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アズール湊
アズール湊
novelistID. 39418
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黒と白の狭間でみつけたもの (7)

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自然と、ポケモン達と話せてしまうNが。

ポケモンと心を通わせ話すこと、それを誰かに話すこと……。

周囲の目を気にして、私には恐くてできなくなっていることを、平気でできてしまうN。

うらやましいとトウコは思った。

「Nは、恐いと……思ったことはないの?」

「恐い?」

「その力が、人にばれること……恐くないの? 私は恐い。誰かにこの力がばれて、嫌われるのが恐い。だから、あなたが悪気はなかったのだとは思うけれど、チェレンに私の力を話した時、かっとなったわ。チェレンやベルにこの力がばれて、嫌われたらと思うと恐ろしいの」

だからずっと2人にも黙っていた。

だからこそ、不思議。

Nはこんな悩みを思ったことはないのだろうか。

ずっと、もし同じような力をもつ人がいたら、聞いてみたいと思っていたこと。

Nはよくわからないといった顔をしている。驚いて黙っているようにも見えた。

突然、聞いたから混乱させたのかも知れない。

「恐い…か。驚いたな、そんなことを考えたこともなかったからね。ボクは小さい頃から、ポケモンたちとずっと一緒に育ってきた。ポケモンたちと話すのは当然であったし、ポケモンたちがトモダチだった。それはトウコも同じじゃないのか?」

不思議そうに返ってきた答え。

Nにとって、それは普通のこと……。

それで人に嫌われるなんて、考えもしないことだったみたいだ。

もしかしたらNは、力のことも、周囲に理解されて育ったのかも知れない。

こんなことに悩むのは、私だけなのだろうか。

「そっか、Nはそんなことを考えないで平気だったのね…。うらやましいわ。 私もね、気づいたときにはポケモン達と話していたの。森で一緒に遊んだり、楽しかった。みんな大切な友達だったし、ポケモン達と話して、一緒に過ごす毎日が……大好きだった」

「それなら、恐がることもないだろう。わかるのに、ポケモンたちの声を無視する方が、ボクは苦しくなるよ。君も苦しいんじゃないのか?」

「それはね…。でも、周りから見れば、それは普通ではなくて…、すごく嫌がられた。私が恐いと、そう言われて……。それから、私はずっと力を隠してきた。人前でこの力を使うことはなくなって、今も力を使うのは、時々恐いの。タッくん達には、ごめんと思うこともあるけれど……」

トウコはそう言って、黙り込んだ。

Nみたいに、考えずにすんだら楽なのかも知れない。

それでも、カノコタウンに来てからできた友達を、また失うかも知れないと思うと恐くなる。

もう失いたくはない。

拳をぎゅっと握りしめた。

「君を傷つける人間がいたのか。ひどいね。人間は勝手だ。自分たちがいつも正しいと思って、ポケモンや君のような人も傷つける……。トウコは悪くない」

そう言って、Nはうつむいているトウコの頭をそっとなでた。

慰めてくれてるの?

驚きながら、顔を上げると、彼の優しい眼差しが見えてドキリとした。

柔らな青色に吸い込まれそうだ。

「タージャジャ…」

タッくんが、トウコにそっと体をすりよせて何か言う。

ぺったりとくっつける体からは、優しいぬくもりが伝わってくる。

「『トウコは恐くなんかないよ…』そう言っているよ、君のツタージャは」

Nが教えてくれた。

「ありがとう、タッくん」

しゃがみこみ、励ましてくれたタッくんの頭をなでると、テリムやヒヤリンも心配そうに駆け寄ってきた。

みんな心配してくれている。

うれしくて、みんなを抱きしめた。

温かい感情。優しい気持ちがたくさん伝わってくる。

「ありがとう、みんな大好きよ」

なんだか、私がNに聞いたつもりが、励まされちゃってる。

もっと、この力を大事にしてあげてもいいのかもしれない。

温かな気持ちが、そう考えさせてくれていた。

「Nは優しいね!」

トウコが笑顔でそう言うと、Nは驚いた顔をした。

「そんなこと、言われたのは初めてだ」

そう言って、少し視線をそらす。

もしかして、照れてる?

ほんと変な人。

あなたに言われて、少し勇気が出たかもしれない。

「ありがとう、N! 私、あなたみたいな人に会えたのは初めてで、すごくうれしかったの」

にっこりと微笑むトウコにつられて、Nも照れながらも、少しずつ笑顔になった。

『♪~♪~♪~』

ライブキャスターの音が響いた。

トウコは急いで、自分のライブキャスターをのぞいたが、音は鳴っていなかった。

鳴っているのは、Nのだ。

Nは通信を見ながら黙っている。

「呼ばれたみたいだ。ボクは行くよ」

誰かと待ち合わせでもしていたのかもしれない。

ついつい話しすぎてしまった。

「そっか、じゃあまたどこかで……」

この先の町は、どんどん道が分かれていく。

もしかしたら、もう会えないかと思うと、少し寂しかった。

初めて出会った、同じような力を持つ人。もっと話していたいと思ってしまった。

「ああ、またね」

Nはそう言って、トウコに笑って見せた。

「きっとまたトウコとは会えるよ。ボクが見た未来が正しければね」

不思議なことを言い残して、Nは手を振ると、3番道路の方へ急ぎ足で歩いていった。

見えなくなるまで手を振ったが、あっという間に姿は遠くなって見えなくなった。

ああー…行っちゃった。相変わらず早いわね。

「タジャジャ!」

タッくんが声を掛ける。

テリムとヒヤリンもタッくんと同じ顔をしていた。

伝えたいことは一緒。

トウコが目を閉じると、3匹の声が聞こえた。

『僕たちも早く行こうよ!』

トウコはくすりと笑った。

「そうね、そろそろ行こうか!」

「タジャー!」「テリィー!」「ヒヤー!」

目指すはシッポウシティ!

2つ目のバッチを手に入れなくちゃ!