前にも何度か考えた事があったがその時にもはっきりとした理由を断言することが出来なっかた。

もちろん今もそうなのだが。

ただ、感覚的に以前の生活をしていた時に無かった『何か』がそこにはあった。

これだけは言えるのだろう。そんなことを思いつつ彼は眠りに就いた・・・。

作品名:ARMORED CORE Another Story 作家名:TaMaNeGi