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アズール湊
アズール湊
novelistID. 39418
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黒と白の狭間でみつけたもの (10)

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すごい、アロエさん……あんなに重かったのに。

「トウコ、本当にありがとうよ。アンタのように優しいトレーナーなら、一緒にいるポケモンも幸せだよ。こいつはアタシの気持ちさ、大切に使っておくれ!」

アロエはそう言って、トウコに、丸い石を握らせた。

これって!

「そいつは、つきのいし!それを使うことで進化するポケモンがいるんだよ。さて、ドラゴンのホネを博物館に戻さないとね。それと、アンタの怪我も治さないと!」

アロエは、テリムに支えられて立っているトウコの腕をぐいとつかむと、無理矢理おんぶした。

「え!ちょっと、アロエさん!無理がありますよ!」

なんとか歩けますからというトウコの意見は、アロエの一言で終わった。

「あはは、大丈夫だよ。アンタの一人や二人くらい、たいしたことはないさ。ほら、しっかりつかまらないと、落ちてしまうよ」

「あ…はい…。ありがとうございます」

アロエの肩に手を伸ばし、しっかりとつかまると、腰に硬い物が当たった。ドラゴンの頭の骨だろう。

「ほら、アンタはついてきな!」

「デリー!」 

ほとんど強制的におぶられたまま、テリムを引き連れたアロエさんに連れられて、トウコはシッポウシティに到着した。

なんだか、今日は誰かに抱えられてばかりだ。

貴重な つきのいしまでもらったのに、トウコはこの後、アロエさん宅でキズの処置やら、ポケモンの回復やらで、結局、数日間お世話になることになってしまった。