黒と白の狭間でみつけたもの (5)
「まいったぜ。対策、ばっちりだったなッ!ポケモンリーグの決まりだ、このバッチを受け取ってくれ」
ポッドはトウコに、トライバッジを手渡した。
綺麗なバッジ。
これが、ポケモンリーグに挑むための鍵になるんだ。
初めてのバッジに感動した。
「ジムバッジはトレーナーの強さの証です。これからも頑張ってくださいね。あと、これももらってください」
緑の髪のジムリーダー、デントが、トウコにわざマシンを手渡した。
「その中身は、【ふるいたてる】。わざマシンは何度でも使えますから、有効に使ってくださいね」
にこりと笑う、青い髪のジムリーダー、コーン。
チェレンが講義してもらったのって、たぶんこの人じゃないかな。
トウコは、3人それぞれにお礼を言ってジムを後にした。
辺りは、だいぶ日が傾いてきていた。
そろそろ夕方。ポケモンセンターに戻らないと、と思ったときだった。
ライブキャスターが鳴った。
ライブキャスターに通信をつなぐと、相手はベルだった。音量いっぱいに声が飛んできた!
「もうトウコ!休んでって言ったのに!また、どこかに行ってたんでしょ?」
どうやらポケモンセンターにいないのが、ばれたようだ。
「ごめんね! でも、ちゃんと休みはしたからさ」
そう言って、トウコは笑って取りつくろう。
ベルのお説教も、けっこう恐い。
「トウコって、昔からこうなんだから!今どこにいるの? あたしも特訓終わったし、そろそろ一緒に夢の跡地に行こうよ」
「ほんと、ごめんね!今すぐもどるから!」
そう言って、トウコはライブキャスターの電源を切ると、急いでポケモンセンターまで走った。
夢の跡地。
どんなところか楽しみだ。
作品名:黒と白の狭間でみつけたもの (5) 作家名:アズール湊